小泉総理は運が強すぎる ▲324▲

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19無党派さん
主権在米経済(光文社ペーパーバックス・1000円)

『主権在米経済』を一気に読了しました。本書は郵政民営化反対の急先鋒で、9・11総
選挙で刺客を放たれて、議席を失った小林興起氏の「郵政米営化」戦記だけに、読み応え
があり、説得力も十分あります。アメリカ合衆国の属国、ハワイに次ぐ51番目の州に成り
下がりかねない日本の現実を知るための警鐘の書として、ひとりでも多くの読者に読んで
ほしいと願わずにいられません。
 私は、小泉・竹中「亡国コンビ」を批判し続けてきました。また、マスメディアの劣化
ぶり、わけても日経新聞と朝日新聞、さらには田原聡一朗氏らのテレビ・キャスターの検
証能力不足の政治権力迎合ぶりを指弾し続けてきましたが、反論は皆無です。
 いわば、このメカニズムを論理的かつ冷静な筆致でまとめたのが本書と言えましょう。
 『拒否できない日本』(文春新書)で「日本政府への米国政府の年次改革要望書」の存在
を世に知らしめたのは関岡英之氏の功績ですが、マスメディアが一斉に、郵政民営化にな
びいたことは、第2の敗戦に与したことを意味するのではないでしょうか。10年後、いや
5年後に小泉内閣を検証したとき、戦後、最悪、最低の内閣として歴史にその名を残すこ
とは間違いないと思います。
 このまま「主権在米経済」であり続けていいはずはありません。日経新聞は「改革を後
戻りさせてはならない」と主張していますが、米国の言いなりになって、改革ならぬ改悪
を推し進めれば、この国が米国の属国に成り果てること請け合いです。
 小泉内閣にあって、日本のアメリカ化を推進した竹中平蔵氏をメジャーにするために尽
力したマスメディアの罪は途轍もなく大きくて深いと考えます。
 本書を『国富消尽−対米隷従の果てに−』(吉川元忠・関岡英之共著、PHP研究所)と
合わせて読むことをお勧めします。 作家 高杉良