>>170 最近ますます東京裁判史観は強化されている。自民党の森岡正宏厚生労働政務官が、
5月26日の党代議士会で「A級戦犯はもう罪人ではない」と当然の発言をしたこと
に対し、野党から辞任要求が出たという。
さらに6月22日、森岡氏は「戦争はお互いが悪いことをしている。戦勝国だけが
正しく、敗戦国が悪かったというのは誤りだ」と発言し、「東京裁判が正しかったの
かを国民に訴え、世界にも発信すべきだ」と述べた。
これに対して細田博之官房長官は22日の記者会見で「政治家が一個人の発言をした
のだろう。しかし政府の見解は違う」と述べ、「政府は(裁判を)受諾しており、異議
を述べる立場にはない」と強調した。
驚くべき発言である。過去の政府見解とまったく違うではないか。
昭和27年、講和条約発効後、ただちに国会において、東京裁判で有罪とされた者
たちの名誉回復をせねばならないという取り組みが始まり、社会党の堤ツルヨ議員か
ら「遺族は国家の補償も受けられないでいる。しかもその英霊は靖国神社の中にさえ
も入れてもらえない」という発言もあり、翌年遺族援護法が改正され、「東京裁判を
含む旧敵国の軍事裁判で有罪とされた人は、日本の国内法では罪人と見なさない」と
された。
これで戦犯の遺族にも年金と弔慰金が支給され、靖国神社に合祀されるようになっ
たのである。
森岡氏の言うとおり、「A級戦犯はもう罪人ではない」というのは昭和27年の時
点で、日本政府、国民の結論だったのだ。東京裁判を認めないということは、とっく
の昔に国会で決められているのだ。