560 :
福嶋浩彦について:
━ 東京大都市圏(通勤圏)における 千葉県都市部のおかれた立場 ━
山手線の東西にかかわらず、郊外ベッドタウンへの新規移住者の1/4は
実家へのアクセスが理由でその場所を選択するといいます。しかし残りの3/4はちがいます。
通常は第1の理由として勤務先へ乗換えがない、資金的に余裕があれば近いところに、
または住環境の良好なところを選びたいという至極真っ当な動機があります。
しかし東京都区部外・いわゆる郊外を選択するときには別の要因が大きく働きます。
千葉県は埼玉県とともに 東京通勤圏のなかで「田舎・ダサい・馬鹿にされる」という
固定的なイメージの悪さにとらわれる傾向が強く
郊外を選択するさいに「千葉だから・埼玉だから」という理由で躊躇する人が
すくなくありません。
千葉県都市部は、埼玉県都市部とともに(高校・大学受験のさいの第2志望、
第3志望、第4志望、・・・のような“すべり止め校”のような)
東京通勤圏における「すべり止めベッドタウン」の位置づけにあるといえます。
561 :
福嶋浩彦について:05/01/08 13:56:18 ID:J3dzfF4c
この結果として、千葉県に新規移住者の少なくない人々が 以下の種類の人間で
占められる結果となりました。
@ホントは東京郊外ってんなら東京都多摩地域か神奈川県に住みたかった。
けど高かったからしょーがなくこんなトコに住んだ、という「不本意型移住者・居住者」
A(東京)都心への利便性のワリには東京都多摩地域や神奈川県ににくらべて
割安だから千葉(埼玉)にした、という「安かろう悪かろう型移住者・居住者」
こうした人々は不動産商品の選択の過程で希望の商品に手がとどかなかったために
妥協して千葉(埼玉)に不動産を購入したに過ぎません。
もし彼らが大金を手にしたら、少なくとも半分以上は(もしかして9割近く? 予測不能…)
もともと希望していた念願の住宅地に引っ越すでしょう。
彼らが妥協して千葉(埼玉)に買った不動産は第一志望ではありませんので、
あくまで腰掛け用の不動産商品、という以上のものではないという性質を帯びます。
ですから自分が住む地域への愛情が育ちにくいのは当然ですし、
もし新たに愛情を持ったとしても当初の希望を諦めた、という諦観とともに生起してくるために
当初妥協して嫌々住んだ経験はトラウマとして深層心理を規定してしまいます。
一般論として、千葉都民(埼玉都民)が多摩や神奈川県に劣等感を抱いたり、
または韓国人が日本に対してするような開き直りの強がりに終始してしまうのは
都心からの同じ利便性の条件の下における
地価の多摩・神奈川県方面の比較優位、千葉・埼玉方面の比較劣位による
選択のさいの階層化の発生に原因があると考えられます。
562 :
福嶋浩彦について:05/01/08 13:58:33 ID:J3dzfF4c
この千葉(埼玉)に対する偏見は別の厄介な問題も引き起こします。
むろんですが千葉(埼玉)の、まさにその場所に他に替えがたい魅力を感じて不動産を購入した
真っ当な動機の人もいるわけです。
しかしこうした人、別に多摩や神奈川県に劣等感を持たない人さえ、
千葉(埼玉)に偏見を抱く人にはやはり馬鹿にされることが多いといえます。
「多摩や神奈川県に移住できる経済力はあるが、あえて千葉(埼玉)を選択した」というのが
はっきりしないかぎり「ビンボー人」と心の底でせせら笑われるのです。
それは、たとえば国文学が好きで、国文学研究の名門・国士舘大学に入学しても
おおくの人にはそれを額面どおりは受け取れないのと同じです。
またスーフリ事件も代表が早大だから「あの早稲田で…」という反響を呼んだんであって、
あれの代表が国士舘や帝京なら「やっぱりねー」でオシマイです。
こうしたステレオタイプ的理解は批判にしょっちゅうさらされます。
しかし階層原理をささえる上でステレオタイプは非常に大きな役割をはたしていますから
