岩手県のすさまじいゼネコン選挙の実態
一昨年に半年ほど小沢一郎の地元である岩手の公共事業を取材しました。その年には各種選挙がありましたが、
全部新進党の完勝でした。そして全部、典型的なゼネコン選挙です。利益誘導型の選挙が行われている。
岩手県には大手建設会社で作る小沢一郎後援会として「桐松クラブ」というのがある。鹿島、大成、清水が幹部で、
第三次会員までゼネコン各社がピラミッド型に格付けされて並んでいる。小沢勢力に選挙と政治資金でいかに貢献
しているか否かで格が決められ、仕事の配分が決められているのです。
パーティーやイベントがあれば、枚数や動員数が決められて下ろされてくる(資料参照)。後援会名簿の数を割り当てし
徹底して作らせ、提出された名簿に電話してチェックし、同意して書いたかどうかを確かめる。だから業者はいいかげんな
名簿を書けない。その良し悪しによって査定される。それが仕事に結び付く。こういう選挙で票を固めている。
金も割り当てです。完全な選挙マシンです。
それで自民党を完全に圧倒した。自民党といっても小沢が牛耳って新進党に看板を変えたわけですから、自民党勢力は
本当にものすごく小さい。公共事業が配分されるかどうかに、自分達の生き残りが懸かっているから、業者も必死です。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mmr/glocal/97/g970310(498).htm
ダム族の小沢一郎
小沢は道路は弱いがダムが強い、ダム族、河川族です。今でもダムについては利権を握っている。岩手県内の
主なダムは全部小沢プロジェクトです。小沢がどこにするかを最終的に決めている。
ダムを造る理由として、発電だ農業用水だと言われているが、説得力のあるものはありません。農業用水は余っていし、
洪水調整といってもダムは役にたっていない。ダムが水を溜める量は決まっているが、岩手の北上川なんかは奥羽山系や
北上山系からどっと水が集まってくるので、洪水調整の役にたたない。
そのうえある一定以上の水量になると放水しないとダム自身が危なくなる。逆に洪水のもとになる危険性もある。
ダムの必要がないのにダム建設を進める、それはゼネコンの利権のためのダムに他なりません。
ダムのかさ上げという方法で安くすむものを、仕事にならないからという理由で、ダムを水没させて大きなダムを作った例もある。
これも小沢の一言で決まりました。ダムは農業用水のためという理由で建設業界の利権になっていますが、農業基盤整備も
利権の温床です。ウルグアイラウンドの締結による開放政策の対策として、農水省は中山間地帯にたいする所得の直接補填を
検討していました。しかしこれでは建設業界の利権にならないので、当時与党の中心に位置していた小沢一郎が主導して
農業土木により多くの予算が配分されるようにしたのです。事実、ガット合意後に農業土木予算が膨張しています。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mmr/glocal/97/g970310(498).htm