小泉総理は運が強すぎる ▲105▲

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続 小泉外交 1  4/5 3月10日 四面

 (見出し、中文字) アドリブ演説
 戦略対話の約2週間後。9月12日のブッシュの国連演説の前日、
ニューヨーク入りしたパウエル国務長官はワシントンのアーミテージに弾んだ声で電話した。
 (太字)「今、大統領と一緒だ。大統領は演説で新決議に言及することを了承した」(太字)
 ところが、当日、ブッシュが演説時に見るプロンプター(透明板に原稿を映す機器)の文章には、
なぜか決議部分が欠落していた。ブッシュは、とっさのアドリブで、
(太字)「我々は安保理とともに必要な決議を用意する」(太字)
と述べた。パウエルらは「心臓が止まる思いがした」という。
 この年の11月8日には、
イラクに大量破壊兵器査察の全面的受け入れを迫る米英提案の国連決議1441が採択された。
 アーミテージは12月の第2回戦略対話で、竹内を最大限持ち上げた。
 (太字)「新決議の採択は、8月の戦略対話が大きな転機となった。
      米国はあなたの試験に合格したでしょ」(太字)

 (見出し、中文字) 大義は国連
 その後も、日本は様々なレベルで米国に国際協調を働きかけた。
イラク戦争直前の2003年2月7日、川口外相はパウエルとの電話会談で訴えた。
 (太字)「世界が『ブッシュ対フセイン(イラク大統領)』の構図と見ることは、物事の本質ではない。
      本当の構図は『大量破壊兵器疑惑があるイラク対国際社会』だと、
       世界に理解してもらう努力が必要だ」(太字)
 この年11月、対イラク強硬派で知られるラムズフェルド米国防長官が来日した時には、
小泉自らが国際協調の重要性を説いた。
 (太字)「物事には大義が必要だ。日本では幕末のころ、倒幕派が天皇を『錦の御旗』とすることで
      民衆の支持を得ようとした。米国も国際協調を尊重し、国連を大義にすべきだ」(太字)
 小泉は「大義」という言葉をことのほか気に入っていた。
会談前、通訳に「大義」の英語訳を尋ね、
「そうか。グレート・コーズ(great cause)と言うのか」と深くうなずいた。