こんばんは
相変わらず忙しいので、ネタ投下が遅くなりすみません。
まず、易で出したものですので、今後とも
ネタ
扱いでお願いします。
それでは、今年の年筮ネタです。
解説が長文になりますので、2回に分けて投下します。
卦自体の解説は次回以降となりますが、非常に面白い卦ですね。
卦は、「(遂に)天の運行に転機あり」を意味しておりますので。
さて、いきなり(天の運行の)解説に入りましても、易経(東洋思想)で言う「天」「天
地人(陰陽学の世界観)」について一定の理解がありませんと、おそらく何を言っているの
か、さっぱりわからないのではないかと思います。
「天」は西洋的な創造主とは全く違う概念ですし、易経(陰陽学)の世界観も西洋的な
創造主の存在を前提とした世界観とは全く違いますので。
そこで、今年の年筮を解説する前に必要な範囲で、「天」「天地人(陰陽学の世界観)」に
ついてごく簡単に解説しつつ、今年の年筮に繋がったであろう、昨年出した卦(福田さんの卦と洞爺湖サミットの卦)について触れたいと思います。
なお、今回はこのようなネタですので、多分つまらなく感じられるかもしれません。
今年の年筮を解説するための前提として、書かざるをえないネタという事で、
ご了承くださいませ。
つづく
967 :
無党派さん:2009/01/22(木) 00:45:25 ID:K3qkuDIe
支援
まず、「天」を意味する卦は乾為天(乾竜=天)です。文王は乾為天について次のように
述べます(易経・卦辞)。
「乾。元亨利貞」(天とは、元(おお)いに亨(とお)りて、貞に利(よ)ろし)
これを
元=物事の始まりとしての原動力(=春)
亨=伸張し発展する(=夏)
利=結実し、成果を上げる(=秋)
貞=成果が固まり、次の始まりの原動力を蓄える(=冬)
を意味するとした上で、
天とは、@万物を創世し結実させる「(時間の経過による)変化」そのもの(=天の運行)
(もしくは、世界を「変化」(=天の運行)させる巨大なエネルギー)
を意味する、ととらえます。
または、Aその変化を司る存在(時間の運行管理局のようなもの)
を意味することもありますね。
ところで、儒教では文王のこの言葉を次のように解釈します。
元=仁、亨=礼、利=義、貞=智
「仁義礼智」は、儒教が主張する、生きていく上で積むべき徳(四徳)のことです。
儒者に言わせると、
(偉大なる聖王であらされる)文王様は、「天」についての記述の中に
人間は「徳」(=四徳)を積むべし、
という意図を含ませている、とします。
つづく
「天」は万物を(時間の経過とともに)変化させるわけですから、当然、人間自身や
人間社会も影響下にあるわけです。
「生きる」ということは、「時間が経過する」ということであるわけですから。
その際に、徳は、(時間の経過とともに)起こる変化にスムーズに対応する力となりうる、
と儒者は考え、文王はその点に含みを持たせていると、とらえるわけです。
徳の高い方が、人生上の様々な変化に波風を立てずに対応していけるのは容易に想像で
きると思います。
ただ、私としましては、こうような儒教の考え方の方向性にはおおむね賛成なのですが、
儒者の徳のとらえ方については疑問があります。
あまりに形式的であり、硬直的であるような気がいたしますので。
もし儒者の言う「徳」が、(時間の経過にともなう)変化に対応できるものならば、当然
時代の変化にも対応できる力となるわけですね。しかし、現実には、儒教の考え方が中国・
半島の近代化を妨げましたので(わが国は明治維新で対応できましたけど)。
徳を積むという行為はもっと実質的なものではないのでしょうか?
