■デンマーク、「世界一の幸福国」に認定
■経済力と社会福祉の適正なバランスが確立しているとの評価
<前略>英レスター大学の研究者が様々な情報源から集めたデータを分析し、世界各国の国民の幸福度ランキングを発表した。
医療、生活水準、及び基礎教育を受ける機会に関連した経済的要因が、国民の総体的な幸福感を決定づけていると報告書は結論づけている。
医療費無料制度、世界最高水準の国民1人当たり国内総生産(GDP)、高い教育レベルなどの理由で、デンマークが第1位に選ばれた。 <>
だがこの調査結果は決して偶然ではなかった。
この夏の初め、国際非営利調査機関「ワールド・バリューズ・サーベイ」(WVS、本部:スウェーデン・ストックホルム)が、
全く異なる手法を用いて調査を実施、国民の幸福度が最も高い国はデンマークだと発表した。
それによると、幸福度を測る最も確かな尺度となるのは、生き方の選択の自由、男女平等の推進、
そしてマイノリティー(少数派)に対する寛容さだが、どの項目をとってもデンマークが1位だった。 <>
適正なバランスが取れているという点で、デンマークは恐らく世界的に抜きんでている、とビジットデンマークのキーラリッチ氏は語る。
北欧諸国はいずれも両方の調査結果で上位に入っており、幸福度はおおむね経済力と社会福祉の絶妙なバランスによって決まる。
デンマークは、自由市場経済に暮らす多くの米国人が毛嫌いする高税率と積極的な富の再分配によって、
医療や年金、質の高い公立学校といった広範な社会保障制度を維持している。
画期的なのは、経済成長や成功への意欲を阻害することなくこうしたやり方を機能させている点だ。<>
揺りかごから墓場まで、デンマーク国民を支える充実した社会的セーフティーネットは、外国人にとってもありがたいものだ。
30年以上もデンマークで暮らし、働いている米国人ケイト・バイアルさん(55歳)は、
これまで何度も米国に戻って暮らす機会もあったがそのままデンマークに残ることを選び、デンマークで3人の子供を育てている。<>
デンマークの幸福度が高い理由が何であれ、2つの調査が明確に示しているのは、同国は正しい対策を行っているに違いないということだ。<後略>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080828/169050/?P=1&ST=bw