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無党派さん:
東チモールで大国インドネシアによる有らん限りの非人道的行為が
行われ、大量殺戮が行われていたとき、菅直人は一人激怒していた。
それに対し、小泉純一郎は、オペラ鑑賞に、歌舞伎鑑賞と呑気なものだった。
それは、世襲議員と叩き上げの議員との違いだったのかもしれない。
小泉に限らず他の国会議員は東チモール問題に対しては冷淡だった。
いわく・・・「インドネシアは大国です。
あの国との関係を考えたら、数十万人、百万人程度の虐殺は黙認してよい。
国益のためにはインドネシアを批判するのはよくない。」
しかし、菅直人は違った。短期的な国益を最優先することが、
結局、長期的な国益を損なうと菅は見ていたし、
だいいち人道上許しておけなかった。彼は熱血漢だから。
1996年。ノーベル平和賞の受賞者の発表に、菅直人は泣いた。
文字通りの男泣き、号泣だったという。
菅の盟友でもあり、東チモールのために闘って来たジョゼ・ラモス・ホルタが
東チモール運動の功績によって、受賞したのだ。
ホルタは言った。「日本は経済関係を重視し、インドネシアの行為を黙認した。
東チモールでの虐殺に唯一怒ってた国会議員は、日本のKAN Naotoだ。
日本は金以外に何も持ってない国家だ。自分は日本から入国さえ拒否された。」
痛烈だった。ノーベル平和賞受賞者とは思えない過激な言葉だった。
世界に日本という国家の姿が暴露され、「国益」が損なわれた瞬間だった。
まさに、「国益」を守ると言っていた連中の行為自体が「国益」を損なったのだ。
貿易つまり国益を優先し、インドネシアの皆殺し政策を支持したという非人道的姿勢が
世界中に喧伝され、結果的に、国益を害したという皮肉。
菅の考えは正しかった。もし、この時、ホルタの口から
日本にもちゃんとした議員KANがいるという言葉がなければ、
日本の国益はもっと毀損されただろう。菅が俵一枚で日本の名誉を守ったのだ。
本当の愛国者とは、本当の国益とは、こういうことなのだ。
ちなみに、日本国政府は、受賞が決まった途端に、ホルタ氏の日本入国を認めた。