1 :
名無しって呼んでいいか?:
私は早乙女名無子。剣道部の主将で高校二年生。
先日の全国大会では見事2位を獲得し、自分で言うのも何だが結構充実した日々を送っている。
朝練を欠かさない私の起床は早い。ところが今日は目覚ましがなる前に目が覚めてしまった。時計を見ると、いつもより1時間も早い。
1.このまま朝練に行く
2.家の周りを散歩してみる
3.目覚ましがなるまで寝る
2.時間があるなら散歩してみよう。なにか発見があるかも
交差点に差し掛かったとき私は聞いたことのある声を耳にした。
「よー名無子!珍しいじゃんこんな時間に」 幼馴染で同じクラスの赤澤だ。
私「おはようー赤澤、そっちこそ珍しいじゃないか。部活には入ってないと思ってたけど違ったのか?」
赤澤「陸上部の助っ人頼まれてさぁ、鍛えてんだよ。買ったら学食のカレー死ぬほど食っていいんだってさ!」
赤澤「まぁでも朝は苦手なんだけど。」そういうと彼は大きな欠伸をして眠そうに目を擦るとにっこり笑った。
私が彼の笑顔に朝から癒されていると、彼が突然前方を見て時が止まったように固まってしまった。
私が不思議に思い彼の視線の先を追ってみる・・・すると。「おい、ちゃんと皆で一列に並ばなければ駄目ではないか、子供達よ。いいな、赤信号も皆で渡れば怖くないと言うだろうが。」
何故か交差点で交通横断の旗を持ち子供達を誘導している若い男。そう、私達の担任金河先生の姿がそこにあった。
私「みんなで渡っても赤信号は止まれです!いたいけな子供に嘘を教えないで下さいよ」
金河「ん?おぉ、赤澤に早乙女だな!」私「はぁ、先生、こんな朝っぱらからこんなところで何をされてるんですか?」
金河「見て分からんのか、交通規制だ。」私「え、誰か父兄の人にでも頼まれたんですか?」金河「いや、全然。」
遠くで父兄らしき人が固まってこっちをチラチラうかがっているのが見える。どうやら不審者かどうか疑われているみたいだ。
赤澤「先生どうして急にそんなことはじめちゃったの?早起きなんてらしくないじゃないっすか!」
私「ちょ、赤澤っこの人に理由とかそういうのないよ、絶対!」私は赤澤にコソコソ話す。
そう、金河先生は2ヶ月前に前の先生の代わりで突然やってきた。モデルのようにすらっとした手足に顔は見た通りの美形、当初は随分騒がれもしたが。中身は大層な変人だった。
金河「よくぞ聞いてくれた!」 金河は大きな手で赤澤の両肩をつかんで正面から迫る。「この辺に不審者が出るって聞いて、ボランティアに乗り出したんだ」
アンタが一番不審だよ、と思ったが、ギラギラした雰囲気に飲まれてしまい、生返事だけをした。赤澤も「顔が近いっすよ」と言って嫌がっている。
しかしな・・・と金河先生はため息をついた。「中々見つからんのだ。俺はこの一週間朝3時起きでこのあたりをウロついているのだが。話を聞こうと道行く人に声をかけても何故か逃げられてな。」
そう言うと、先生は金河先生はガックリと肩を落とした。私は・・・
1.先生を励ます
2.この場は赤澤に任せて帰る
3.こんなときこそ、あの人を呼ぼう!
1、私「先生、だttら問題ありません、たぶんその変質者は先生のことであって・・「おぉ、そうか。早乙女手伝ってくれるのだな!赤澤も!」金河先生はバシバシ私達の肩を叩くと「ならば放課後職員室に来てくれ!重大な話がある。」
ではな、キラッと効果音つきで笑うと先生は持ち場に戻って行った。残された私と赤澤は一気にブルーになりながらも一緒に学校に行くことになったのだった。
赤澤「なぁ早乙女、先生の重大な話って何かな?」私「きっとろくな話じゃないことは確かだね・・・。」
とつぜんオプーナが乱入!
