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無党派さん:
妻一人守れぬ男が、国民を守れる筈が無い。, 2004/10/29
本書は『週刊現代』に載った記事をもとに再度取材をし、書き下ろしたものだそ
うだ。そのため、週刊誌的な興味本位の傾向が強く、また週刊誌という性格上、
その記事を初めて読む人にも分かるように書いてある。従って、1冊の本として
読むには、同じ内容の繰り返しが多く、完成度は低いと言わざるを得ない。その
点については星2つ。
しかし、興味本位については必ずしも悪いとは思わない。私は私生活と政治は別
物とは割り切れない。政治家それも一国の総理ともなれば、人間としても立派で
あるべきだ。例えば、若妻が乳飲み子を世話しながら食事の支度をしているのを
放っておいて、残りの家族全員(姑・小姑・実弟夫妻など)でレストランに外食
に行くような無神経な人間を、私は許せないし認めない。本書で次々と明かされ
る小泉首相の本性はとても冷酷で身震いするほどだ。元妻の引き取った三男への
仕打ちも尋常ではない。その冷酷さが、自衛隊をイラクに派遣するにあたっての
無責任な発言にも繋がって行くと思う。「どこが戦闘地域なのか、私に聞かれて
も分かるわけがない。」新潟中越地震発生時も、第一報が午後6時6分に入った
のにも拘らず、映画館を出たのは7時8分だったという。
姉・信子との親密すぎる関係も気色が悪い。「カネ」については広告費という名
目で随分稼いだそうだ。が、残念ながら、対立派閥の身辺は嗅ぎ回っても、時の
権力には甘いのが検察だ。元自民党神奈川県連会長の話は読むべき。北朝鮮から
送られたという「特選」松茸は大手マスコミにも流れたそうだ。道理で、都合の
悪いことは週刊誌にしか載らないし、人気取りのパフォーマンスは大々的に取り
上げられるはずだ。
多くの方が首相への幻想を捨てるため、本書を手に取られることを切に願う。
「政は正なり」は熨斗をつけてそのまま首相にお返ししたい。