「貧乏人は医者にかかるな!」永田宏著(集英社 660円)
医師不足がひどい。特に産科は、全国で機能不全状態を呈している。
最初は隠岐や三重県南部の局地的現象だったが、昨年には奈良の大和高田市の中核病院で分娩制限が始まり、
ついで大阪の住吉市民病院も毎月先着20人の分娩制限を開始。
さらに東京でも都立豊島病院、都立墨東病院、荏原病院、東京逓信病院などが相次いで縮小ないし分娩休止を始めたのだ。
医師不足を招くはずもない立地でもこれなのだ。
現場では、資格を持ちながらきつい病院勤務を嫌って、フリーターになる医師が増えている。
インターネットで登録しておけば1日5万〜10万円のアルバイト医師の仕事はすぐに来るのだ。
もともと一般の認識は、医師が余っているはずというものだった。
医療機器メーカーの社員だった著者もそう思い込んでいたという。
しかし2000年ごろに転機が来る。
厚労省は医師が地域的に偏在していると主張するが、それ自体に偽りがあるのだ。
小泉改革の「骨太の方針」が導いた日本医療の崩壊を鋭く告発している。
http://news.livedoor.com/article/detail/3437197/