選択肢を選んで1000レス目でED 5

このエントリーをはてなブックマークに追加
18929
@ここから逃げ出す

(もしかして……私すごく目立ってる?)

ぐるりと見渡すと、ざわめきが更に大きくなっていく。

「ネェちゃん! すごい芸じゃないか!」
「綺麗だったぞ! 思わず見入っちまった!」
「やるねぇ、さすが大将が見込んだ女だ!」
「俺にも酒の酌してくれ!」
「女だ! 久しぶりの女が居る!」
「こっちへ来いや。かわいがってやるからよ!」

賛辞とも冷やかしともつかないざわめきは止むどころか、どんどん大きくなっていく。
舞を披露しているときは集中していて周りが見えていなかったけれど、こんなにも大勢の人たちに見られていた。
状況を把握した途端、手が震えて持った鈴を落としてしまった。
段々恥ずかしくなって、顔が熱くなる。

(無理。たくさんの視線に晒されるのはやっぱり無理無理無理無理無理)
私はダッシュで宴会場の中心から逃げだす。
何人かの兵士達は私を追いかけようと立ち上がった。
けれど立ち上がったのは酔っ払いばかりで、フラフラの千鳥足だった。

(よし、これなら私にも撒けるかも)

そう思って走っていたけれど、さすが百戦錬磨の屈強な兵士の人たち。
私との距離が少しずつ縮まっている気がする。
とにかく無我夢中で走り続ける。

(やだ、やだ!もう追ってこないでってば!)
(酔っ払いの相手なんて絶対嫌だよ!)
(近寄るな! ケダモノ! ヘンタイ!)


「ハァ、ハァ、ハァ……ッ」
ガバッとベッドから起き上がり、私は目を覚ました。
今まで全速力で走っていたように、すごい汗を掻いている。
肩で息をしているし、心臓が飛び出しそうほど高鳴っている。

「なんだ夢……。ていうか私、どんな夢をみていたんだっけ……?」

@覚えている
A覚えていない