小泉総理は運が強すぎる ▲101▲

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550今日の読売特集
政治の現場  続 小泉外交 3

大文字タイトル 信頼の成果「6か国」
文中見出し 「コイズミは友人 困らせるな」

・大統領の激怒
ブッシュ大統領は怒っていた。
2003年春、側近のコンドリーザ・ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)から、
北朝鮮の核問題をめぐる多国間協議の報告を聞いた時のことだ。
(太字)「日本が入っていないと意味がないじゃないか。
コイズミは私の友人だぞ。 彼の足を引っ張りたくない」(太字)
ライスは、「米中朝の3か国協議」を開くという中国の提案について、
米国務省がブッシュに相談せずに独断で同意した、と伝えたのだ。
そもそも、核問題についての多国間協議を言い出したのは、ブッシュ本人であり、
その構想は「日米を中心とした協議機関」というものだった。
ブッシュは、2月22日に訪日したパウエル国務長官に日米外相会談で、
この構想に対する日本側の意向を聞かせた。
川口外相は「中国を関与させることが重要だ」と指摘し、
中国と日米、韓国、ロシア、北朝鮮による「6か国協議」を逆提案した。
さらに、こうささやいた。
(太字)「これを日本が提案すると、中国や北朝鮮が拒否する。
米国から伝えてほしい」(太字)
パウエルは同意し、2日後の中国の江沢民国家主席との会談で6か国協議の開催を提案した。
江沢民は日本の参加に難色を示した。
その後、中国側が提示した代案が「米中朝の3か国協議」だった。
ブッシュは、最初は激怒したものの、結局、ライスに説得され、
渋々、「3か国提案」を受け入れた。 その代わりに、江沢民に電話して、こう言い放った。
(太字)「今回は良しとするが、次に日本を外したら、米国は参加しませんよ」(太字)
そのひと言が効いたのかどうか、北朝鮮の核問題の協議の場は、
4月の米中朝3か国協議を経て、8月の6か国協議へと進んだ。
日米両首脳の良好な関係が生んだ日本外交の大きな成果だった。