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B香織ちゃんに今日の通し稽古の状況を聞いてみる
(そうだ。今日の通し稽古の状況はどうだったんだろう)
私は自室に戻ると、携帯電話を手に取った。
急な用事でもないし、メールの文字を素早く打っていく。
『今日は最後の稽古に参加できなくてゴメンね。
ところで、通し稽古はきちんと時間内に終われたんだよね?』
「送信っと。そうだ……今のうちにお風呂はいってこよう」
ゆっくりめのお風呂に入って、パジャマに着替える。
自室の戻って携帯を確認すると、香織ちゃんから返信が来ていた。
『落ち込んでだみたいだけど復活したみたいだね。(よかったよかった)
最後の通し稽古だけど、無事に時間内に収めることができたみたい。
私って緊張しない性質だと思っていたけど、今更になって主役の重圧感じてきたかも。
明日私がポカやらかして落ち込んでたら、今度はアンタが慰めてよ?』
(そっか。さすがの香織ちゃんも緊張するんだね)
『もし香織ちゃんが失敗したら、私の胸を好きなだけ貸してあげるよ。
それじゃ明日、学校でね』
香織ちゃんに返事のメールをして携帯を閉じる。
壁の時計を確認すると、いつの間にか10時をまわっていた。
(少し早いけど寝ようかなって……アレ?)
部屋の電気を消そうと何気なく伸ばした右手に、いつもと違う異変を見つける。
伸ばした指先が薄っすらと透けているように見えたのだ。
(何…これ?)
目をこすってみたけど、やっぱり向こう側の様子が見えるくらい透けている。
第一関節の人差し指と中指、薬指が、まるで霞んだ様に消えかかっていた。
左手を見ても、同じように消えかかっている。
私は……
@きっと疲れているだけだし気にしない
A春樹くんに連絡してみる
B隆に連絡してみる