小泉純一郎は運が強すぎる ▲397▲

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424無党派さん
>>411
IWCは元々、「捕鯨を計画的に行って、クジラ資源を各国共同歩調で管理しよう」
という目的のために設立された。そこまでの鯨乱獲の原因を、「南氷洋まで捕鯨船団を
繰り出した日本が原因」と見る向きも多いが、元々はどちらかというと「北米大陸沿岸の
ミンククジラを絶滅に追い込んだアメリカ」のほうが、クジラ資源減少の要因としては大きい。

よく言われる調査捕鯨というのは、IWC科学委員会が「クジラの資源管理」のために、
生息頭数、繁殖状況、生態を調べるために行っているもので、本来IWCはIWC科学委員会
の調査結果に基づく勧告に従う必然があった。「資源管理」がIWCの目的だったからだ。

ところが、「例外の承認」や「寄付金」や「ロビー活動」を巡って、環境団体が跋扈するように
なってから、IWC科学委員会の「資源管理」に関する勧告は無視されるようになってしまった。
これは何が問題なのかというと、科学委員会の指摘(このへんは農水省の関連サイトにもあるけど)
として重要なのは、「モラトリアムを経た結果、ミンククジラは増加傾向にあり、現在70万頭
以上に増えている」ということ。
ミンククジラはどちらかというと小型の鯨類で、「小型のクジラばかりを好んで狙ったミンキーという
捕鯨手」に因んで付いた名前で、「ミンクのように貴重なクジラ」という意味ではない。

このミンククジラは1年に3〜4頭ずつ繁殖する。これに対して、頭数の減少が言われている
ナガスクジラは3〜4年に1頭ずつしか繁殖しない。寿命が長いせいもあるだろうけど。
ナガスクジラは1000頭くらいしかいない。だから、ナガスクジラを保護しなければならないのだが、
沿岸のミンク捕鯨が禁止され、ミンククジラが爆発的に増えた結果、増えたミンクは餌を求めて南氷洋に移動。
モラトリアムが行われている南氷洋の、ナガスクジラの餌場をミンククジラが荒らすことになってしまった。

ちょっとスレ違いのうえにめんどいけど、IWC関連には基本情報を知らないで批判してる
人が多すぎるようなので、もうちょっとつきあってくれ。


425無党派さん:2007/06/01(金) 15:18:36 ID:wX6a+KB4
>>424
続き。

だから、ミンククジラはナガスクジラ保護のために間引かなければならない。これがIWC科学委員会の勧告。

ところが、ミンク保護を言い立てる環境団体(主にグリンピースで、その設立者は著書の中で
クジラ保護が寄付好きのアメリカ人に金を出させる絶好の口実であり、金づるである、と自ら告白している)
のロビーで、ミンク捕鯨は解禁されない状態が続いている。

さらに、原住民の伝統文化としての捕鯨を特例として許可する、という項目をたてに、アラスカ在住の
アメリカ原住民には「ナガスクジラ捕鯨」が許可されている。1000頭のナガスクジラ、3〜4年に一頭しか増えない
ナガスクジラを、毎年50頭取らせろというアメリカの例外主張を、これまで日本は自国の伝統捕鯨を認めさせる
ために賛成してきたんだけど、前回(前々回だったか)の総会では反対に回った。

日本の沿岸捕鯨は今はツチクジラ(イルカの大きいのみたいな歯鯨類)が中心なのだが、本当はミンククジラ
も「取らないとマズイ」状況になってきている。これは、ミンク、ツチなどの沿岸鯨類は沿岸漁業で人間の漁船と
競合関係にあるから。クジラ一頭で漁船一隻の一日の漁獲高に匹敵する魚を食べる。
ここ数年、大衆魚だったイワシ、アジ、サンマの値段が軒並み上がってきているのは、「駆除できず、頭数調整を
自由に行えない漁業の天敵」に、韓国漁船と沿岸鯨類のダブルパンチが加わってるから。

結局は、沿岸鯨類を減らしていかないと沿岸漁業=食卓の単価の上昇に繋がり、ナガスクジラの絶滅に繋がる。
こうしたIWC科学委員会の勧告は、IWC総会で無視され続けており、科学委員会委員長が「もうやってらんね」
と辞任したのもこのへんが原因。

あまりにも話にならないので、日本、フィンランド他の捕鯨国がIWCを脱退して、きちんとした科学的方法での
鯨類管理を……と言ってるのは、これは感情論じゃないんだよ。