もともと乾為天は精神的な意味を持つ卦でもあります。その精神的属性は、向上心であ
り、責任感であり、無私の心です。また、(カエサル的意味での)寛大さであり、時には
決断する覚悟です。
文王は、徳を積むということは、天の運行(変化)に則したこのような精神を原動力と
した「行動」をすることである、と言っているだけのような気がしますね。
つづく
次に「天地人」(易経の世界観)についてです。
易経は卦を
@1番目「乾為天」、2番目「坤為地」、3番目「水雷屯」の順で解説し
A最終卦を「火水未済」としております。
@について
「乾為天」(乾竜=天)
「坤為地」(坤竜=地)←省略しますが、天と同様「地」も単純に地面のことではない。
「水雷屯」(「生みの苦しみ」を意味する万物創世の卦)。
という卦です。
この意味は、
万物を「変化させる」天(=乾竜)が、「母体としての」地(=坤竜)に働きかける、
つまり、変化しない地(=坤竜)を(時間の経過とともに)「変化させる」ことによって、
万物(人を含む)は生み出された(=水雷屯)
ということです。
ここで重要なことは、易経の世界観では創造主は存在しない(=万物は神の手による
「人工物ではない」)ということですね。
万物(人を含む)は「生きている」二体の竜が交わってできた「生きている(=屯)」存
在である、
ということです。
(また、「屯」は、老荘思想の「混沌」と同じ意味です。後述)
つづく
Aについて
仮に、万物が神の手による「人工物」ならば、せいぜい選択肢があるだけで未来は神(創
造主)によって決まってしまいますね。
(選択肢のあるノベルゲームのような感じで)
天地人は「生きている」からこそ、未完成であり、未来は完全には確定しておらず、
天地の構成員である人間の努力しだいでは、天の運行(時間の経過にともなう「変化」)を
違う方向へ変えることができる「こともある(後述)」わけです。
(=最終卦「火水未済」は未来が決まっていないという意味)
要するに、文王と周公(易経の中核部分の著者)は、易経の中で
「宿命論」「運命論」(=創造主によってこうなるように定めされているという考え方)を
「絶対に」採用しない、ということを言っているわけですね。
また、歴史は輪廻する、歴史の必然、という考え方も採用しません。
確かに、天の運行は一定期間のサイクルで繰り返されますが、その時その場にいる人間の
努力しだいで、結果はどうにでも変わると考えるわけです。
また、この考え方は老荘思想でも採用されております。
「七日にして、混沌死す」(荘子)
ですね。
のっぺらぼうの神様「混沌」に目鼻耳口の7つの穴を穿ちたら、混沌は死んでしまった
という話です。
神(世界)が完成し(=目鼻耳口をつくった)、未来が確定してしまえば、向上もなけれ
ば感動もなく、そのような世界は死んだも同じである、という意味です。
つづく
さて、天の運行は人間の努力しだいでは、変えることができる「こともある」のですが、
その条件は非常に厳しいです。
易経では
(1)卦が「坎為水」(七難八苦の卦)のときだけ可能である
(2)人間の努力ではあくまで未来が変わる「フラグ」が立つだけで、決定権は「天」にある。
フラグが立った後に、天の運行に転機ありの卦が出た場合に天の運行が変わる。
と、考えますので。
(1)についてだけ、簡単に解説しておきます
「坎為水」という卦は、全64卦の内、もっとも厳しい状態を意味する卦です。
まさに、「七難八苦」「溺死」ですね。
しかしながら、一方では古くから「男子の本懐達成の卦」「武士の本懐達成の卦」とも
いわれておりました。
これは、「坎為水」についての文王の記述(易経・卦辞)に基づくものです。
「習坎」「孚(まこと)有り」「これ心亨(とお)る」「行きて尚(たっと)ばるるあり」
意味は
「坎難に坎難が重なる非常に厳しい状態である」
「しかし、信(まこと)の心をもって、あきらめずに必死に努力をすれば」
「それは必ずや天に通じる」
「また、苦難に耐えるだけでなく、積極的に行動しなればならない」
です。
要するに、「坎為水」は非常に厳しい状態ではあるが
七難八苦の苦難を乗り越えて、信の心をもって努力を続ければ、最後は天に通じて、
天の運行が変わる(天の助力を得られる)=その結果、本懐が達成できる
つづく
武士の生き様とは、「人事を尽くして、天命を待つ」というよりも、
「自分の努力で、天をも動かす」
である、というわけです。
