名古屋・河村市長の答弁は口約束か 職員と不一致続く
http://www.asahi.com/politics/update/0629/NGY200906290024.html 開会中の名古屋市の6月定例議会で、市議からの質問に対する答弁が、河村たかし市長と、
市幹部とで食い違う場面が目立っている。河村市長は「自分は役人の延長ではない。違って
いるからこそ意味がある」と意に介さないが、市議側は「どちらの答弁を信じたら良いのか」
と困惑を隠さない。
一般質問の2日目を終えた26日午後、議会の進行方法などについて話し合う議会運営
委員会で市議から「当局と市長の答弁が違う」「『閣内不一致』が起きている。市長には
発言の意味を自覚してやってほしい」と異例の指摘が相次いだ。
きっかけの一つは、委員会直前にあった東郷哲也市議(自民)の質問。公共施設の管理
運営を民間にも開放する指定管理者制度を「市立図書館にも導入してはどうか」との質問に、
佐合広利・市教育長は「指定管理者制度の導入は人材確保、育成の視点から課題があると
指摘されている。他都市の状況を見ながら検討する」とほぼ「ゼロ回答」に近い答弁だった。
ところが、東郷市議が「なぜ図書館だけが聖域なのか」と河村市長に再質問したところ、
河村市長は「公共サービスを公務員しか担ってはいかんというのは幻想。指定管理者を
含めてやるようにしたら良い。来年契約を打ち切られるかも分からん緊迫感の中でやる人は、
サービスも全然違う」と一変して、満額回答に近い答弁を出した。
東郷市議は「市長なら可能性があると思って再質問した」と評価する一方で、「本会議
での発言の重みを理解していないかもしれない。今後しっかりチェックしないと」と警戒する。
29日まで4日間あった代表質問、一般質問でも、河村市長の踏み込んだ答弁が目立ち、
議会側からは「本来なら支出が適正なのかチェックする立場の議員が、市長なら答えて
くれる、と要望ばかりの『くれくれ質問』が増えた。議会にとっても不幸だ」(民主市議)
との嘆きも聞こえる。
答弁の食い違いについて、河村市長は29日の会見で、「市長として『こうやってくれ』
と局側に言うからこそ新たに市長を選んだ意味がある」と説明している。