1 :
ゴミ:2009/09/13(日) 19:21:41 ID:hEV4F3BY0
安記117年。
朝廷は腐敗し、天下は多いに荒れた。
賊は蔓延り、佞臣は民から搾取し、蹂躙し、好き放題だった。
幼帝は佞臣の傀儡に過ぎなかった。
ある日の朝、宛の大金持ちであるクタラギはついに
世を正さんと立ち上がった。
そして10億円の豪邸を売り払い、その金で憂国の士を集めて義勇軍を作った。
又、鍛冶屋に命じて良質の武具を大量に作らせて兵達に与えた。
裕福なクタラギ軍には、食料が大量にあった。
年貢を取られて餓えに苦しむ民達は、腹を満たす為にこぞってクタラギ軍に入った。
その数、およそ65万。
最新の装備に、腹の満たされた将兵。
意気の高いクタラギ軍は、世直しの手始めとして宛周辺にのさばる野党の群れを
またたく間に壊滅させたのであった。
うわぁ
わっふるわっふる
PS3と箱マルチでゲーム化決定だな
5 :
ゴミ:2009/09/13(日) 19:40:26 ID:hEV4F3BY0
宛周辺のみならず、許晶一帯の賊まで討伐したクタラギ軍は
民の絶大に支持を得た。
「このまま我が軍は北進し、陳留一帯を荒らす賊を討伐する」
クタラギの命を受け、兵達は怒涛の勢いで北へ北へと進んで行く。
クタラギ北進の報を聞き、誰よりも驚いたのは陳留一帯の盗賊を仕切る
大親分「蔵雹」であった。
軍を挙げて以来、盗賊を壊滅させて周るクタラギを恐れない賊はいなかった。
盗賊とはいえ、元は農民だったが食料を全て年貢として取られ、食うに困り
比較的豊かな町を襲うようになった者が大半で、大した武器も持っていない。
クタラギ軍と戦うどころか、食べ物があると聞いて義勇軍に加わる者も多かった。
6 :
ゴミ:2009/09/13(日) 19:42:27 ID:hEV4F3BY0
蔵雹のもとには、始め2000人は居たはずではあるが
クタラギの元へ参じる者が後を絶たず、今では500人ほどになっていた。
65万余対500では、戦にすらならない。
「仕方ない、わしもクタラギ殿の軍に加わろう」
蔵雹はついにクタラギに下る決意をした。
殺される覚悟を決めていた蔵雹を、クタラギは笑顔で迎えたのである。
この話を聞いた、別の地域を荒らしていた賊の頭目達も、
クタラギの器の大きさに大いに感じ入り、こぞって手勢を率いて参入してきた。
これによりクタラギの軍はいよいよ70万を越える大軍となったのである。
いいぞもっとやれ
「カオスブレイダー久夛良木」
2009年11月10日発売予定
対応機種 PS3/XBOX360/PC/DS
¥11,320(税込)
9 :
ゴミ:2009/09/13(日) 20:07:59 ID:hEV4F3BY0
多くの賊を瞬く間に一掃したクタラギを支持する民はますます増え、
現朝廷を廃してクタラギに皇帝になって欲しいと熱望する声が国中で挙がっていた。
これにより、朝廷を牛耳る宦官達にとってクタラギは大いに脅威となった。
今まで何度も民による反乱は起こっていたが、正規軍を繰り出せば即座に鎮圧できる
小規模なものばかりだった。
此度のような、個人で70万の軍勢を率いる者の出現は例がなく、どう対処して良いか
宦官や佞臣らにも分からなかった。
現在、陳留に拠点を置いているクタラギが西進してきて洛陽に攻め入れば守りきれるか分からない。
宦官らは連日寄り集まって対策を練っていたが、この事態が幼帝の耳に入る事はなかった。
10 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 20:11:22 ID:SPhhoSBf0
でもなんで中国?
