田原「さあ、クーデターとはいったい何なのか」
岸井「あの、ちょっとおどろおどろしくてね、あれなんですけども
今でも自民党の幹部連中が口揃えてね、
『あれはもうタイミング的にもとにかく社保庁のクーデター』
あるいは『自爆テロみたいなもんだ』と。
先程から話があるように、2月の段階ではね、我々(に)もそんな詳しい資料ないんですよ。
逆にね、『大丈夫です大丈夫です』で『あれは消えてるもんじゃありません』
と言う説明はよくあった。
それを裏付けるだけの、本当に消えているのか宙に浮いているのかというのはなかった。
それがある時期に、あの一斉に出た時にわーっと皆流れたわけですよね。
あ、じゃあ本物だと、これは大変だと。」
田原「だから何のためのクーデターだって」
岸井「それは法案潰しですよ、つまり始めて」
田原「あ、社保庁改革」
岸井「そう」
田原「解体して」
岸井「別名『解体』でしょ、ちょんちょんでしょ、解体法案でしょ。公務員、非公務員化するわけですから。
私ちょうど有識者(会議)やってた時、ちょうど1年前ですよね、あの時もすごかったんですよ。
あの時もっと柔らかい改革案だって、出てたんですよ。で、これに対して社保庁の抵抗がすごかった。
そしたらそこへ、あの年金の、給付の水増しをするために不正免除をやった。分母をどんどん消して。」
田原「じゃああれか、その社保庁のクーデターに、安倍政権はちょっと負けた」
江田「うーん・・・いやただね」
岸井「去年は小泉さんですよ」
田原「ああいいよいいよ」
江田「田原さんね、まあそういうことが仮にあってとしてもね、流れを見てみると、
要するに1年前民主党が取り上げましたよ、この問題を。
それで社保庁もですね、要するに特別相談業務というのを始めて、
しかも民主党の要求とね、この問題をその正式に調査を始めたのは去年ですよ。
それで私がね、あの『じゃあ安倍総理はこの問題を、5000万件の問題をいつ知ったのか』
と問い質すとですね、『これは昨年の暮れだ』って言うわけですね。
で、昨年の暮れのタイミングというのは、まさに民主党が要求した、
その組織的なこの5000万件の調査の結果が出たときですよ。
で、それで私はね、あのまあ中にいた元人間として想像できるのは、やっぱりねえ、
その事務方もね、やっぱりこれは大変な問題だと認識したからこそね、
総理大臣に官邸で上げたんですよ。
やっぱりね、総理に上げるということはですね、その事前に色んなリシャッフルされてですね、
スクリーニングされて、本当に総理の耳に入れるべきやつを入れるんですね。
で、そこでまずですね、安倍さんにはリカバリーのチャンスがあったんだけど、
そこは何もほとんど何の事の重大性の認識がなかった。
で、もう1回チャンスがあったのが、それは2月ですよ。
それであの長妻昭さんがですね、『緊急事態宣言をして、総理、ねえあのしっかりやりませんか』
といった時にですね、まあどうお答になったかというと、それは
『むしろあなたのほうがね、国民に年金不安を煽ってるんだ』と。
そこでね『分かりました、調査をします』といえばね、やっぱりここまではいかなかった。」
田原「やっぱりそれはね、厚生労働省が『大丈夫です』と言っていた。
まあいいや、分かった。」