公安当局が、最初に『襲撃情報』を入手して総理直属の内閣情報調査室に伝
えたのは、この1週間ほど前だった。
しかし、その段階では、公安当局もまだ『標的が誰なのか』特定できていな
かったため、内調幹部は、「それだけの情報では差し迫った危険があるとは
判断できかねる。官邸に報告する段階ではない」と黙殺。
公安当局は、その後10/31、『襲撃の標的は飯島』という具体的な情報を掴
み、非公式に官邸側に伝えた。
しかし、まだ官邸は動かず、11/2になって公安調査庁長官が官邸に乗り込む
事態になった。
この前日、11/1、には『秘書官襲撃計画』と密接に関係する右翼の銃撃事件
が起きていた。
AM8時過ぎ、大手ゼネコンの大成建設(東京・新宿区)の本社ロビーに若い
男が乱入し、拳銃を1発発砲して応接室に立てこもった。そして男は約1時間
後の9時前、警察の説得に応じ、建造物侵入・銃刀法違反の現行犯で逮捕され、
21歳の右翼団体構成員と判明した。
犯行の動機は、「ゼネコンが北朝鮮に社員を派遣しようとしていたことを知
り、抗議に行った」と供述しているという。
だが、官邸では、11/2の段階になっても尚、対応を決めかねていた。