|┃三 / ̄\
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|┃ \_/
ガラッ. |┃ |
|┃ ノ// ./ ̄ ̄ ̄ \
|┃三 / ::\:::/:::: \
|┃ / <●>::::::<●> \ WiiのRPG王に、俺はなる!!!
|┃ | (__人__) |
|┃三 \ ` ⌒´ /
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学校へ着くなり、赤澤は陸上部の子たちに囲まれてしまった。私も道場へ行こう。
道場に入ろうとするともう既に練習を始めている人がいた。
(私以外でこんなに早く来るのは・・・彼しかいない。)
「先輩!おはようございます!!」うちの部の後輩、碧山君だ。朝日に色素の薄い髪が透けてキラキラしている。
私「偉い、碧山君!最近毎日朝練来てるじゃない!」私は自分よりも少し背の高い彼の頭をワシャワシャ撫でた。
碧山「だ、だって先輩みたいなすごい人に稽古つけてもらえるなんて、夢みたいで寝てられないです!…あれ、何か変ですね」そう言うと彼は少し赤くなった。
碧山「髪ぐちゃぐちゃになっちゃいましたね、エヘヘ。」照れたように笑う彼は部内でも人気の一年生だ。部活に対する態度も真面目で剣道の実力もある。
碧山「あっ僕、突きの練習してきたんです。見てもらえませんか?先輩の練習のお邪魔でなければ」
私「いいよ。すぐに着替えて準備してくるから、ちょっと待ってて」 私は更衣室に駆け込むと、いつものように剣道着と防具を身に着けて道場に戻った。
ふと入り口付近に目をやると・・・
1.碧山君が誰かと話し込んでいた
2.金河先生が慌てて飛び込んできた
3.素行のよろしくない黄島君が立っていた
3.素行のよろしくない黄島君が立ってこちらを眺めている。 黄島「早乙女ってお前?学校の有名人らしいけど」
私「そうだけど、なに?」 私が答えると、黄島くんは「べつに」と笑った。「ただ、今度の大会の一回戦、俺の従姉妹が相手らしいから」
私「さっきかららしいらしいって、ハッキリわかってから言ってくれる?」 私はまっすぐに彼の目を見て言った。
黄島「ふ、ふーん。ずいぶん気の強い女らしいな」
黄島「お前後で後悔するぜ、俺にそんな態度取ったことをな。」へっと笑いながら振り向きざまに捨て台詞を吐いた黄島君はその瞬間私の視界から消えた。
どうやら剣道場の階段を踏み外してそのまま落ちたらしい。格好をつけてポケットに両手を入れていたせいで受身もとれなかった彼は顔面から地面にのめりこんでいた。
碧山「なんですかあの人!先輩に向かってずいぶん失礼な人ですね。すごくケンカっぱやいらしい・・・あ、すいません。・・・すごく、ケンカっぱやいんですって!」
「ケンカっぱやくて悪かったな!」突然起き上った黄島君に碧山君は「ギャーッ」と悲鳴をあげた。
私「碧山君、黄島について何か知ってるの?」
碧山「あ!ハイ、えーと。黄島剛、2年D組。6月6日生まれ、血液型はAB。昔ボクシング部で、1年の終わりに退部してます」
黄島「・・・んだ、コイツ。人のこと勝手に調べてんじゃねーよ。気持ちわりー奴だな」
「よくできました」私はまた碧山君の髪をくしゃくしゃにしながらなでた。碧山君はへへへ、と笑い満足そうだ。
碧山「あいたっ!」 黄島君が碧山君の足を蹴ったのだ。 私「ちょっと、何すんの!」 黄島「俺は誰かに詮索されんのが嫌いなんだよ。べらべら喋りやがって・・・当然の報いだろ」
そう言うと、黄島君は道場を出て行った。 私「大丈夫、碧山君?」 碧山「あはは・・・平気ですよ。そんなに強く蹴られたわけじゃないし。黄島先輩の気持ちもちょっと分かるし・・・」
