1 :
名無信者さん:
僕は山内に電話をかけ、GBAにどうしても参入したいんだ。
話すことがいっぱいある。話さなくちゃいけないことがいっぱいある。
世界中にGBA以外に求めるものは何もない。GBAに参入してFFを出したい。
何もかもをGBAから最初からはじめたい、と言った。
山内は長い間電話の向こうで黙っていた。
まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に振っているようなそんな沈黙が続いた。
僕はその間ガラス窓にずっと額を押し付けて目を閉じていた。
それからやがて山内が口を開いた。『君、今どこにいるんだ?』と彼は静かな声で言った。
僕は今どこにいるのだ?
僕は受話器を持ったまま顔を上げ、電話ボックスの周りをぐるりと見まわしてみた。
僕は今どこにいるのだ?でもそこがどこなのか僕にはわからなかった。見当もつかなかった。
いったいここはどこなんだ?僕の目に映るのはいずこへともなく歩きすぎていく無数の人々の姿だけだった。
僕はどこでもない場所のまん中から山内を呼びつづけていた。
2 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 15:56
期待してるぞ。続けてくれ。
3 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 15:59
一般書庫板に逝きな
4 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 15:59
ノルウェーの森かよ。
厨房の頃、これでたくさん抜いたなァ…(藁
5 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:05
「どうしてGBAに参入できないの?」と僕は■に訊いてみた。
訊こうと思って訊いたわけではない。それはふと口をついて出て
したまったのだ。
「僕がGBAに参入できないのか?」と彼はゆっくりと言葉を区切るように
して言った。
「冗談だよ」と僕も微笑んで言った。「ただ何となくそう言ってみた
だけだよ。ちょっと言ってみたかったんだよ」
■は視線をテーブルの上に落とし自分の手の指を見ていた。
「いや冗談なんかじゃないよ。それはとっても大事なことなんだ。き
ちんと考えなくちゃいけないことだ。僕はGBAに参入できないのか?真剣に
考えなくちゃいけない」
6 :
つづき:2001/05/14(月) 16:06
僕は彼の顔を見た。くちもとは微笑んでいたが、目は真剣だった。彼
は冗談を言ってるわけではないのだ。
「なぜ君がGBAに参入できない?」と僕は質問した。
「何故僕がGBAに参入できないんだろう?何故だろう、僕にもそれがわからない。
何故、参入できないんだろう?」
「ねぇ、よくわからないな」と僕は笑って言った。「君はGBAに参入できないのか?
それとも参入できるのか?」
「だから、それについて考えているんだよ。僕はGBAに参入できるのか、それとも
参入できないのか?」
■はビールを一口飲み、グラスをテーブルに置いて、頬杖をついた。
7 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:06
名スレの予感……。
おもしろくない
そうか?
12 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:11
「■の5年後のこともっと知りたい?」
「興味はあるね、いささか」
「ねえ、私は■の5年後をもっと知りたいって質問したのよ。
そんな答えっていくら何でもひどいと思わない?」
「もっと知りたいよ、そのことを」と僕は言った。
「本当に?」
「本当に」
「もうすぐFF発売で経営も危なくなるとしても?」
「そんなにひどいの?」
「ある意味ではね」と彼女は言って顔をしかめた。
13 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:14
セクースシーンのアレンジきぼーん。
家に帰ったら考えるか。
15 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:18
「PSとPS2の間に」
と、FF発売後■は語った。
「北回帰線のようなものがあって、
それが、
僕の足を止めたんです」
16 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 16:36
しかし、僕が脆弱な仮説の上に築き上げた幻想の城は、
FF]の発売によってあっという間に崩れ落ちてしまった。
そしてその後には無感覚なのっぺりとした平面が残っているだけ
だった。
17 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 17:15
いいね。
創作板が相応しいのか、ここが相応しいのか判断に困るけれど。
下らない他のスレより、よっぽど読む価値がある。
ただ、あくまで春樹「的」にして欲しい。
作品中からぱくっては駄目だ。
18 :
7743:2001/05/14(月) 17:24
あのころ僕は、とにかく攻略情報キボンヌ状態だった。
それほど大きくない口に、380円の学食をかき込みながら
沢山の話しを、ガセもあったけれど、サークルの友人達から聞いた。
その情熱を競う大会でもやったとしたら、
HORI製の連射コントローラーくらいは、貰えたんじゃないだろうか。
19 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 21:31
「でも出すしかないんだよ」と彼は言った。
「それもとびきり上手く出すんだ。みんなが感心するくらいに。
出すんだ。出しつづけるんだ。何故出すかなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。
そんなこと考え出したら足が停まる。一度足が停まったら、もう
おいらには何ともしてあげられなくなってしまう。
だから、出すんだよ。破産するまで、時間の続く限り。」
20 :
名無信者さん:2001/05/14(月) 21:58
それはゲームだった。完全なゲームとは言えないが、ゲームだった。僕はそのゲームを何度も何度もプレイしてみた。それは僕が良く知っているはずのゲームだった。
『びっくりマウス』
僕は目を閉じて、ゲームをやめた。題名を思い出すと、自然に僕はやる気を失った。僕はそのゲームを何度も何度もやってみた。怒りが心にしみわたり、体の隅々まで固くこわばった力がわいてくるのがはっきりと感じられた。ひさしぶりにびっくりマウスを手にすると、僕の体がどれほど心の底でそれを憎んでいたかということをひしひしと感じることができた。僕はあまりにも長いあいだ糞ゲーをしてなかったので、それに対する直感的な恐れすらも感じとることができなくなってしまっていたのだ。びっくりマウスは長い冬のように僕の筋肉と心を凍りつかせ、僕の目に怒りの涙をあたえてくれた。
21 :
名無信者さん:2001/05/15(火) 09:33
創作は無理か…。期待する俺が馬鹿なのか?
で、ここまで本文引用するなら、引用元書いたらどう?
(ダンスダンスダンスより)とか(ねじまき鳥より)とかさ。
著作権に引っかかるのは痛いよ。
22 :
名無信者さん:2001/05/15(火) 10:33
俺も創作希望
でもここの奴等じゃ無理かな。
23 :
名無信者さん:2001/05/15(火) 10:47
当時のあの板には「出川」と呼ばれる人種がいて
まわりからひどく嫌われていたし、僕もあまり好きではなかった。
それはもはや当人達の実像から離れて、僕たちゲームをする人間の
ネガティヴな面を内包した象徴として無意味に嫌われ、罵倒された。
話題のない11時過ぎに、僕らはその象徴としての「出川」をよく煽り、
そして回線を切って割りきれない気持ちのまま、眠った。
かもね。
だけど、真性は入って来れないだろうから、そういった意味では良いかも知れない。
25 :
名無信者さん:
age