11 :
ゴミ:2009/09/13(日) 20:15:03 ID:hEV4F3BY0
「クタラギに高い官職を与えて機嫌を取るのが最良じゃ」
「いいや、陳留の太守に命じて毒を盛らせて、早急に殺してしまえ」
「無駄じゃ、太守も民も揃ってクタラギを支持している」
一向に意見がまとまらない軍義が朝廷内部で幾日にも渡って続いていたが、
当のクタラギ自身は今後どうすべきかを決め兼ねていた。
このまま洛陽に攻め入るのは簡単ではあるが、現朝廷の権威に伏する者は
この大陸に未だ無数にいるのである。いくら民達が不満を持ってはいても、
400年間続いた朝廷の威光は絶対であり、皇帝の血脈は神聖不可侵なものとなっていた。
12 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 20:15:23 ID:p6JVMxNP0
>>10 中国っていつも乱世で、戦乱のたびに庶民がしにまくり、民族が滅び
幾つもの街が消え、人心は乱れ、人食がはびこり、悪鬼のごとき所業がまかり通り
非道がすなわち覇道となる
まさにSCEにぴったりだから
で、このあと革命により滅びる予定
中国は毎回歴代そうだから
非常に面白いです。
14 :
ゴミ:2009/09/13(日) 20:19:16 ID:hEV4F3BY0
これを廃して自ら皇帝を称すれば、クタラギは逆賊として永久に歴史に名を残す事となる。
又、朝廷側が正規軍を差し向けてきた場合、真っ向から対峙すればこちらも大打撃を受ける事は必至である。
いくら最新の装備で身を固めているとはいえ、こちらは降伏してきた野党を含め皆元は農民である。
相手は、調練を重ねてきた本物の兵士で、何十万人いるか正確な数字はつかめなかった。
結局はクタラギも朝廷側の出方を伺う以外になかったが、民を苦しめる宦官どもを廃して
佞臣から皇帝をお救いしたという大儀名分を得て、皇帝に次ぐ地位に着くのが最良だとは考えていた。
皇帝はあくまでも象徴としてのみ存在させ、執政させるつもりは無かった。
皇帝にしてみれば、天下がどう動こうと傀儡である事に変わりはないのであった。
15 :
ゴミ:2009/09/13(日) 20:59:36 ID:hEV4F3BY0
張号は、汝南に住む優しい農民だった。
面倒見が良く、困っている人間がいれば助けずには居られない性格だった。
小さい子供から老人に至るまで、町の者は張号を大いに慕っていた。
一方で、この町には張号と正反対に、皆から嫌われているヒライという男が居た。
非常に裕福な大商人で、本人が汗水流して働くという事がなかった。
いつも気難しい顔で書を読み、気が向けば杖をつきつき外を散歩に出る。
それだけならば良いのだが、すれ違う子供が挨拶をしなければ説教をし、
川で洗濯をしている娘の手つきが悪ければ説教をし、子供が泣き喚いていれば親子共々説教をする、
という具合だったので、誰もがヒライを鬱陶しく思い、向こうから近づくのが見えれば逃げるという具合だった。
16 :
ゴミ:2009/09/13(日) 21:02:36 ID:hEV4F3BY0
クタラギが挙兵してから暫く経ち、既に民心が集まっていると聞いたヒライは
ある日杖をつきながら張号の家へ訪れた。
張号は突然の来客に驚きながらも、丁寧にヒライを中にいれて貧しいながらも精一杯もてなした。
ヒライは満足そうに頷き、「小僧、貴様を天下へ羽ばたかせてやろう」と言った。
「いま、クタラギという富豪が義勇の兵を挙げたのは知っておるな。
貴様も募兵し、すぐにクタラギの元へ馳せ参じよ。ワシが見込んでいた貴様なら、必ずや昇りつめるであろう」
この嫌われ者からの、突然の進言に張号は戸惑った。一介の農民である自分に、何ができようものか。
「人望ある貴様にしか出来ぬ仕事なのだ。この国の動乱を、その手で終焉させよ。今こそ好機なのだ」
張号は、あまりにしつこいヒライに何時間も説得されて仕方なく従った。従うまで帰りそうになかった。
17 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 21:03:00 ID:95chLWBMO
なんか良スレっぽい雰囲気を感じます
18 :
ゴミ:2009/09/13(日) 21:05:24 ID:hEV4F3BY0
町へ出てヒライに書いて貰った看板を立てると「張号挙兵す」の噂は瞬く間に広まった。
町中から張号を慕う民達が名乗りを挙げた。
「それがしにこれほどの人望があったとは」一番驚いたのは張号本人であった。
「わが目に狂いはなかった。ただいまより、このヒライもお仕えさせて頂きまする」
ヒライはその場で傅いた。「あの高慢な大富豪ヒライが傅いた」それだけで人々は、張号に崇敬の念を抱いた。
張号は夕日を背にしており、神々しいまでの後光が差していた。
まるで、天へ羽ばたく鳳凰の翼のようであった。(つづく)
カオスブレイカーと聞いてきました。
エロフは俺の嫁
20 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 21:06:26 ID:95chLWBMO
スゲーw
おもしろい!
21 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 21:08:29 ID:SPhhoSBf0
すばらしい
>>18 ちなみに今「カオスブレイダー」でググると、このスレが検索結果のトップに来ます。
セガはいつ出てきますか?
