次の選挙、争点は ホワイトカラーエグゼンプション

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481無党派さん
「日本経済『暗黙』の共謀者」 講談社+α文庫 森永卓郎著 2001年刊
http://darsana.exblog.jp/m2007-01-01/
マスコミと一緒になって、あるいはマスコミの論理をリードして、アングロサクソン化を進めた
のが学者や役所、金融機関、シンクタンク出身の多くのエコノミストたちである。ここでは、
彼らをまとめて「御用学者」と呼ぶことにする。彼らはマスコミだけでなく、しばしば政府の
審議会などで重用されているからである。
 御用学者の多くは、社会人になってから会社のカネなり、役所のカネを使ってアメリカに
留学する。例えばハーバード大学やスタンフォード大学へ行くのである。ローマ大学とか
パリ大学に留学するケースはほとんどない(ここいらへんの日本国内の経済学者を洗脳し
、自らのエージェントにしようとするアメリカの戦略については、現在発売中の「アメリカの日
本改造計画」の中の中田安彦氏や東谷暁氏のお書きになったものに詳しいです/引用者)。
 彼らはエリートだから、留学先では、アメリカの一流の学者や一流の財界人と付き合うこ
とになる。そこで、彼らが不思議と思うことは何か――。アメリカでは一流の学者にしろ一
流の財界人にしろ、みんなすごい家に住んでいる。プールがあって、メイドがいて、夢のよう
な生活をしている。自分たちも日本社会ではエリートだが、自分の住んでいるのは社宅や
公務員住宅の2DKだ。同じエリートなのに、なぜこれほど生活が違うのだろう、と疑問を持
つのである。
 アメリカという国は社会的地位と所得が正比例する社会だ。社会的な地位の高い人は
例外なく金持ちで、社会的な地位の低い人は必ず貧乏なのである。
482無党派さん:2007/01/07(日) 13:13:29 ID:gFYXONr0
 例えば日本社会では、東京大学の教授とと東京都交通局のバス運転手
がそれほど年収が違わない。それはアメリカでは考えられないことである。プロ
フェッサーとドライバーの間に、とんでもない年収格差があるのがアメリカ社会な
のだ。
 一方、ほとんどの国民が中流の所得を得て、同じようなライフスタイルをとって
いるというのが日本の社会構造だった。これまでの日本における平等な所得配
分構造は、一つの完成されたシステムであり、それはそれでよいわけだが、アメ
リカのエリートの豊かな暮らしをみせつけられた日本のエリートたちは、これはおか
しいと考える。
「僕たちみたいなエリートが、いくら頑張ったってネコの額のような家しか買えない。
メイドなんか永久に雇えない。クルマはせいぜいマークUかローレルで、頑張って
もクラウンやセドリックがゴールだ。なのに、アメリカのエリートたちはこんなにいい生
活をしている。なんでボクみたいな優秀な人間がこんなみじめな生活をしなきゃ
いけないんだ」
 日本に帰って来た時に、現実をみると土地も家も高い。株も高い。いくら努力
して社長になったところで、年収は三〇〇〇万円だ。あのアメリカのエリートたち
が享受してる生活の足もとにも及ばないではないか。彼らと同じようになるために
は、どうしたらいのだろう……。そここで彼らが思いついた戦略が「暗黙の共謀」
の重要な理論的支柱になったのである。
483無党派さん:2007/01/07(日) 13:14:26 ID:gFYXONr0
 わずか十数年の間に、サラリーマン並みの所得しか得られなかった
御用学者たちは、ITバブルや金持ち優遇の税制改正や成果主義
のおかげで、すっかり上流階級の仲間入りができた。しかも、彼らが
望んでいた豪華住宅も手に入れることもできた。短期間で日本の
エリートたちがアメリカの上流階級と同じ階級に這い上がるというシ
ナリオが完成したのだから、彼らの戦略は実に見事だったといってよい
だろう。
 ただし、彼らがアメリカの上流階級と同じになるために、まだ決定的
に不足しているものがあった。メイドや専用ドライバーだ。さすがの御用
学者もまだメイドやドライバーを雇えていない。
 なぜアメリカの経済強者たちはメイドやドライバーを雇えるのか。それ
は彼らの下に膨大な数の低賃金労働者がいるからである。日本には
それがいない。それでは、どうやってつくればいいのか。彼らが考えた施
策は三つあるのだ。

・労働市場の流動化
・フリーターの放置
・外国人(単純)労働者の受け入れ