乙女@QuinRose(クインロゼ) アンチスレ105
※役不足
主に、説教と、愚痴だ。[br]
頼りないだの、役不足だの。
ようは、私では不満らしい。
「な……何を……」
「……な、何を聞かされました?」
「聞かされたっていうか、たいしたことじゃないんだけど……」
「…………」
「……?」
「……それ、どうしたの?」
マーシャルは、珍しく着乱れている。[br]
……私はまだ何もしていない。
(ま、まさか、浮気……)
浮かんだ可能性に、衝撃を受ける。[br]
まさか、そんな。
(そ……)
(そ、そんな甲斐性あったのか、こいつ……)
(侮れない……)
(いや、私、頼りなくて役不足らしいから……)
(……あ、まずい)
……悲しくなってきてしまった。
※愛憎の裏返し
「兄弟喧嘩をしないどころか……命を狙うような仲だ。[br]
修復など不可能な兄弟仲に成り下がった」
(喧嘩しないなんて約束は、最初から、エドワルド様は守る気がなかったと思いますよ)
一つの王座に、二人は座れない。[br]
一子相伝の帝王学を学ばされたエドワルドは、そのことを叩き込まれている。
「……俺は、あいつを許さない」
この人がエドワルドを憎むのは、裏切られたと感じているからだ。[br]
つまり、今でもエドワルドを弟だと思っているからこその……。
愛憎の、裏返しだ。
信頼していて、裏切られたから憎む。[br]
殺してやりたいと思って、本気で行動も起こすが、そのくせ本気で心配してみたりもする。
他の人間にエドワルドを殺されれば、ジャスティンは感謝するどころか復讐するだろう。[br]
自分の手に掛けても後悔する。
彼は、成長していない。
※パッシング
「前例がないわけじゃない」
「使用人と恋に落ち、結婚した貴族?[br]
そりゃあ、いますけど……」
「あたりは相当キツかったでしょう」
それらは例外なく、問題になったはずだ。[br]
身分違いの結婚は障害だらけで、周囲からのパッシングもすさまじい。
下位の貴族ならまだ許されたかもしれないが、侯爵ほどの身分の者がすることではない。
「だが、やり遂げた者もいる」
「君以外とは結婚しないと言って、強い姿勢を崩さなければいいんだ」
「そうすれば、周囲だっていずれ折れる。[br]
不可能な話じゃない」
独身の跡継ぎというのは身分違い以上にあたりがキツイ。[br]
彼の言うことは、たしかに不可能ではない。
「…………」
だが、ブライアンは一度周囲の反対に屈している。[br]
結婚話ではなく、将来の進路のことで。
使用人との結婚は、学者になるよりも更に困難だ。