飯野:実はまだマリオ64をクリアしてないんですよ。
僕、マリオシリーズって大好きでマリオ3なんてファミコンが熱暴走するくらい電源入れっぱなしで遊んだんです。
でも マリオ64はできなくて。ずっと考えてたんですが、初心会(注1)で初めてマリオ64を触った時、すごく自由な世界観を感じたんですね。
鳥に捕まったり、花畑の中を走り回ったら蝶々が出てきてびっくりしたり、わーっと滝に落ちたり、空を飛べたり。
いいかげんに遊べて、そのなかでももっと遊びたい人は極めろよみたいな。
でも、製品版だと、すごく厳しい部活に入ってしまったような気がしたんですよ。
看板をマメに読んだり、スター何十個とろうという方向に自分自身がいかなくなっちゃって。
僕にとってマリオ64というのは、すごくアバウトで自由な雰囲気があったんです。
64版だとピーチ姫もクッパもリアルになっちゃって、助けてとかさらわれたというのがすごくリアルに感じてしまって、気軽に楽しめなくなっちゃったんです。
4コマ漫画が劇画になったような。
僕は宮本さんて良質な4コマ漫画をいっぱい描かれるような人だと思ってたんですね。その辺の話を聞きたくて。
宮本:難しいな。マリオとゼルダの境目がなくなってきたという話ですね。
飯野:まったくそうです。
宮本:N64でできる面白さって何かと何かというと、3Dのリアルなものですよね。
その中で破綻のない3Dを作ろうとすると、どうしても遊びの少ないゲームになってしまった部分もあるんです。
理想を言えばもっとおおらかにやりたい。
だから確かに初心会バージョンの方が可能性を秘めていた。
でも、仕上げのレベルは製品版のほうがいいと思ってるんです。
やっぱり適度に遊ばせてくれたり、緊張感が欲しいというユーザーもいるわけで。
だから言ってることはすごく良くわかるし、将来の可能性という意味では良いと思うんやけど、それでは、商品として足りないと思うのね。
飯野:宮本さんのお仕事って、プレイヤーのいろんな行動に対して様々な答えが用意されているものだと思ってるんです。
だから水中で貝にやられる演出とか、絶対他とは違うんだろうなとか思って。
喜んで貝に突っ込んだり、わざと壁にぶつかったり落っこちたりしたんですよ。
そしたらしっかり同じようにダメージを食らっちゃって。
正直「あれ?」って感じがしたんです。
僕は宮本さんだったらアクアノートのさらに奥深いものができるんじゃないかという期待があって。
はじめはインタラクティブな部分が楽しいんだけど、やりこんだらそこに奥行きがあるみたいな。
そんな息が非常に長いゲームがあってもいいんじゃないかと思うんです。
それが今回のマリオでは感じられなかったんですね。
宮本:それは飯野さんとか飯田君(注2)とかが頑張ったら?(笑)。
きっとそういうものはこれから出てくるんだよね。
飯野:僕はマリオ64ってカメラがすごく優秀だと思うんです。
僕はCG屋でもあるので、カメラの位置については、自分なりの方法論や方程式をもっているつもりなんです。
マリオ64はそういう意味では良くできた、気持ちよくスクロールするサッカーゲームみたいな印象を持っている。
でもその中で唯一気になるのが、敵を投げ飛ばしたりとか、クリアしたときのカメラの位置なんですね。
ボスと戦っていたときの位置のままでカメラが固定していたり、倒したら余計にカメラが敵の方を追ってしまっている。
だから演出がだるい気がするんです。
漫画で女性のお尻を触ったときに、次のコマで、何するのよエッチ、ってビンタのあとが頬についているみたいな省略の技術というか。
クッパを投げてドカーンというときのカメラワークは、敵が落っこちているのを見せずに、煙だけ上がっている方が演出として面白いんじゃないかと思うんです。
宮本:ありがとう。そうだよね。正しいよね。
本来は星が出たところとか見せる気はなかったんだけど、それをどうしても見せないと解りにくいということで、無理やり今のシステムの中で見せる方法を考えたり。
