★皇室典範改正 広がる慎重論 首相は強硬、反小泉を警戒?
・政府が今国会への提出を目指す女性・女系天皇を認める皇室典範改正案に、「女系天皇は
皇統の断絶だ」と危機感を募らせた男系継承尊重派の包囲網が強まっている。政府・自民党内に
提出見送り論が高まる中、小泉純一郎首相は「今国会で成立させた方がいい」と強気の姿勢を
崩さない。このため、党内からは「首相は郵政民営化の時と同様、反小泉勢力による政局と
とらえている」などの憶測が出ている。
今週に入って、与野党第一党の国対委員長が相次いで「非常に反対論が大きくなっている」
(自民党の細田博之氏)「拙速に決める話ではない」(民主党の野田佳彦氏)と、改正案の
提出・審議に慎重な姿勢を表明した。
超党派の保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会も総会で「法案を強引に上程すれば
国論は分裂し、天皇のご存在の意義を損なう」として拙速な改正案提出に反対する決議を採択した。
首相の独特な考え方が、今回の皇室典範改正へのこだわりにつながっているとの観測も
自民党内で広まっている。
「小泉さんには、伝統や文化より合理化だという頭があるんだろう」
自民党長老の一人はこう分析する。また、首相の宮中行事に対する言動を目撃した複数の
関係者は、次のようなエピソードを紹介する。首相は、天皇が神々に新米を供え自身でも
召し上がる新嘗祭に参列した際、「暗いから見えない。電気をつければいいじゃないか」と主張。
周囲に「だから皇室はもっと開かれなければならないんだ」と話したという。
また、歴代天皇、皇后らの神霊を祭る皇霊祭に参列したときには、宮内庁長官に「中で何を
やっているのか」と質問。天皇、皇后両陛下に三権の長らが祝賀を述べる国事行為である
新年祝賀の儀では、燕尾服着用を求める宮内庁側の要請に応じず、儀礼上、ふさわしくない
紋付きはかまで通し「皇室ももっと改革が必要だ」と主張したという。
関係者の一人は「首相は皇室の神秘的な伝統などは、不合理だとしか感じないのではないか」
と危惧を示している。(抜粋)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27pol003.htm