私「詮索されるのが嫌いとか言って、ちゃっかり自分は私の偵察に来てるじゃない!まったく正々堂々かかってきなさいよ!」私が興奮してまくしたてていると、チャイムが鳴った。
私「いけない!じゃあ放課後ね」 碧山「ああっ!稽古つけてくださいね。僕が最初ですから、忘れないでください!!」私たちはバタバタと道場を後にした。
慌てて教室に飛び込んでみるも、まだ担任は来ていないようだった。遅刻しなかったことにホッとする私だったが、HR終了のチャイムが鳴っても担任は姿を見せなかった。
「…んー、HR終わったのか。先生なんだって?」 起き上がって赤澤が首をボキボキならして言った。
私「もー、朝っぱらから寝ない。先生来てないよ、どうしたんだろうね」 赤澤「だって朝から練習ですっげ走って・・・ん?先生来てないのか。なんだ」
そう言って赤澤はまた眠ろうとしたので、私は肩をゆすって起こした。「ちょっとちょっと!一時間目の先生来ちゃうよ!」この人は弁当と体育以外には興味がないらしい。
クラス女子「何言ってんの、名無子。一時間目は移動教室だよ」 私「えっ?そうだっけ」 手早く授業の準備をして、教室を出た。
1.音楽室
2.科学室
3.視聴覚室
2.一時間目は科学。科学室に行かなくちゃ!
科学室前で、金河先生と誰かが話し込んでいる。…あれは、生徒会長の蒼井君だ。なにやら深刻そうな顔をして、私たちが近づいたのを見ると、さっとその場を離れた。
蒼井君は二年生で生徒会長として立候補し、見事その席を射止めた学年一の秀才だ。二年生が当選したと言うことで、一躍話題の人になった。
私と彼の間に接点は無い。噂では、真面目で融通のきかない、お堅い人物らしいが・・・。私は蒼井君が去っていくのを一瞥すると、教室の中に入った。
だけど放課後来るように、って何の用事なんだろ?金河先生、ああやってあちこちに声をかけているのかなあ・・・
そういえば、碧山くんにも『また放課後に』とか言ってしまった気がする・・・。先生の用事は早く終わるんだろうか?遅くなるかもって伝えておいた方がいいかな。
私は休み時間、一年生の教室に碧山君を探しに行った。入口付近にいた子に、「碧山君知らない?」と聞いてみた。
「今いないみたいです。どこにるか?知りません。」大きなつり目をしたその女の子は、こちらが驚くほどぶっきらぼうに返事をした。
私が仕方なく帰って行こうとしたとき、「待ってください」と、その子が呼びかけた。 「伝言があるなら私、伝えますよ」
私「そう?じゃあ部活に顔出すの少し遅れるって言っておいて」 女の子は、私の目をしっかりと見たまま肯いた。…なんか怖いけど、まあ伝言頼んだし、いいか。
放課後、赤澤と私は金河先生の所を訪ねた。 赤澤「先生ー、せんせー。俺達部活あるんで、用があるならさっさとして欲しいんスけどー」
「来たか」職員室の自席でコーヒーを飲んでいた金河先生は腰を上げて、「じゃあ科学室に行くか」と私たちを促した。「おう、お前もそんなとこいないで来いよ」
ふと先生が声をかけたほうを見ると、職員室の長椅子に黄島君がダラっとした恰好で座っている。 赤澤「あーお前!!お前のせいで俺・・・!」
黄島「あぁ?何だよ」 赤澤「お前が昼休みにいつもフライングでカレーを大量に食べちゃうから、俺は腹いっぱいカレーが食えたことがないんだ!」
黄島「カレーがそんなに食いたいなら、お前も授業なんかサボっちまえばいいじゃねえか」 赤澤「ダメだ!そんなの皆勤賞がつかなくなるだろ!」
金河「ほらほら、くだらないことでケンカしてるんじゃないぞ。先に行って待ってる奴もいるから、早くしろ」
先生を先導に、私達は科学室へ着いた。扉を開けると、窓際に立っていた男子生徒がこちらを向いた。 私「あれっ・・・生徒会長? 先生、生徒会長も呼んだの?」