いや、どんどん言ってください。参考になりました。
飯野:僕もマリオチームに入って、マリオを作りたいですよ(笑)。
宮本:入ったら(笑)。
カメラ結構ほめてくれるけど、ぐちゃぐちゃ勝手に動いて遊びにくい、俺が作った方が良いカメラができるって言うユーザーも多いんですよ。
わりと3Dのことを全然知らない人の方がカメラ面白いって言ってくれるんで、それはそれで良かったとは思っているんだけど。
飯野:絶対不可能ですよ。僕もカメラの位置って相当研究したんですね。
それが初心会で見たとき、すごいのが出てきたわと思って。
優秀な人が作るとこんなに凄い答えが出てくるんだと思って、びっくりしたんです。
長い
7 :
名無しさん必死だな:2009/12/03(木) 02:21:57 ID:eyVtHpE+0
終わり
1996年位のゲーム批評(笑)の増刊の対談だっけ?これ。
長いな
3行でまとめてくれ
同じピザvs宮本でも
岩田のと比べるとまあズケズケと
おそらく言われたくないだろうことまで言ってて面白いな
ガチ対談と宣伝活動の一環を一緒にしちゃいかんか
流石みやほんやねぇ
お前が作れよ としか
それが今では2Dか
ゲームってのは、作り始めは野心で溢れてるもんだ。
大抵はな。製品になって、お、これ新しい
なんて感じるゲームは、途中まではグデグデで
遊べるもんじゃ無かった可能性大
この頃の宮本なあ国宝指定してもいいくらい。
今の宮本は水曜日の朝にシール貼って出したいくらい。
nintendogsとWii fitで物足りないならSCEの開発部門は一体…
17 :
名無しさん必死だな:2009/12/03(木) 02:40:52 ID:H55ox6I20
節子、それこのスレちゃう
64が劇画チックでリアリティあるのか
ほんと感性豊か過ぎてついていけない
方法論だろ
この時期に、これをズケズケ指摘できたのは結構凄い気がするな。
今この対談を二人に見せながら、再び語って貰ったら面白い話になりそう。
ああでも、飯野氏はもう結構丸くなっちゃってるみたいだから面白みはないか。
こりゃ「ほめごろし」で批判してるねぇ
社長が訊くのお為ごかし見せられてもマニア的には面白くないからね
もっとヒートアップして怒鳴り合うぐらいの対談が見たいわけで
23 :
名無しさん必死だな:2009/12/04(金) 11:18:11 ID:E3laLhl30
短い対談だな
これで全部?
これゲーム批評の対談だろ
オレ持ってるぞ
これは一部だ
何が凄いって、飯野の感性からでた指摘を宮本が俺らにも分かるように噛み砕いてくれたこと
四コマ→劇画をマリオがゼルダに近くなってるっていうのはなるほどと思った。
2Dマリオのバカ売れを見ると3Dマリオにこだわってた任天堂はダメすぎる
飯野賢治の本だっけ
昔は3D酔というものがあってだなw
2Dが売れるからって3Dを開発しない方がよっぽど馬鹿
売れるからって似たような続編乱発して挑戦を止めたらいずれ飽きられちゃうよ
飯野「好みでなかったけど見栄えはスゴい。後味は平凡」
宮本「そうだね」
3Dマリオは順調に飽きられてたってことか
>>31 売れるシリーズが出来たからって似たような続編出し続けちゃ駄目ってだけの事よ
断じて今時100万近く売れるソフトの事は言ってませんよ
33 :
名無しさん必死だな:2009/12/04(金) 12:01:50 ID:ljkMkLtuO
宮本相手に臆せず本音をぶちまける人は貴重な人材。
>>15 そう思うのはゲヲタだけだから今の方がまだチャンスありそうだわ
>>34 というか、「自分が好きじゃないもの=悪・間違い」という発想を当たり前のようにする
オタクが本当に増えたよな。
>>35 いつからだろうなそれ
ヲタ趣味こそが、主流足り得ず反社会的ことは、俺は常に自分に戒めてるが…