■発信箱:お笑い総裁選
「チェンジ」。自民党総裁候補が街頭演説でこぶしを掲げるのを見て、恥ずかしくなってテレビを消した。オバマ氏に
あやかろうというのか、テレビドラマのパクリか知らないが、すっかり賞味期限が過ぎているのに、演出とキャラで
厚化粧すれば国民は盛り上がるとでも思っているのか。見ているのがつらくなった。
しかし、そんな総裁選を茶番だ何だと批判しながら、それでいて連日大きく報道しているマスコミこそお笑いだと思わ
れているのかもしれない。お笑いかもしれないが、読者や視聴者の関心が高いと思えばやっぱり報道する。もちろん
批判はする。批判はしても結果的に露出度が高くなればそれだけ国民の関心を呼ぶことになり、さらにまた報道する。
こういうジレンマから抜け出せないマスコミに人々は不信感を募らせているのだろう。
総裁選が始まってからというもの、会う人ごとにマスコミ批判を聞かされる。
しかし、世論調査をすればカラ騒ぎ総裁選のおかげで支持率は上がるというのだから、
この国の民意とは何なのかわからなくなる。
いっそ楽しむだけ楽しんだ後、冷静な判断を下す。そんな機略がこの国のどこにあるのかと思っていたが、どうだろう。
麻生太郎氏圧勝が伝えられ、リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)や
事故米のあおりもあって雲行きが少し変わってきたようにも感じる。
総裁選のあとは総選挙。劇場型に踊らされた3年前の後遺症を克服できるのか、成熟した民意を示すことができるのか。
この意味は大きい。
http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20080921k0000m070106000c.html