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2日後のブッシュ大統領の来日前。
福田は、自衛隊の年内派遣の表明を小泉に勧めたが、小泉は断った。
(太字)「大丈夫だ。ブッシュとは信頼関係がある。状況をよく見極めた方がいい」(太字)
小泉は首脳会談で、自衛隊派遣の日程への言及を避け、
支援内容は(太字)「任せてくれ」(太字)と強調した。
(太字)「日本はやることはやる。細かいことは言うな」(太字)
そんな小泉の姿勢を、ある政府高官は(太字)「兄弟仁義外交」(太字)と呼んだ。
「おれの目を見ろ。何も言うな」と歌う演歌の世界を連想させたからだ。
11月になると、イラクの治安は悪化した。
衆院選の3日後の12日に、ナシリヤで自爆テロが発生した。
福田は翌日、自衛隊派遣について「状況の変化も考えないといけない」と、迷いをにじませた。
発言は波紋を呼んだ。「年内派遣は見送りか」との観測が日米双方を駆けめぐった。
3日後の16日、国際テロ組織幹部が報道機関に「次は東京を攻撃する」との脅迫メールを送った。
この報道を見て、福田は覚悟を決めた。
(太字)「これは自衛のための戦いだ。こんな脅迫に絶対負けるもんか」(太字)
29日にイラクで奥克彦駐英参事官ら外交官2人が殺害されるという悲劇が起きた。
しかし、小泉や福田の決意は揺らがなかった。
12月9日、小泉は自衛隊派遣を正式に発表した。
(太字)「日本の理念、意思が問われている。危険だからと言って
『人的貢献はしない。カネだけ出せばいい』という状況にはない」(太字)
福田の胸中には、ここまで来たという安堵と今後への不安が交錯していた。
(敬称略。肩書は当時)
今日の分についての話題が出ていたので、先にウPします。
順番がばらけてしまいますが、古いものはまた後日。