( ^∇^)/*。・゚・*【理奈の政治観@】・゚*。・゚*\(^∇^ )

このエントリーをはてなブックマークに追加
73Ψ(`∀´)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM
■朽ち果てた「大相撲」の病巣はどこにあるのか (青島健太 “オヤジ目線”の社会学/2011年2月8日)【1/3】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=1
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=2

大相撲という大樹が、ついに朽ちて倒れた。

八百長を意味するメールの発覚。取り口の確認。勝ち星のやり取り。それに伴う金銭の動き。
メールに残された内容は、関係者ならとても直視できるものではない。

現状では、春場所開催にとてもファンの理解を得られないこと。そして調査が難航していること。
このふたつを理由に日本相撲協会は、史上初めて力士らの不祥事で本場所中止を決断した。

●これまでのスキャンダルと八百長問題は質が違う

瀕死の巨木に再生の道はあるのだろうか。

このところ立て続けに角界のスキャンダルが起きている。師匠や兄弟子の行き過ぎた指導。力士の薬物使用。
酒に酔った力士の暴行。野球賭博問題――。

どれもこれもあってはならないことだが、しかしこうした問題なら相撲の世界に限った話ではない。
一般社会にも同じようなことはある。だから、これまでの処分は問題を起こした力士や親方だけにとどまっていた。

しかし、今回の八百長問題は根本的に質が違う。大相撲の存在理由そのものが問われる問題である。

●子どもの頃に感じた「7勝7敗の力士は負けない」という素朴な疑問
大相撲の八百長問題については、一部メディアが日本相撲協会と戦い続けてきた。
週刊誌で大相撲の八百長を告発するキャンペーンを張り、元力士の生々しい発言を掲載したりしてきた。

しかし私の見るところ、その他の大多数のメディアはこの動きを静観してきた。
ライバル社のスクープに乗りたくないという理由もあったのかもしれないが、
それより「何を今さらそんなことで騒ぐのか」という諦めの態度もそこにあったように感じる。
八百長問題は触れてはいけないタブーのように、その疑惑が昔から存在していたのだ。

東京都の石原慎太郎知事は定例会見でこの問題に触れ、「あんなものは昔から当たり前のことだったんだよ」と語ったが、
言外にあるのは「まだそんなことをやっているのか」という嫌悪感だろう。

私は子どもの頃から、「7勝7敗の力士は負けない」という素朴な疑問を持っていた。
千秋楽に7勝7敗の力士が、勝ち越している力士、あるいは負け越している力士と対戦すると、ほとんど勝つのだ。
もちろんそれを見て八百長があるとは思わなかったが、
7勝7敗の力士と対戦する相手は「勝ちづらいのだろうな」と子ども心に何かを察したものだ。

世の中には何でも調べる人がいて、7勝7敗の力士の勝率を計算している。
その勝率はなんと79.6%にも達するというのだ(スティーヴン・レヴィットほか著『ヤバい経済学』、東洋経済新報社)。

Ψ(Φ∀Φ)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM
74Ψ(`∀´)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM :2011/02/10(木) 05:33:25 ID:9tn5NKMY
■朽ち果てた「大相撲」の病巣はどこにあるのか (青島健太 “オヤジ目線”の社会学/2011年2月8日)【2/3】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=3
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=4

●いきなり「過去には一切なかった」と発言した放駒理事長

角界には「無気力相撲」という言葉があって、気力の乏しい(怪しい)相撲をそう呼び力士たちを戒めてきた。
しかし無気力相撲はあっても、八百長は存在しないというのが日本相撲協会の一貫した主張だった。

ところが、秘密の連絡が取りやすくなった世のIT化が思わぬ証拠を残すのだから皮肉なものだ。メールでやり取りされた力士の相談事。
メールのやり取りと相撲の内容が一致しているのだから、この疑いを晴らすことは難しい。
これから先の問題は、八百長がどこまで蔓延している病理なのかということだ。

日本相撲協会の放駒理事長は、会見で八百長の存在について、いきなり「過去には一切なかった」と発言した。
しかし、これはかえってその存在を意図的に封印するような言い方にも聞こえた。

一般的な釈明会見ならば、「今こうしたことが起こっているのなら、それは過去にもあったことかもしれない。
さかのぼって広く調査していきたい」という言い方が普通だろう。

