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現に野沢さんがご活躍されていた当時のTVと今のTVでは、番組制作の
基本的なスタイルが異なります。昔のバラエティ番組と言えば
家族一同がお茶の間に集まり、皆で楽しめるような内容のものが
主流であったわけですが、今はもっと細分化され、若者には若者向け、
女性には女性向け、子供には子供向けと言った具合に、世代や価値観に
合わせた番組作りがなされています。私が考えるこのことの背景は、
日本人に昔から備わっていた共同体意識、もっと言えば家族制度の崩壊で
あるような気がします。自分が見たい番組だけを見たい、つまるところ
自分さえ良ければ良いと言った考え方が、我が国に広まっていることの
表れではないでしょうか。この顕著な例が小泉改革による社会構造の
二極化です。勝ち組、負け組と言った言葉がもてはやされる中で、
自分さえ儲ければ良いといった考え方が主流になりつつあります。
現在、我が国の自殺率は先進国でもトップ・クラスであり、
今後「負け組」の自殺が増える中で、更に数字は悪化していくことでしょう。
そして自殺者は10万人規模に膨れあがり、一年間に千人に一人の割合で、
誰かが静かに自らの命を絶つのです。我々は人生80年の時代を生きています。
その80年間、自分がその1/1000にならないという保証は、何処にも無いのです」