学校を卒業して志水と日野の同棲生活が始まった。芸術肌の志水は仕事もせず
毎日、作曲作りに励んでいる。日野は近くのお弁当屋で働き生活を支えていた。
「あんた、若いのによく働いてくれるよねー。これ賞味期限が過ぎたお弁当だけど
持っていきなよ。お腹空いてるんだろ」
「ありがとう御座います。毎日、残り物を頂いて助かります」
日野のパートのお金では家賃だけでもカツカツで食費までは手がまわらないのである。
「あっ日野先輩?お久しぶりです」
日野の目の前には、可愛いピンクの浴衣姿の冬海とスーツ姿の柚木が立っていた。
「冬海ちゃん・・柚木先輩・・」
セレブオーラを放っている二人に比べ日野の格好は色あせたシャツとボロボロのジーンズとサンダル
日野は惨めになってきた。
「日野さん、冬海さんの浴衣可愛いでしょ?これは僕が見立ててあげたんだよ
これから二人で僕の誕生日を祝うんだ。二人だけのパーティーさ」
「柚木さんは和食がお好きなので私一生懸命作りました」
「冬海さんの手料理は本当に美味しいからね。あれ?日野さんそれ今日の夕食?」
「あっ・・うん。志水くんお弁当屋さんのお弁当好きだし・・その」
「フフフたまには手作りを作ってあげたらどうだい?それとも材料を買うお金が
無くて余り弁当を貰ってきているとか」
真実を見抜かれドキリとした。
「あの柚木さんそろそろいきませんか?」
「ああそうだね。日野さん、さよなら。賞味期限切れのお弁当美味しく食べるんだよ」
※
>>467さんのリクで水日、柚冬です。志水くんは大器晩成なので日野は
今は貧乏生活ですが、あと20年後にはセレブになっていると思います。