小泉総理は運が強すぎる ▲129▲

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163無党派さん
 むしろ気づくべきは、シラクの「外交カード」として使われるほど、「常任
理事国」の価値は軽いということだろう。「日本はフランスの3倍も国連分
担金を払っているので、もともと常任理事国の資格があるんですよ」とでも、
フランス人お得意のエスプリの利いた皮肉を返す政治家が一人もいなかった
のが残念で仕方ない。
 そもそも日本が常任理事国入りを望むのは国益を損ねている。
「たとえ肩書きだけでも、常任理事国になれるならなっておいたほうがいい」
と考えることもできるが、実際はその肩書のために国益を犠牲にせざるを得
ないのだ。
 すでに常任理事国の立場にある中国は、当初から日本の常任理事国入りに
反対しており、日本製品の不買運動も巻き起こっている。当然、拒否権を行
使する可能性が高い。韓国も「日本が常任理事国など耐えられない」と訪韓
したライス米国務長官に泣きついた。両国の反対を覆すためには、他の外交
分野での相当の譲歩や妥協をする必要が出てくるだろう。
 両国との軋轢を恐れる必要はないが、それは北朝鮮問題や領土問題、軍拡
問題といった日本の国益に関わる問題の場合。何の価値もない常任理事国の
椅子のために喧嘩をふっかけるのは意味がない。結局のところ、「常任理事
国になるために国益を犠牲にする」、あるいは「なりたいと叫びながらも最
終的に拒否されて赤っ恥をかく」という完全なルーズ・ルーズ・シチュエ
ーションなのである。