虚をついて来襲したB29の大編隊は、低空からアルミの細片をばら撒いて日本軍の電波探
知機を無能にし、機体を捉えたサーチライトには機銃掃射を浴びせかけた。
B29の先発部隊が江東区・墨田区・台東区にまたがる40kuの周囲にナパーム製高性能焼夷弾を
投下して火の壁を作り、住民を猛火の中に閉じ込めて退路を断った。
その後から約100万発(2,000トン)もの油脂焼夷弾、黄燐焼夷弾やエレクトロン(高温・発火式)焼
夷弾が投下され、逃げ惑う市民には超低空のB−29から機銃掃射が浴びせられた。
折から風速30mの強風が吹き荒れて火勢を一層激しいものにし、火の玉のような火の粉が舞い踊
り、強風に捲かれた炎が川面を舐めるように駆け抜け、直接戦争とは関係の無い一般市民は次第
に狭まってくる火の壁の中を逃げまどいながら、性別も判らないような一塊の炭と化すまで焼き尽く
された。
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/kusyu-kusyu.t.htm