今回、広島・長崎への原爆投下を例に、「大東亜戦争」(太平洋戦争)に於
ける米国が犯した「人道に対する罪」について書いた訳ですが、米国が犯し
た「人道に対する罪」は、何もこれだけに限りません。皆さんもよくご存じ
の「東京大空襲」を始めとする日本各地に対する米軍 ── 戦略爆撃機B-29
による空爆も、「人道に対する罪」に該当する米国が犯した「戦争犯罪」の
一つです。日本軍の高射砲が届かず、迎撃戦闘機も辿(たど)り着けない高
々度の上空から、遙か眼下の市街地に向けて、日本に多かった木造建築物の
焼失に極めて効果的な焼夷弾をばら捲き、都市全体を住民諸共焼き殺した
「本土空襲」。軍事施設も住宅地も全く関係なく、只々、敵国民である「ジ
ャップ」(日本人)を皆殺しにする事のみを目的とした無差別爆撃は、「原
爆」に勝る共劣らない「人道に対する罪」です。しかし、もっと驚くべき事
があります。その「本土空襲」(戦略爆撃)の張本人であった米空軍参謀総
長・カーティス=ルメイ大将に対して、昭和39(1964)年12月4日、日本政
府から「勲一等旭日大綬賞」(勲章)が贈られていると言う事実です。何で
も、航空自衛隊(空自)創設の功績が認められての事だそうですが・・・
戦時中の「戦争犯罪」と空自創設の「功績」とを天秤にかけた時、果たして、
どちらにより「重み」があったか等、考える迄も無い事であり、勲章なんぞ
を贈った当時の日本政府が、如何に「愚か」であったかを物語るエピソード
の一つと言えます。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/teikoku-denmo/no_frame/history/honbun/genbaku.html