■ソフト売上を見守るスレッドvol.5017■

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ゲーム機用半導体―省電力と高性能追求、携帯型主流、価格勝負に
日経産業新聞

ゲーム機には多数の最先端半導体が詰め込まれている。演算や画像処理、無線
通信など多彩な機能が要求され、技術に自信を持つ国内半導体メーカーも供給役
の一翼を担ってきた。だが、米アップル社のiPhoneの登場を機に多機能携帯電話
がゲーム市場を侵食。ビジネスモデルの曲がり角を迎えたゲーム産業と同じく、搭
載する半導体にも変化の兆しがある。
「もはやゲーム機向けは“鉄板”ではない」――。NECエレクトロニクスとルネサス
テクノロジが経営統合して発足したルネサスエレクトロニクスの幹部が嘆く。
ルネサスエレの2010年3月期の最終損益は、2社の単純合計で1420億円の赤字
だったもよう。その一因が、旧NECエレが山形工場で生産している任天堂「Wii」向け
システムLSIの販売が想定を大幅に下回ったことだ。
Wiiの販売減は世界景気の低迷だけが原因ではない。廉価もしくは無料のソフトを
ダウンロードして使う携帯電話向けゲーム市場の広がりが成長の障壁となった。
7292:2010/04/15(木) 08:39:24 ID:lLSv3ci40
その影響もあり、09年は世界のゲーム産業全体でハード、ソフトともに販売が落ち
込んだ。
ゲーム機各社は多機能携帯電話に対抗しうる次世代携帯ゲーム機の開発に力を
そそぐ。任天堂は裸眼で3次元映像のゲームを楽しめる新型機「3DS」を11年3月
期中に発売。ソニーも次世代携帯ゲーム機「PSP2」を開発中とみられる。今後は
携帯型がゲーム機の主戦場になりそうだ。
この変化は、ゲーム機向け半導体に大きな影響を及ぼす。据え置き型と携帯型では
必要な機能が異なるからだ。前者がハイスペックを追い求める一方、後者は「ローパ
ワー&ハイスペック」が搭載への条件となる。
これまで主流だった据え置き型では、ソニーがPS3向けに米IBM、東芝と高性能半
導体「セル」を共同開発するなど、日本メーカーが主導権を握っていた。ところが携帯
型では、メモリーを除いて国内半導体メーカーの存在感は小さい。
その代わりに主流になりつつあるのが、英アームの設計によるものなど、汎用的な
コアを採用した半導体である。消費電力の低減などで強みがある。
7303:2010/04/15(木) 08:40:05 ID:lLSv3ci40
実際、任天堂の「DS」シリーズはCPUにアーム系コアを採用。NECエレなどから
特注品を購入しているWiiとは異なり、アーム系コアを組み込んだ半導体を、製造
コストの安い複数のファウンドリーに生産委託してきた。
次世代の「3DS」に搭載されるとうわさされる米エヌビディアの半導体「テグラ」も、
やはりアーム系コアを採用した。消費電力をわずか1ワット以下に抑えながら、PS3
用の半導体とほぼ同水準の画像処理機能を持つという。生産は、製造コストが圧倒
的に安いTSMCへ委託する。
販売時期は未定だが、ソニーの「PSP2」も独自設計の半導体から離れて、「既存の
汎用系コアを採用する」(国内半導体大手幹部)との観測がある。
携帯ゲーム機やスマートフォンの市場が伸びれば、国内の半導体メーカーにも商機
が広がる。東芝や富士通セミコンダクターが汎用系コアを採用する一方、ルネサスエ
レクトロニクスは自社製コアと周辺機能の拡充でアームに対抗する。
いずれも、低消費電力と性能を両立する技術では海外競合と比べて優位性を持つ。