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無党派さん:
【民主、苦渋の転換】
『郵政主張せねば討ち死にだ』 『民営化とは言わぬ』 [朝日新聞8月14日朝刊]
12日午後1時、衆院第1議員会館。岡田代表ら幹部が集まった。マニフエスト(政権公約)
の詰めを行う場だったが、仙谷政調会長は声を張り上げた。『郵政を主張しなければ討ち
死にだ。みんな国会に帰って来られなくなる』。岡田氏は、『そんなことを言う場ではない』
とかわしたが、党幹部たちの悲鳴は痛いほどわかっていた。民主党は郵政民営化を争点から
外して身をかわそうとしたが、現場からは『それでは勝てない』と怒りの声がわき上がっていた。
『毎日、民主党の郵政民営化に対する考え方を説明しろ、と支持者から迫られている』。
立候補予定者からSOSの声が執行部に寄せられた。
若手の1人は支持者から来たメールの文面に暗然とした。
『今回は小泉でやる。案もない民主党はやれない』。
仙谷氏を中心に突貫工事で民主党の対案づくりが続いた。立候補予定者の事務所へ
ファクスで送り始めたとき、日付けは13日に変わっていた。文面はこのように書かれている。
『民主党の郵政改革を強く訴えていただきたい』。『民主党の郵政改革の方針は<徹底縮小論>。
小泉総理の郵政民営化法案はまやかしであり、絶対に反対であると自信をもって言い切って下さい』。
岡田氏は13日午前10時、大阪・心斎橋の街頭演説で対案を初めて口にした。『郵政だ
郵政だと言う小泉首相。それに乗っかって、投票に行かなかったり、郵政だけで投票したら、
後悔するのは皆さん自信だ。私たちはやるべきことがたくさんある』。
13日夜、執行部は再び党本部に集まり、『郵貯限度額を直ちに700万円に引き下げる』
などの具体策を訴えるものの、『民営化とは言わない』で一致した。この日朝、送られてきた
ばかりのファクスを見た東海地方の前衆院議員と執行部との間で、こんな通話が交わされた。
前議員 『パンフレットに<真の民営化をめざす>と書いていいでしょうか』。
執行部 『だから、それはダメだって』。
『民営化』、という言葉を使うと、小泉首相と同じになってしまうからだった。