[日本での適応症]
うつ病や抑うつ神経症、ナルコレプシーが適応症とされています。ナルコレプシーというのは、
睡眠発作、情動脱力発作(強い情動によって突然引き起こされる数秒から数分の筋脱力)、
入眠時幻覚や睡眠麻痺など特徴的な症状を呈する比較的稀な睡眠障害です。
リタリンは60ヵ国以上で販売されていますが、うつ病患者への使用を適応症として認めて
いるのは日本だけです。1995年に軽症例が適応から除外され、1998年3月の薬効見直しでは、
「症状が悪化する可能性がある」と、重症のうつ病患者への処方を禁じていますから、
リタリンの適応となるうつ病は、「軽症でも重症でもないが、難治性または遷延性」のものに
限られることになります。抗うつ薬(うつ病の薬)としてはほかに副作用の少ない薬剤が
多数あるので、使用する必要はないと思います。うつ病への適応はやめるべきです。
[リタリンの副作用]
(1)常用量での副作用:不眠、食欲減退、動悸、頭痛、胃障害などがよく見られます。
時に逆説的傾眠といって、服用後15〜30分頃にかえって眠気が強くなることがあります。
(2)急性中毒症状:短期的に過剰服用すると不眠、食欲減退のほか、発熱、全身けいれん、
不整脈、いらいらなどが見られます。
(3)慢性中毒症状:リタリンを長期大量に飲み続けると不安や不眠が現れ、また幻覚妄想状態
になります。リタリンは、いわゆる覚せい剤、アンフェタミン類に属する薬物であることを
忘れてはなりません。
(4)離脱症状:数週間程度の連用でも、やめると、パニック状態や中等度または重度の
うつ状態になりやすく、疲労感や強い眠気、空腹感が生じることもあります。
(5)耐性:効き目が少なくなり、同じ効果を得るために使用量がどんどん増えることになりがちです。
(6)乱用、依存:習慣性のために、また離脱や耐性のために、乱用や依存症になり、
やめられなくなります。
http://www2.gunmanet.or.jp/Akagi-kohgen-HP/DR_ritalin.htm