蒼井「君たちが選ばれたのか?」 小さめのフレームの奥の涼やかな瞳に、さらさらの黒髪。細身の長身のその人は、生徒会長の蒼井君だ。
蒼井「先生、俺はこのメンバーでは心配です。必然的に頭脳を担うのが俺一人になってしまう」 蒼井君はなにやら先生に訴えている。 黄島「何かよくわかんねえけど悪口か?」
金河「まあ、俺もいることだしなんとかなるだろう。こいつらもそこまで絶望的にバカなわけでも」 黄島「だからよくわかんねー悪口をこっそり言うな!」
「先輩!先輩!!もー探したじゃないですか!ひどいですよ、放課後稽古つけてくれるって言ったのに」 そこに碧山君が走ってきた。
私「あれ、休み時間にクラスの子に遅れるって言ったんだけど」 碧山「ええ!?僕、聞いてないですよ!だから色んな人に聞いて、ここに入ってくの見たって」
私「あれ、伝わってないのかな・・・あのね、今先生に呼ばれてるの。だからちょっと先に・・・」 金河「ん?お前、一年の碧山だな?」
碧山「あ、ハイ!1年A組、剣道部の碧山慎です!」先生のほうに向きなおると、はきはきとした口調で彼は答えた。先生の目がキラリと光り、「まあ、碧山、中に入れ」と、彼を部屋に引き入れる。
私はさっきの蒼井君の発言で、気になったことを聞いてみた。「ねえ、生徒会長。さっき『選ばれた』って言ってたけど、何の話? 私達、先生から話があるって言われただけだよ」
「それと…こんな可愛い子(碧山)を取り囲んで、何する気よ…」
「大した自信だな。・・・早乙女名無子さん」蒼井君は私を正面から見下ろすと、少し笑った。「私のこと、知ってるの?」
蒼井「知ってるも何も、この学校一の有名人じゃないか。インターハイ二位で、地域の新聞からも取材が来ただろう。でも、俺に言わせれば一位じゃなければ二位も最下位も変わりない」
黄島「可愛いなんてどのツラが言うんだよ」 碧山「先輩は美人です!試合中は最高です!」 赤澤「そうだ!名無子ほど面の似合う女はいないぞ!」 私「ちょっと黙ってなさいよ!打ち込むよ!?」
「コホン」脱線する私たちを金河先生が咳払いをして諌めた。「まだ蒼井にしか話してないんだが、お前たちは地球を救う戦士に選抜された」
黄島「・・・先生よお、病院なら学校出て右に行ったところだぜ」
金河「あぁ?先生は薬剤師の免許も持ってるからな、心配無用だ」先生はニヤリと笑いながら、大きな手で黄島君にアイアンクローを食らわした。
私「地球を救う戦士って・・・幼稚園の演劇でもやれってことですか?」 赤澤「おっ!俺、そういうの結構好き。子供の頃は憧れたよな〜何とかレンジャーって」 そう言って、赤澤は変なポーズを取った。
よく見ると、先生の手の中の黄島君の顔にメリメリとマスクのような物が形作られていく。
「うわぁあ!!」黄島君は顔を押えて前のめりになった。「な、何しやがんだ!!」彼の顔は黄色いマスクに覆われ、覆面を被ったようになってしまった。
金河「おー、似合うじゃないか。やっぱりこのメンツだとお前が黄色かな」 黄島「ざっけんな!!」黄島君は先生に殴りかかったが、先生はそれをすばやくかわした。
黄島君の拳は空を切り、目の前の六人掛けテーブルに当たった。 碧山「痛そうです・・・え!?」 信じられないことに、拳の当たったテーブルが真っ二つに折れてしまった。
私「ちょっと、あんた大丈夫なの?」 赤澤「これそんなにボロかったっけ?」 金河「いや、これは1年前に買ったばかりの新しい備品。あーあー壊しちゃって」
黄島君は自分の拳と机を見くらべ、呆然と立ち尽くしている。その時、それまで伏し目がちにみんなの話を聞いていた蒼井君が顔をあげた。「先生、遊ぶのはそのくらいにして説明をお願いします」
