悪あがきソニー

<日経>◇三洋電機・ソニー、リチウムイオン電池初の値上げ

　三洋電機とソニーはそれぞれ、携帯電話やノート型パソコンに組み込む充電式のリチウムイオン電池
の納入価格を今春から値上げする。上げ幅は業界首位の三洋が平均8％、2位のソニーが10％前後。
両社合わせて世界で月6000万個強を供給しており、最終製品を作るメーカーの業績へのマイナス要因
となる。年初からの素材市況高騰が製品価格にも波及し、値下がり続きだったデジタル製品の価格に変
調をもたらす可能性もある。

　リチウムイオン電池は携帯電話や小型パソコンの電源として現在主流になっている。電極に使う主原
料のコバルトの市況が急騰し、生産合理化では吸収できなくなった。三洋は同電池で世界シェア約40
％を握るトップメーカー。ソニーは20％弱で三洋を追う。
両社はこのほどノキアやモトローラ、ＮＥＣなど国内外の主要顧客に値上げの事情説明を始めた。三
洋は3月にも新規契約分から新価格を適用する。

ソニーはノートパソコン用で10％以上、携帯電話用で8％以上の値上げを求め、
4月にも新価格を適用する見通し。取引量などで異なるが、メーカー向け
の納入価格は携帯電話で1個1500円前後とみられ、このところ毎年20％前後ずつ下落していた。

コバルトの国際価格は1月で1ポンドあたり28ドル。2002年平均の3.9倍、2003年平均でみると2.5倍の
水準にまで高騰している。価格急騰の原因は「投機的な要因」（ソニーの中川裕上席常務）という。こ
のため三洋では「生産合理化では吸収できない、利益を出すには限界水準」（幹部）。ソニーも現行
価格を維持すれば赤字に転落するもようだ。

　完成品の製造コストに占める電池の割合は、携帯電話の場合で10％程度。仮に完成品メーカーが電
池の値上げ分を消費者価格に転嫁しなければ、利益の大きな圧迫要因になる。

　三洋電機の2003年度のリチウムイオン電池の生産能力は月産4400万個の見通し。ソニーは同約20
00万個。中国ＢＹＤがソニーと世界シェア2位を争い、韓国サムスンＳＤＩや松下電池工業が続く。各社と
もコバルト高騰によるコスト上昇に苦しんでおり、両社に続き一斉に値上げする可能性が高い。

発表>◎共信テクノ、ソニーマーケティングなど２社と電子機器販売の合弁会社を設立
発表日：2004年2月23日合弁会社設立および営業の譲渡に関する検討開始のお知らせ

　当社は、このたびソニーマーケティング株式会社および株式会社インターソリュ
ーションズとの間で電子機器販売を目的とする合弁会社の設立ならびに営業譲
渡の可能性について検討を開始する事で合意に達しましたので、お知らせいたします。

http://www.kytec.co.jp/pdf/040223_01.pdf