小泉総理は実力がありすぎる。運ではない!【16384】

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778無党派さん
金融政策論議の不思議(7) インフレターゲットは有害無益

期待インフレ率よりも実際のインフレ率の方が高くなると、イロイロなことが起こって景気が良くなり、失業が減る。
そこで、政府・中央銀行は人々の期待インフレ率より少し高いインフレ率を設定することで失業を減らすことが出来てしまう(=政府は支持率を稼げる)。
ところが、人々は政府・中銀がそうすることも合理的に予想できるので、期待インフレ率をその分上げる。
すると政府はそれより高いインフレ率を設定し・・・といういたちごっこの果てに、
失業率も減らせないまま期待インフレ率が本来あるべきレートより随分高くなってしまう、ということが起こる。
これをインフレバイアスと呼んでいる。

インフレターゲットはこのようなインフレバイアスの解決のために編み出された政策だ。
政府・中銀が期待インフレ率を見てからインフレ率を決めるのと上のようなことが起こるので、
期待インフレ率を観察する前にあらかじめ「インフレ率をここに決めますよ」とアナウンスしておけば、
いたちごっこを避けることが出来るわけだ。

こうして見ると、インフレターゲットの議論をデフレに応用するのは結構無理がある。
例え、人々が「実は日銀ってデフレを狙ってるんじゃないの?」と疑って期待インフレ率をマイナスにしたとしても、
政府・日銀にはその期待インフレ率(というかデフレ率?)を下回るようなデフレを起こす必要性は全くない。
だから例のいたちごっこは起こらない。「デフレバイアス」は存在しないのだ。

つまり、デフレ環境ではインフレターゲットの議論は全く意味をなさない。
インフレバイアスを解消するためには具体的に「インフレ率は何%にします!」と宣言しなければならないが、
バイアスがなければ「デフレは望ましくないと考えます」とか、玉虫色のコメントで全く問題ないのだ。
ターゲットをどうしても設定したいのなら止めはしないが、これっぽっちの役にも立たない。

もちろん、デフレ脱却後のインフレバイアスへの対策としてなら構わない。
ただし、それはデフレ脱却策とは呼ばない。

779778 続き:2005/08/23(火) 02:23:30 ID:Y+fxk1+l
インフレターゲットは日銀がインフレ率をコントロールしていることが大前提だ。
そして一般の人々にとっても日銀がハイパーインフレを望んでいない事は自明だから、
期待インフレ率が異常に高まることもありえない。インフレターゲットの議論はハイパーインフレが存在しない世界で成立している話なのだ。

念のために書くと、インフレバイアス(いたちごっこ)のせいでハイパーインフレになる事はない。
手元の資料ではこのバイアスが何%くらいなのか書いていないのだが、常識的に言って数%ではないだろうか。
インフレターゲットはそういうマイルドな、しかし過剰なインフレを解消するための手段なのだ。

インフレターゲットはインフレ率を完全にコントロールできている中央銀行のために作られた理論。
日銀はお呼びじゃない。

インフレターゲットでハイパーインフレを抑える事は出来ない。

今の状態で目標を達成できないとクビ、という制度を導入すると、
むしろ導入前より状況が悪化する恐れがある。

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