その苦闘の成果は間違いなく素晴らしいものとなった。
WiiUの大容量のメモリのおかげでPC版の高解像度テクスチャーを使用することができた。
「我々のビルドのパイプラインにはPC版テクスチャを使用するスイッチがあって、それを切り替えるだけだった。
これはなんの苦労も無かった。文字通り10分間の仕事だ。
ジオメトリはPS3、360のものを使っている。純粋にテクスチャをアップグレードしただけだ。」
「とにかくツールとソフトで苦労した。ハードは非常にいいんだ。
消費電力から考えれば驚くべき高性能を持ってる。だが、それを引き出すのがとにかく大変だった。」
だが、それは複数の開発者によって下された
WiiUは時代遅れのCPUを使った低性能ハード、という評価と食い違うのではないか?
MostWantedUの開発でそこは問題にならなかったのか?
「私が思うに、スペック表を見て多くの開発者は「ああ、これはちょっと軽量級だね」と判断して歩き去ってしまったのだろう。
それは早計な判断だと思う、クロックスピードこそ低いが、多くの面ではその階級以上のパンチ力を持っているのに。
なので、早々に歩き去った人々は低性能だと言うだろう。
また、ちょっと開発を試してみただけの人も多くは「やっぱりあまり性能が出ないな」と思ってしまうだろう。
しかし、我々のようにとことん腰を据えて、どこが弱いのか、それは何故か調べると同時に、
逆にどこが強いかを調べそれを解放するところまで行った人は多くないのだろう。
これは異なった種類のチップなのだ。ここまで異なるものを他機種のチップとクロックスピードだけで比較するのは意味がない。
リンゴとオレンジを比べるようなものだ。」
過去のWiiU移植作は、若干の向上が加えられたものや、
ほぼ同等でわずかな不具合があるものや、大きなfps低下があるものばかりだった。
Most Wanted Uは取材時点ではまだ開発最終段階にあり、
日に日に品質が向上し続けているので、詳細な評価は完成を待つが、現時点でも素晴らしい出来であることは間違いない。
「WiiUは悪いスタートを切ってしまった。360ほどの性能はないんだとか言われてきた。
それはほとんどがリンゴとオレンジの比較による無意味なものだと思う。
その誤りを我々が本作で正せれば、と思う。」
「任天堂はそのことにあまり触れない、彼らの焦点ではないのだろう。
社長が訊くで静穏性や低消費電力は散々アピールしているのだが、
こういうこと(パナソニック50インチTVに映されたMost Wanted Uを指す)もできるハードだということは自慢しないのだ。
実際にこういうことは可能だし、こうして動いている。
人々(開発者)はこのことをよく考え、時間と創意と努力と、その他なんであれこのビジネスでやる価値のあるものは全て注ぎ込むべきだ。
全力で取り組まないなら何もしない方がいいと私は思う。」