批判する前に分析をするべきでしょう。そもそもステレオタイプは永遠になくなりませんし。
563 :
福嶋浩彦について:05/01/08 14:03:19 ID:J3dzfF4c
ところで「チバラギ(ダサイタマ)呼ばわりなんて気にしないよー、バカバカしいじゃん!」
とツッコミを入れる人が必ず出てくるので、これについて一言。 この手の輩(やから)は
世の中の全員を気にしないように啓蒙しようとしたり、またこうした議論を破壊したがりますが
評判を気にする人間がいるからこそ競争が発生し経済が成立していることを
わすれてはいけません。
評判を気にしない人が約2割、逆に評判を非常に気にする人も対極に約2割、
多少の程度の差はあれその中間に位置するのが約6割。この割合は古今東西を問わず一定です。
みんなが評判を気にしない状態を創出するのが可能なら とっくに共産主義が実現しています。
東京通勤圏における千葉(埼玉)への偏見の発生を解決するためには まず社会学的な
学問的分析をし、かつ経済学的アプローチによって解決していくしかありません。
ただしいまのところ千葉(埼玉)への偏見をテーゼとして取り上げた
アカデミックな研究は皆無。
バブル期に博報堂あたりがいい加減なマーケティングしたのくらいです。
564 :
福嶋浩彦について:05/01/08 14:06:48 ID:J3dzfF4c
とりあえず私的な仮説(hypothesis)として
>>560-561を示しました。
こうした地価の多摩・神奈川県方面の比較優位、千葉・埼玉方面の比較劣位による
選択のさいの階層化が発生すると
所得水準、学歴、その地域への好意etcといった面でも千葉・埼玉の都市部は
多摩・神奈川県の都市部に対する比較劣位から永遠に抜け出せないことになります。
つまり「東京通勤圏における 永 遠 の 吹 き 溜 ま り」の地位に
経済構造・社会構造上、千葉(埼玉)の都市部は指定されてしまうことになるのです。
>>555-559で挙げたように千葉県都市部は東京通勤圏に内在化し 且つその一部に過ぎず、
ほかの地方のようには生活圏が自己完結していません。
東京圏の外郭の一翼でしかない。
その中でさらに吹き溜まりの立場にさせられているのですから、
(ある一定の)アウタルキーを達成している地域の経済を刺激する政策のように
(海外からの居住者や低所得層も含めた)所得レンジ/国籍等に関わらずに
ニューカマーを受け入れることは「吹き溜まり」では自殺行為に等しいと考えます。
巨大都市の郊外の被差別的役割のエリアでソレを実行したら悪循環が発生します。
しかし社会主義的な統制もやはり好ましくありません。
では市場原理をじょうずに利用しながら千葉県都市部を非DQN化していくには
どうすればいいか。 以上は理論、以下からは実践としての政策です。
565 :
福嶋浩彦について:05/01/08 14:09:49 ID:J3dzfF4c
━ 短所を長所に転ぜよ…地価の安さを逆手にとった住宅地政策 ━
都心からの同じ利便性の条件の下における千葉・埼玉方面の比較劣位(地価の安さ)
から「千葉・埼玉買った奴は そこしか買えなかったビンボー人」という偏見が生まれ
東京通勤圏のうち千葉・埼玉方面がとりわけ馬鹿にされやすいことを
>>560-561で述べさせていただきました。
千葉・埼玉方面が馬鹿にされなくなる為には
@ホントは東京郊外ってんなら東京都多摩地域か神奈川県に住みたかった。
けど高かったからしょーがなくこんなトコに住んだ、という「不本意型移住者・居住者」
A(東京)都心への利便性のワリには東京都多摩地域や神奈川県ににくらべて
割安だから千葉(埼玉)にした、という「安かろう悪かろう型移住者・居住者」
という人種が新規に移住してくるのをストップすることがまず必要です。
そのためには取引価格の多摩・神奈川県方面の比較優位、千葉・埼玉方面の比較劣位を
なくして、なんらかの形で均衡する状態に持っていくことが必要です。