23 :
名無しさん必死だな:2009/09/13(日) 21:33:17 ID:v/ONIq320
昔のエロアニメみてーなスレタイだな
クタタンが自慢のZでお出まししちゃいそうだぜ
クタタンのスレがあったので飛んできました
26 :
ゴミ:2009/09/13(日) 23:12:22 ID:hEV4F3BY0
クタラギは、ついに洛陽へ進軍する決意を固めた。
「わしが直々に率いた70万の軍が、怠惰に怠惰を重ねた朝廷軍などに敗れる筈もない。
それに、賊相手とはいえ、連勝を収め勢いに乗っている今が最も兵の士気も高い」
確かに度重なる勝利は兵達の士気を高めたが、しかし同時に慢心も引き起こしていた事にクタラギは気付かなかった。
また、徐々に広がり始めた疲労感にも気付かなかった。70万という異様なまでに膨らんだ人数では、
わずかな変化に気付くのは不可能に近かった。
続きを‥はやく‥
保守
29 :
ゴミ:2009/09/14(月) 18:38:29 ID:BbN+FLUG0
決戦前夜、クタラギは兵糧を大いに兵に振る舞った。
翌日、クタラギは出立し虎牢関の30里手前で陣を張った。
虎牢関は厳重に閉ざされており、朝廷正規軍の旗がいつくも靡いていた。
「この程度で、我が軍を防げると思うな」
クタラギは鼻を鳴らすと右手を高々と掲げた。突撃の合図である。
先鋒の兵が城門へ突撃していったが、城内から反撃の矢が雨のように降ってきた。
「この程度の矢で怯むな。すぐに城門を打ち破ってくれる」
だが、衝車が運ばれてくる事になっているものの一向に現れなかった。
「何をしておるのだ!早く衝車を運ばせろ。先鋒には梯子をかけさせてさっさと城内へ突入させろ!」
クタラギは怒鳴ったが、何故か攻城兵器は一向に輸送されない。
ゲハはsage保守って有効なんだっけ?
31 :
ゴミ:2009/09/14(月) 22:06:24 ID:BbN+FLUG0
その時、左右の遊撃部隊として使っていた元盗賊の軍が反転して一斉にクタラギへ襲い掛かってきた。
「気が触れたのか。敵があちらぞ」
クタラギは剣を引き抜き、襲いくる元賊を切り裂き、拳で打ち砕き、足で蹴倒し、何とか馬に飛び乗った。
「待てクタラギ!貴様を殺せば、一生遊んで暮らせる金が貰えるんだ」
「朝廷に仇なす逆賊め、死ね」
既に宦官達は裏で手をまわしていたのだった。
裏切ったのは盗賊あがりの部隊ばかりで、宦官の放った間者が軍内に入り込み元賊の頭目達を買収していたらしかった。。
下卑た男どもは、大金の価値が付いたクタラギの首(しるし)を狙って襲いかかった。
「すわ、既に敵の姦計にかかっておったか。一時退け」
クタラギは大慌てで退却を開始した。
32 :
ゴミ:2009/09/15(火) 00:07:44 ID:c/9nMj1G0
先鋒の部隊は、城内からの攻撃と裏切り者の不意打ちを食らい壊滅した。、
背を向けた途端、今までの厳重な防御が嘘のように敵兵は打って出てきた。。
陳留に退却するまでに、嫌という程追撃に遭ったクタラギ軍は大打撃を受けた。
70万を越える大軍が、20万にまで減るほどの大敗を喫した。
挙兵して以来初めての敗北で、しかもこれ以上無いほどの大敗を味わったクタラギ軍は、
恐怖と疲労が蔓延してしまい虎牢関を抜くどころではなくなってしまった。
33 :
名無しさん必死だな:2009/09/15(火) 09:27:46 ID:QgWtYwN90
一旦あげまーす
34 :
ゴミ:
追撃の手は、ついに陳留にまで迫った。
防戦はクタラギの性に合わず苦手だったが、恐怖感に蝕まれた今の軍では
打って出ても勝ち目は薄い。
クタラギは兵のみならず、陳留の全住民に命じて城壁の強化を行わせた。
問題は、萎縮してしまっている兵達である。
大軍であればある程、士気の上下というものは伝染しやすい。
逆に一度息を吹き返せれば、まだまだ戦えるはずだった。
再び優勢にまわれば、朝廷に不満を持つ者たちが募兵に応じやすくなり手勢も増える筈である。
ここが正念場だった。