803 :
無党派さん:
2002年09月07日
病床減らし質上げる 開放的な病棟実現(変わる精神医療:1)
収容主義の時代は終わった。チーム医療が社会復帰を促進する。
57年に56床で開設した西脇病院は典型的な収容型の病院として
ベッド数を増やした。西脇さんが理事長・院長職を継いだのは82年
。そのころ定床260床に対して入院患者が300人を超えることも
あった。
ベッド数を多くして入院を増やせば収入は増える――日本の精神病
床はずっと増え続けてきた。
西脇病院は現在229床と逆に減らした。患者の平均在院日数は1
81日。全国平均の約半分だ。収入も減るが、高い診療報酬を得られ
るよう看護基準を上げ、外来患者を増やした。
入院が長期化すると社会復帰が難しくなる。西脇さんは、入院の必
要性の判断から治療、退院、社会復帰まで、医師、看護師、カウンセ
ラー、ソーシャルワーカーらによる一貫したチーム医療が必要だと訴
える。
「『やっかいものを預かってほしい』というような要請に精神病院
が安易に応えるべきではない。一方で、過去の収容主義への反省が過
ぎて『入院は悪』と考えるのは間違いだ」
804 :
無党派さん:2005/05/13(金) 09:20:01 ID:P6qdIKJe
◆多すぎる精神病床
日本の精神病床は約36万床ある。人口1千人あたり2.9で、米
国の0.6や英国の0.9、イタリア0.6、ドイツ、フランスとも
に1.3などと比べると、日本が突出して多い(いずれも経済協力開
発機構の資料より)。しかも、米国が60年代から、欧州諸国も70
年代になって国の政策として精神病床を削減してきたのに対し、日本
は94年に戦後初めて減少するまで民間病院を中心に増え続けてきた
。
◆社会的入院が7万人
入院患者は約33万人。うち10年以上という長期入院患者が28
.9%を占める。5年から10年が14.1%。入院が長期化すれば
するほど社会復帰が難しくなる。
病状が落ち着いてもう入院の必要がなくなっているのに、生活訓練
や職業訓練の施設など社会復帰のための受け皿が地域にないために退
院できない人が約7万人にのぼるといわれている。厚生労働省は10
年間でこの7万人の退院を目指すという。