しかし何も問われない前から、「過去にはなかった」と断言しているのだから、何をかいわんや、
あるいは語らずして語っているのではないか……と感じてしまうのだ。
これはあくまでも会見に対する私の個人的な想像と印象である。

●なぜ時代に取り残された組織になってしまったのか

八百長の有無を追及するのが本稿のテーマではない。
考えたいのは、なぜこれほどまでに大相撲が時代に取り残された組織になってしまったかということだ。

組織ぐるみの野球賭博や今回の八百長問題など、誰が考えてもそれが発覚したときには、
個人はもちろん組織としても存続に関わる大問題なのに、その意識が感じられない。昔ながらのことをそのままのんきに続けている。
世の価値観や大相撲に求められるものも時代と共に変わっているのに、それに対処できない。
いや、その変化にさえ気がついていない。そうでなければ、暴力団が絡んだ野球賭博に力士だけでなく親方まで参加していたりしない。

時代の変化を感じ取れない相撲協会。
その最大の理由は、国技という庇護のもと、まったくライバルを持たず、外部からの人間も入れず、
角界OBだけでその運営に当たってきたことにあるのだろう。

閉鎖的な組織には、外部の変化や価値観が届かない。
常に安定した収入が確保されている組織だから、現状をいかに維持していくかということだけが大きなテーマになってしまう。
もちろん伝統と様式の継承も大相撲の大切な使命だが、その中に紛れ込んだ悪習も、変化を嫌う体質にそのまま保存されてしまうのだ

Ψ(Φ∀Φ)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM
75Ψ(`∀´)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM :2011/02/10(木) 05:34:21 ID:9tn5NKMY
■朽ち果てた「大相撲」の病巣はどこにあるのか (青島健太 “オヤジ目線”の社会学/2011年2月8日)【3/3】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=5
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110207/259489/?P=6

●エキスパートを外部から起用するJリーグ

八百長の怖さはプロ野球が一番よく知っている。かつての黒い霧事件では、八百長に関わったとされた選手や関係者が永久追放になっている。
大相撲もある時点で「無気力相撲は、永久追放」くらいに毅然とした態度を表明することで、それを抑止力にすることができたはずだ。

また、公営競技の選手たちは、大会開催中は外部と一切連絡が取れない場所で過ごし、もちろん携帯電話も取り上げられている。
選手たちにとっては厳しいものではあるが、あらぬ疑いをかけられないようにという面では、
むしろこれくらいの環境のほうが選手たちを八百長から守れるのである。

本場所開催中の15日間、全力士を缶詰にするのは無理だとしても、力士の携帯電話を使用禁止にするくらいはできたはずだ。

また、日本サッカー協会やJリーグで働く人たちに、サッカー経験者は思いのほか少ない。
サッカー選手としての前歴よりも、担当する仕事のエキスパートであることが優先されている。
選手のメディア対策などでご一緒させていただくJリーグの方々も、ギター好きの人や元バスケット選手、
大相撲界にはいない女性スタッフといった顔ぶれになっている。

●何が膿なのかが分からなくなる怖さ

大相撲はJリーグよりもプロ野球よりも長い歴史と伝統を誇っている。
しかし、今の若者に支持されているのは圧倒的にサッカーであり、サッカーでは外部から専門スタッフを起用している。
Jリーグから人を招くことは無理でも、相撲協会の若手をJリーグに派遣させることぐらいはできるのではないだろうか。

外部から人を招いたり、違う分野から意見を求めたりできれば、自分たちの姿を客観的に見ることにつながる。

今、この時代に「かわいがり」(本来は稽古でしごくこと。制裁、リンチの意味)や「薬物使用」「野球賭博」などというスキャンダルは、
人気スポーツではありえない。ましてや「八百長」などスポーツにとっては自殺行為だ。

放駒理事長は、「膿を出し切るまで土俵には上がれない」と断腸の思いで語った。その成果と改革に心から期待したい。

組織が閉鎖的で、身内で硬直すると、何が膿なのかが分からなくなる。これが、大相撲が教えてくれる怖さだ。
Ψ(Φ∀Φ)Ψ ケッケッケッケッ ◆DEVILsSAEM