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知的障害者被告の更生支援、検察も理解示す :
窃盗目的で民家に侵入したなどとして住居侵入罪などに問われた、
知的障害がある女性被告(33)(神戸地裁尼崎支部で審理中)に、
福祉関係者らが寛大な判決を求めて支援を進めている。
公判で詳細な支援計画書を提出して周囲の支えによる更生の道筋を示し、
検察側もこれを踏まえて求刑を罰金50万円にとどめた。
判決は28日。罪を犯した知的障害者の処遇方法に一石を投じる先例になりそうだ。
被告は2007年1月、兵庫県尼崎市で自転車の風よけに
ライターで火を付けた器物損壊罪と、同年2〜10月に同市内の民家3軒に侵入した
住居侵入罪で同年12月に在宅起訴された。
被告は10代の頃から公衆電話の釣り銭を盗むなどの非行を重ね、
成人後も放火などの罪に問われ服役したが、更生に向けた専門家の指導を受けたことがなかった。
検察側は今年8月の論告求刑公判で、「悪質な犯行で再犯の可能性も高い」と厳しく指摘する一方、
支援計画に理解を示し、「福祉サービスの援助の下で生活設計を図るべきだ」と、懲役刑を求めなかった。