小泉総理は運が強すぎる ▲101▲

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184無党派さん
人権擁護法案と小泉総理の相関関係について、ここまでのまとめ。(長文)

今次の人権擁護法案を単体で「よく」見ると、かなり多くの瑕疵があることが
わかります。でも、これが今までだったら内容をよく見ずに「人権擁護差別撤
廃のためだから」といって支持する人が多かったでしょう。
が、今回は内容をよくよく見る人が前回提出時よりも増えてきています。
指摘されたように、「恣意的運用」が可能だという点など、とにかく穴が多い。
法案としては、およそ中途半端で、なぜこんなものを遠そうとするのか? と
疑問に思うほどです。

が、これはこれでトラップだと考えると面白い見方ができるようになります。

人権擁護法案は前回ほぼ同じ内容で提出されて廃案になっています。前回と今
回の相違は、「メディア規制条項を凍結する」という項目の変更のみ。前回は
「マスコミ規制は報道の自由を奪う!」というキャンペーンを受けて、マスコ
ミ条項の部分しか話題になりませんでした。今回はマスコミ条項は「残すが凍
結する。凍結には別の法案を必要とする」と、一歩後退していますが、「マス
コミを脅すための武器」として残しているのは、自民党にマスコミに対する警
戒心があるから(参院選とかで痛い目にあってますから)。
対する民主党は「マスコミ条項を削除するなら賛成してもいい」と言っていま
す。これは民主党はマスコミ条項以外の内容には賛成している、ということの
表明です。

一方で、自民党内からはマスコミ条項以外の部分での異論が出ています(これ
は前回も概ね同傾向だったんですが、マスコミ条項が話題になりすぎて霞んだ
んです)。

ネット/blogなどで注目されているのは、マスコミ条項以外の部分、特に人権
委員会に関する穴の部分です。あからさまに「欠陥」があるという指摘、成立
したら治安維持法以上の悪法になる可能性が激しく指摘されています。
185無党派さん:05/03/10 17:56:11 ID:vyoQygYm
ここで、与野党の法案に対する姿勢を整理すると、

与党→マスコミ条項は問題ではないが、それ以外の部分が問題。
野党→マスコミ条項は問題。削除すべき。それ以外の部分は問題なし。

となります。つまり、政府提出の欠陥法案を、野党は支持し、与党は反対して
いる、という妙な図式になります。もし政府がこの法案を本気で通したいなら、
野党と協力しなければならないことになります。が、それはない。政府首班=
首相は与党の総裁ですからね。

では、なんのために与党の支持を得にくい法案をこの時期に出したのか?
ここからは推測になりますけれども、郵政民営化法案を通すためじゃないでしょ
うか。
「人権擁護法案については折れて、自民党の言い分を受け入れる。自民党は悪
法の成立を未然に防いだ、という手柄を得、悪法に賛成したと民主党を攻撃す
る(有権者の民主党離れを促進)ことができる。それと引き替えに郵政民営化
法案については折れる」
という政治取引があるのでは。

一方、この穴だらけの法案を前回の争点だったマスコミ条項の部分にだけ注目
して、「他はよし」と言ってしまった民主党には、「欠陥を見抜けなかった無
能」という批判が集まってしまいます。マスコミはマスコミ条項の削除を訴え
るためには民主党を支持しなければなりませんが、そうなると「悪法」の部分
をまたしても無視することになり、ますますマスコミ不審を募らせることになっ
てしまいます。
与党の反対を攻撃すると、法案に疑問を持つ国民と乖離してしまうことになっ
てしまうわけです。
186無党派さん:05/03/10 17:56:34 ID:vyoQygYm
また、「法案の欠陥」と繰り返されていますが、これは「被差別問題に取り組
んできた市民団体」または「部落解放同盟」という、これまでアンタッチャブ
ルだった組織を白日の下に晒しているものでもあります。
少数の被差別弱者の保護→聖域化が、その他の多数を支配する構造になりかね
ない、というのは、従来であれば意見表明すらできませんでしたし、被差別弱
者に反対を唱えると差別者扱いされてしまいますから声も上げられないという
のが通常の状態でした。そもそも「部落解放同盟」っていう名前そのものが表
に出てきませんでしたからね。
が、この法案を巡って、そういうアンタッチャブルの団体名が表に引きずり出
されてきた。「アンタッチャブルに特権を与える」ということの危険性を考え
る機会が、この法案の提出(まだ可決してないところがミソ)によって作られ
た。


ここで、気をつけたいのは必ず出てくる次のような主張です。

・人権擁護法案は悪法だ○ 
・可決させてはならない○
・こんな法案を提出する政府を支持するな? ←
・法案を可決しようとする政府の支持政党に投票するな× ←

「法案に反対する」という行動を取ると、現状では民主党批判・与党支持になっ
てしまうはずなのに、自民党への反対と野党への投票行動を促す反体制運動に
結びつけてしまう「市民団体」がすでにあちこちで便乗キャンペーンを始めて
います。

また、この悪法を提出した政府を叩く材料に利用しようとする動きも多数見ら
れますが、政府=行政、議会=立法です。審議して決めるのは与野党の賛否と
駆け引きということになるわけで、この法案の是非を問うなら提出者より両党
の賛否を見るのが正しいということになります。