>>506 スキャンできないので、タイプの練習がてらうってみました。
よろしかったらどうぞ。
静岡新聞 平成16年11月29日 論壇 屋山太郎
靖国問題、変わる歴史認識
参拝に否定的な財界首脳
小泉純一郎首相を囲むいくつかの財界人の会がある。ある会の座長は奥田硯トヨタ自動車会長で七、八人で定期的に会食していたが、このと
ころ、声をかけても総理の方からさっぱり返事がない。しびれを切らして催促に行った使者に対して小泉首相はこういったという。
「あの会に出ると『総理、靖国参拝だけはやめて下さい。あれさえなければ新幹線でも何でも受注でき日本は大儲けできるんですから』とい
う人物が二人いる。心の問題と金儲けを同じ次元で考えるような人物に会いたくない」
この二人というのは奥田氏と小林陽太郎富士ゼロックス会長だという。この話を聞いた翌日、経済同友会代表幹事の北城恪太郎氏が記者会
見で同様趣旨の発言をした。あらためて財界首脳にきくと経済界の七、八割は「皆、そう思っている」という。その精神の貧困さには驚愕し
た。
中曽根康弘元首相は中国との友好と靖国参拝のはざまで迷ったあげく、参拝をとりやめ中国との友好を選んだ。いまもA級戦犯の分祀と
いった解決策はないものかと妥協策を模索しているようである。
しかしこのような発想は「日本人の性根を腐らせる」(安倍晋三自民党幹事長代理)ことも事実である。かつて日本はアジアの小国の首相か
ら「エコノミック・アニマル」と馬鹿にされ、国民一同、恥ずかしい思いをしたことがある。考えてみると恥ずかしいと思っただけ、当時の方
がよほどましだったのではないか。