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無党派さん:
小泉首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」が、女性・女系天皇を
容認し、さらには「長子優先」の最終報告書を首相に提出した。これまで男系で貫かれて
きたわが国皇室の伝統を根本から変更しようとする疑問だらけの内容である。
あまりに拙速な審議
内容を云々(うんぬん)する以前に、拙速な議論の進め方にまず問題がある。「有識者
会議」は千数百年の長きにわたって継承されてきた皇位継承の方法について、十七回、
三十時間余りの短期審議によって結論を出した。秋篠宮様がお生まれになって以来、皇室
には男子が生まれていないといっても、急いで結論を出さなければならない性質のもので
はない。
皇室の在り方にかかわる問題であるにもかかわらず、皇族からの意見を聞かないという
政府の方針も理解できない。皇室は政治的発言を控えるという立場であり、さらには皇族
方を難しい問題に巻き込んではならないという配慮があるのかもしれない。しかし、こと
皇室自身の在り方にかかわる問題だ。三笠宮寛仁殿下も、私的エッセーという形ではある
が、「世界に類を見ない我が国固有の歴史と伝統を平成の御代でいとも簡単に変更して
良いものかどうか」と疑問を呈しておられる。
さらに言えば、吉川弘之元東京大学学長を座長とする十人の「有識者」の選定である。
この中には、皇室問題の専門家は一人もいない。ロボット工学を専門とするエンジニアの
吉川元東大学長を座長に選んだのは、イデオロギー色を排除できるからと考えたのだろうが、
基本的に畑違いというしかない。
そういう中での議論は、一部のイデオロギー色の強いメンバーに引っ張られてしまうものだ。