「羅生門」(らしょうもん)は、芥川龍之介による初期の小説。
あらすじ
平安時代。飢饉や辻風(竜巻)などの天変地異が打ち続き、都は衰微していた。
そんなある時、荒廃した羅生門の下で若い下人が途方にくれていた。
下人は数日前、仕えていた主人から解雇された。
生活の糧を得る術も無い彼は、いっそこのまま盗賊になろうかと思いつめるが、どうしても「勇気」が出ない。
そんな折、羅生門の2階に人の気配を感じた彼は、興味を覚えて上へ昇ってみた。
楼閣の上には身寄りの無い遺体がいくつも捨てられていたが、その中に灯りが灯っている。
老婆が松明を灯しながら、若い女の遺体から髪を引き抜いているのである。
老婆の行為に激しい怒りを燃やした下人は刀を抜き、老婆に踊りかかった。
老婆は、抜いた髪で鬘を作って売ろうとしていた、と自身の行いを説明する。
それは自分が生きるための仕方の無い行いだ。この女にしたところで、生前に蛇の干物を干魚だと偽って売り歩いていた。
それは、生きるために仕方が無く行った悪だ。
だから自分が髪を抜いたとて、この女は許すであろうと言う。
髪を抜く老婆に正義の心から怒りを燃やしていた下人だったが、老婆の言葉を聞いて、「勇気」が湧き出す。
そして老婆を組み伏せて着物をはぎ取るや「己(おのれ)もそうしなければ、餓死をする体なのだ。」と言い残し、
漆黒の闇の中へ消えていった。下人の行方は誰も知らない。
羅生門 (小説) - Wikipedia
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