ちなみに、山中幸盛が「七難八苦」を願ったのも、実はこの卦を求めたからです。
結局、最後まで出ませんでしたが
(彼のことを「ドM」とか言っていると、草葉の陰で生暖かい笑みを浮かべているかも)
ところで、2007年の総裁選で、私が福田さんを推したのは
福田さんの卦が、「坎為水2爻」であったからです。
今だからこそ言えますが、あの時点では、小沢民の「テロ特反対」をはじめ、着々と
「戦前と同じ道を辿る」フラグが立つ条件が揃い始めておりました。
「戦前と同じ道」ですので、当然、対戦国は特定アジアだけではありません。
ですから、「この時」「この場」にいる人間の必死の努力で、天の運行(時間の経過にと
もなう「変化の方向性」)を変えなければ、破滅が待っているだけ、というわけですね。
福田さんには、2爻→上爻(6爻)まで努力を求められますので、非常に大変ではあり
ますが、福田さんの人格・実力ならば、七難八苦に負けずに乗り越えて、信(まこと)の
心で努力できるのでは?と思いましたので。
そういえば、2007年末に福田さんが選ばれた字は「信」でありました(ニヤリ)。
つづく
さて、首相就任後の福田さんの卦の動きは別の機会ということで省略しますが、
福田さんが天の運行を変えられるフラグを立てるか否かは、
(=戦前のルートを繰り返さないフラグを立つか否かは、)
洞爺湖サミットの成功(特に対露交渉の成功)に懸かっておりました。
実際のところ、福田さんは事前に同盟国(米国)と欧州の旧同盟国(英独伊)には事前
に根回しはしておきましたので(仏がキレるのも当然かも)
ロシアとの交渉自体の卦については、「成約」の卦ではありますが、非常に難解な卦であ
るため解説は長文になりますので、別の機会にということでご了承くださいませ。
易経の384通りの卦(全64卦×6爻)の内、(タレーラン的意味で)もっとも黒い卦で
もありますので、
一応、方向性としては
1、サミットに臨むわが国の卦「艮為山3爻」は、「国境線の確定」を意味することもあり
ますので、日露国境(+勢力圏)を確定させることの「成約」。(具体的内容は後日)
2、「成約」の卦は、日露二国間秘密協定を意味しております。
よって、今後、日露間では(たとえ平和条約・軍事協定であったとしても)表面的
な条約の文言よりも、裏で結ばれる裏取引の方が重要となるわけです。
こうしておく方が、現在の世界情勢下では日露双方とも利益となる、という認識から
ですね。
3、わが国は「真っ当な」国ですので(それゆえ、信用もある)、あまりタレーラン的手法
は用いたりはしません。それでもあえてその手法をとったのは、第一次的には
「戦争よりはマシ」
という価値観からです。
つづく
975 :
無党派さん:2009/01/22(木) 01:02:23 ID:cYD6Asoj
待ってました!!!
しえん
976 :
無党派さん:2009/01/22(木) 01:02:36 ID:eQbnn4+1
支援
では、福田さんがフラグは立てましたが、天の運行に転機を起こった卦は
出たのか?といいますと
それが今年の年筮であるわけです。
次回はこのネタで、ということになります。
すでに微妙に変化してきておりますね。
オバマ政権発足後の日米同盟の卦につきましても
風天小蓄4爻(→乾為天)
が出ましたし。
卦の意味については、
「少し滞る(=小畜)が、柳の風の態度をとりつつ、基本姿勢を変えなければ、
うまくいくだろう」
です。
それよりも、この卦については、周公(易経・爻辞)が述べている言葉が重要です。
「孚(まこと)あり」「血去りおそれ出(いで)ず」「咎なし」
意味は
「信(まこと)をもって事にあたっていたので」
「武力衝突の流血の惨事は発生しないことになった。危機は防がれたのである」
「危機を回避するにあたって、選択された手段は(いかなるものであっても)
咎はない」
(なお、全て「過去形」であることに注意)
要するに、戦前のルートが断たれつつあることを言っておりますね。
つづく
978 :
無党派さん:2009/01/22(木) 01:03:44 ID:KVfaGvZM
ほーっと、しえん
今回はこの辺りで終わりです。
久しぶりに長文を投下した上に、このようなネタですので、文章的にわかりにくいとこ
ろもあったかもしれません。
次回は今年の年筮ネタです。
年筮が本格的に効力を発する立春までには投下したいと思います。
お目汚しいたしました。
それでは消えます。