「日本経済『暗黙』の共謀者」 講談社+α文庫 森永卓郎著 2001年刊
http://darsana.exblog.jp/m2007-01-01/ マスコミと一緒になって、あるいはマスコミの論理をリードして、アングロサクソン化を進めた
のが学者や役所、金融機関、シンクタンク出身の多くのエコノミストたちである。ここでは、
彼らをまとめて「御用学者」と呼ぶことにする。彼らはマスコミだけでなく、しばしば政府の
審議会などで重用されているからである。
御用学者の多くは、社会人になってから会社のカネなり、役所のカネを使ってアメリカに
留学する。例えばハーバード大学やスタンフォード大学へ行くのである。ローマ大学とか
パリ大学に留学するケースはほとんどない(ここいらへんの日本国内の経済学者を洗脳し
、自らのエージェントにしようとするアメリカの戦略については、現在発売中の「アメリカの日
本改造計画」の中の中田安彦氏や東谷暁氏のお書きになったものに詳しいです/引用者)。
彼らはエリートだから、留学先では、アメリカの一流の学者や一流の財界人と付き合うこ
とになる。そこで、彼らが不思議と思うことは何か――。アメリカでは一流の学者にしろ一
流の財界人にしろ、みんなすごい家に住んでいる。プールがあって、メイドがいて、夢のよう
な生活をしている。自分たちも日本社会ではエリートだが、自分の住んでいるのは社宅や
公務員住宅の2DKだ。同じエリートなのに、なぜこれほど生活が違うのだろう、と疑問を持
つのである。
アメリカという国は社会的地位と所得が正比例する社会だ。社会的な地位の高い人は
例外なく金持ちで、社会的な地位の低い人は必ず貧乏なのである。