米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、政府が20日、有力候補地の鹿児島県・徳之島の3町長に
初めてかけた公式の電話連絡。平野官房長官との面会要請は、「長官は徳之島の『ト』と言ったこともないと言っていた」
「不誠実な方」と切り捨てられた。全島民の約6割が参加した反対集会の勢いを背に、政府への激しい不信感があらわになった。
島内の徳之島、伊仙、天城の3町役場には20日午後、官僚トップの滝野欣弥・官房副長官から次々と電話が入った。
訪ねていた伊仙町長室の電話が鳴ったのは午後1時45分ごろ。大久保明町長は記者の目の前で受話器を取ると、
「即座に回答します。18日の決起大会(反対集会)は大変な島民の熱意でした。足の悪い人も子供もみんな
集まって基地は断固反対。決定的な民意ですよ」とまくしたてた。
(略)
声のトーンが一段と上がったのは、「一つ苦情を言わせてほしい」と切り出し、伊藤祐一郎知事と3町長が
3月末に上京し、平野長官と面会した様子を語り出した時だった。「私たちがせっかく行ったのに、『徳之島のト、
と言ったこともない』と。そんな不誠実な方に、私は会う気は全くありません。あの時に地元の考えを述べましたけれど、
まったく反応がなかったわけですから」と怒りをぶつけた。
副長官はそれでも、「会うだけでも」と繰り返し、「地元が厳しい状況は分かっている」と食い下がった。だが、
町長は「難しいとお思いだったら、なぜ会う必要があるんですか。直接話を聞けば、それで『決着だ』とされてしまう」と
にべもない。副長官はさらに、島民がどれほど集会に参加したかを確認したいと求めたが、さらなる怒りを招き、
町長は「ビデオで見て、数えて下さい」と拒否した。
そして、不愉快そうに「政府の方に一町長がこのようなことを申し上げたら失礼だと思いますが、
島の民意は結論が出ています。なぜ今から話をするんですか。お会いできません。よろしいですか」と
一方的に電話を切った。この間、わずか10分ほどだった。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_futenma__20100421_17/story/20100421_yol_oyt1t00076/