おお、なんという。このような老いぼれの話が聞きたいと。はっはっは。嬉しゅう御座いますな。
では何から話を……やはり王国の話で御座いますかな? 違う? ふむ、王国ではない昔話ですか。
さすればセガ幕府の話を……おお、そうでしたか。元セガ民の方にこの話をする必要は
御座いませぬな。申し訳ない、申し訳ない。
では、私が従軍していた軍の話を、させていただきましょう。
かつてスエオキ大陸のほぼ多数が王国によって支配されていたころ、それでも辺境で王国の
支配を良しとせず、セガ幕府が立ち上がっていた頃はご存じでしょう。
あの頃はとても平和でしてな。王国と幕府がにらみ合うといっても、それは表向きの話。
セガ民が王国に遊びにいくことも自由でありましたし、王国民がセガ幕府のお祭りに参加することも
珍しくなかったのですよ。今では信じられないことですがな。
……そこにもう一つ、新しい勢力があったのですよ。王国の外ではなく、内側に。
名は、NEC教団。王国民でありながら、NEC教団員であったわけですな。彼らは、王国民と
非常に上手くやっておりました。主神「シュー・ティングゲー・マー」を崇め、決してそれを
過度に外へ広げることなくやっていたため、当時の王国の宰相ヤマウチの怒りを買うことなく
平穏な生活を過ごすことができたのです。教団の発足にあたって、先ず宰相の許可を取りに
行ったのが上手くいったのでしょう。
幾年かの歳が過ぎ、王国が軍の再編を行おうとするころでしたか。FC軍から、SFC軍に変わろうとする頃…
この頃から、教団は自主自立を言い始めたのです。セガ幕府を超える勢力を持ってしまったのが
裏目にでたのか、それとも王国を打倒する意志が本当にあったのか、今となってはわかりませぬが。
王国民となるか、教団員として生きるか。
当時の混乱ぶりはよく覚えております……。
そう、それで私は教団員として生きることを決めたのです。そこで私たちは初めて見る鎧を渡されました。
いまではもう、珍しくはないでしょう? CD-ROM兵装で御座いますよ。王国と正面から戦うため、教団は
世界ではじめて、CD-ROM兵装を用意したので御座います。
かの鎧は素晴らしい鎧でありました。使い方はそれこそ、クセのあるものではありましたが…
世界各国から傭兵が志願しに集まり、イースT・U将軍のもとには、まだ鎧が25万着しかできていない頃に
35万人もの兵士が集まったのです。どうです? 珍しいことでしょう。
……ただ、その鎧が問題となったのです。
あまりに華麗で、華美で、素晴らしい外見をしていたため、それを身につけた女性将軍みたさに、
あまりよろしくない傭兵たちも集まってきてしまったのです。
主神「シュー・ティングゲー・マー」の加護は薄れ、代わりに終末神「ハ・イジン」破壊神「キモオタン」
の加護が強くなりました。
それでも天外魔境将軍、イースW将軍、風の伝説ザナドゥ将軍らが奮起し、戦いを進めていきました。
……はっはっは、懐かしいですな。思わず古傷がうずきますよ。……皆、よき将軍でありました。
今でも従軍したことを後悔などしておりません。彼らと戦えたことは、私の誇りでありますよ。
おっと、どこまで話を進めましたかな。よろしくない傭兵の、あたりでしたかな。
CD-ROM兵装が行き渡ったころですな。ちょうどその頃でありますよ。今の共和国が、カデン大陸から
乗り込んできたのは。セガ幕府も軍を再編し、SS兵団と名乗るようになりましたな。
王国はたしか、64兵団とか…。申し訳ないですな。そのころの王国と幕府にはとんと疎い物でして。
当然、我ら教団にも再編の必要がでてきたのです。そのとき渡されたのが、FX兵装でありました。
外見はそれこそ、立派なものでありました。初めてCD-ROM兵装を見たときと同じ衝撃がありましたな。
しかし残念なことに、性能はSS兵団の鎧、PS兵団のそれとは、比べものにならないものでありました。
なにせ、その鎧を作っている装甲は、前のCD-ROM兵装と同じ物だったのですから。
FX兵装とはつまり、見てくれをかえたCD-ROM兵装だったのです。当時の私達には気がつきませんでしたが……。
戦いにはなりませんでした。一方的にやられていくだけです。武器に圧倒的な差があったのです。
領土が半分以下に削られた頃、教団の上層部も戦いの実体にようやく気がついたのですな。
傭兵をあつめるために、広告塔を掲げたのです。
あろうことか、13歳の娘を。
その娘を傭兵の前にさらけ出し、士気を高める材料として使いました。すでにまともな傭兵は、
ほとんど教団から去っておりました。いたのは、その娘に狂乱するキモオタン崇拝の傭兵と
私のような去るタイミングを失い、しがみついていた情けない教団員だけで御座います。
かつてのライバルであった王国民からは視線すらなげられず、セガ民からは侮蔑の言葉を投げられ、
SCE共和国は……もっとも無慈悲でしたな。FX兵装の最大の能力である「動画再生」を
PS兵装でそっくりそのまま実現し、攻撃してきたのですから。いや、私達がうかつだったのです。
共和国は、悪くはありません。それが当然なのです。
私が最後に従軍したのはルナティックドーン将軍であります。彼とニルゲンツ将軍は、私達逃げ遅れの
教団員の、最後の良心だったのかもしれませぬ。
そこから先の歴史は……おわかりでしょう。共和国の繁栄と、幕府の終焉。王国の復活と…皆の知るとおりであります。
ただ、ただ情けないのは、教団上層部が未だにキモオタン崇拝を止めず、今では共和国にて
傭兵を募っていることであります。もう、今では何を言っても手遅れなのではありますが……。
これで私の話はおわりです。どうです? つまらない話であったでしょう?
……ふふ、世辞でもそう言ってくれると嬉しいですな。
え? ……その広告塔の娘、でありますか? ふむ、珍しいですな、そのようなことを聞かれるお客は。
よろしいでしょう、話のついでです。
今では、PC大陸本国の売春宿で、客引きをしているそうですな。
−終−
MCD兵装やCDROM2兵装で出撃した女子なんて・・・
あれ、誰か来たようだ
ロ、ロルフィーのことかぁぁぁぁぁぁあああ!!
>>52 財政が困窮し、かつての女将軍まで売春宿に叩き売ったテレネット傭兵団か?
どうやら国は滅んだようだが、もっと早く滅びてしまえば良かったものを。