小泉総理は運が強すぎる ▲125▲

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 5月23日の日米首脳会談で小泉首相は、
「ミサイル防衛は、日本の防衛に極めて重要な課題であり、検討を加速させる」と明言した。
 一方、MD導入への異論もあった。
自衛隊の制服組だ。MDには総額1兆円以上の経費がかかる。
通常の装備がしわ寄せを受ける。それを警戒したのだ。
 (太字)「MD経費は従来の防衛予算の別枠にしてほしい」(太字)
 津曲義光航空幕僚長らは主張した。
 しかし、福田官房長官は7月22日、(太字)「MD予算は防衛庁の枠内で行う」(太字)
と防衛庁の守屋武昌防衛局長に言い渡した。また、
「MD導入に伴い、日本の防衛構想がどう変わるか」を国民に分かりやすく説明するよう注文した。
 防衛庁は8月末、04年度予算にイージス艦改修などMD経費1423億円(契約ベース)を要求した。
 予算削減を目指す財務省は、
(太字)「安全保障会議と閣議の決定を経ていない要求は査定できない」(太字)と主張した。
さらに、MD導入と引き換えに、陸海空3自衛隊の主要装備の具体的な削減案を示すよう求めた。
福田も財務省を支持した。
 12月中旬、防衛庁の防衛局幹部は
(太字)「首相官邸の意向であり、調整の予知はない。これで了承してほしい」(太字)
として、制服組幹部に極秘の文書を渡した。
 そこには、(太字)「戦車と火砲は2割減、護衛艦と航空機は1割減」(太字)とあった。
 制服組は(太字)「こんな重要な話を何の議論もなく、どさくさで決めるのか」(太字)
と不満を唱えた。だが、防衛庁には、受け入れる以外の選択肢はなかった。