うえ〜ん、■がつぶれちゃうよ〜!【その70】

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567名無しさん必死だな
いい作品だが150億円かける必要は無い。興行的には大失敗したが、フルCG映画の記念碑的作品になるはず。AKIRAや攻殻機動隊のように長いこと影響を与える作品。

死者の生命が遍在するという日本的宗教観を独創的な視点から斬新に描いた。観客を飽きさせない程よいアクションも好印象。 ただ、坂口監督の圧倒的想像力に観客がついていけなかったと思われる。
映画を評価する際の3本の柱、つまり、テーマが明確で、無駄な性・暴力表現が無く、リアリズムに基づく、という3点については全て合格。ただ4本目の柱である「脚本」の弱さが残念。
568名無しさん必死だな:03/12/22 12:24 ID:fIqbw37j
坂口は「死が単なる“終わり”なら心はどこへ行くのか。それを映像で語ろうと試みた」と言っているが、死後の人間の生命がどうなるかを全く描いていない(死ぬ瞬間はどうでもいい)。
ファントムは何故すべてモンスターなのか?もっと人間の死に重点を置けば「生」が前面に出た。グレイを含め仲間達の死に重みを感じた人はいないはず。

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興行的失敗の原因は、150億というコストが高すぎること、アメリカ人には話が難し過ぎることの2点。坂口監督の職人気質が裏目に出た。


(1) 声優はノーギャラで若いのを使えば十分、CGは顔のシミや鼻毛まで描く必要は無い。「認識が対象を決定する」 ので、人間の認識は興味のある対象を選び取るから、顔のシミや人物の背景など視界に入らない。
写真やビデオが発展しても絵画が滅びないのは、「認識が決定した対象」だけを描くからだ。
569名無しさん必死だな:03/12/22 12:28 ID:fIqbw37j
(2) 生命が遍在するという考えは一神教には存在しないので説明が必要。「梵我一如」はキリスト教徒には理解できない。一番まずかったのが「ファントム」をモンスターにしたこと。
これよって「生命の価値」という中心テーマが致命的に後退 (敵は宇宙人を適当に当てておけば十分)。


(http://query.nytimes.com/search/full-page?res=980DE5DB1E38F932A25754C0A9679C8B63)
ここに書いてあるとおり、難しすぎてアメリカ人に理解できなかったことが明白。150億かけるなら、もっとレベルを下げて「善と悪の対決」「アキの裸体」を入れるべきだった。

脚本の弱さによって普通の作品になってしまった。ただ、非常に野心的な試みであり、わかる人にはわかる作品なので、失敗に萎縮せず次回作に挑戦して欲しい。