金河「うむ、そうだな。最近この街のみなさんも知っているように物騒な噂が飛び交っているだろう。例えば不審者を見ただとかだな。今は主立って行動に移してはいないみたいだが、近々必ず奴らは動く。」
私たちの喉がごくりと唾を飲み込んだ。私「…その奴らとは一体何物なんです?」
重い空気が漂う中、金河先生はゆっくりと口を開いた。金河「…シルバーという男を代表とした謎のマフィア軍団…その名をシルバニアファミリーだ。」
「名前だけはなんだか可愛らしいですね」碧山君がにっこりと微笑んだ。 赤澤「で、そのシルバニアファミリーは何が目的なんだ?」
金河「それはおいおいだ。」赤澤「は?」金河「馬鹿か、そんなにすぐ敵の目的が分かったのではおもしろくもなんともないだろう。」
金河「お前達は奴らを追ううちにおのずとその真実に近づいていくだろう。うん、きっとそうだ、そうに違いないぞ。」うんうん、と頷く金河先生の隣で蒼井君がこめかみを押さえてため息をついた。
蒼井「先生、もっと真面目にやってください。・・・敵の目的はまだ不明だ。何しろ、これといった事件が起きていないからな。2年前は米国を基点に動いていた奴らが、日本に上陸している」
金河「それも秘密裏に、な。情報の発信源はまだ明かせないが、何か分かり次第、常時お前達に発信していく」 先生はポケットから細身の時計のようなものを出して、私達にそれぞれ手渡した。
金河「というわけで、だ。お前らはそのシルバニアファミリーと戦ってもらう」頭の後ろをかきながら言う。「それでこのバンドを装着して、横の赤のボタンを押してみるんだ。・・・そう、赤澤、やってみてくれ」
赤澤は先生の言うとおりバンドを腕にはめ、ボタンを押した。すると、赤いフルフェイスのマスクと、赤が基調になったバイクに乗るようなスーツ・・・まるで、変身もののヒーローのような格好になった。
金河「このバンドによる変身中は、通常の身体能力の一万倍が出せるようになっている」
赤澤「おおっ!なんかすげえ」 金河「変身解除もさっきと同じボタンを押す。ちなみにカッコイイ掛け声を思いついたら報告するように。俺の審査があるからな」
黄島「おい、ちょっと待て、俺らの意志無視して話進めてんじゃねーぞ!俺は絶対嫌だからな!」
赤澤「いいじゃん、何かおもしろそうだしやってみようZE☆」赤澤君が爽やかに笑って黄島君の肩をたたく。黄島君「そんな軽いノリでこんな恥ずかしいことできるわけねーだろ!」
黄島「とにかく、俺は降りるからな」 黄島君はそういうと、科学室からさっさと出て行ってしまった。 金河「暴れるくらいならこういう力の使い方もいいと思ったんだがな、難しいこった」
金河「で、だ。さっきのボタンの下にもうひとつボタンがあるだろ?それを押してみてくれ」 言われるがまま、私たちはボタンを押す。するとレーダーのような画面に切り替わった。
四つの固まった点と、離れていく一つの点が見える。 金河「このバンドは発信機になっていて、お互いの位置が分かるようになってるんだ。広域にも切り替えられるぞ」
「なるほど、誰かのピンチのとき、すぐに駆け付けられるということですね」 蒼井君が唇の端をわずかに上げて微笑んだ。
私「こんなのどうやって手に入れたんですか・・・?」金河「俺の自作だ。大切につかうんだぞ。」この先生は一体何者なのだろう。怪しすぎる・・・。
金河「あとは、皆こっちに来い。蒼井はもう知っているだろうが・・・。」先生は科学準備室の中に私達を連れて行き、机の上にある趣味が悪い猫の置物の前に立った。
金河「これから我々の秘密基地に案内しよう。おい、そこの一年!」碧山「は、はぃぃ!」金河「これからこのニャンコの頭を二回撫でで聞かれる質問に正直に答えるんだ。ただし嘘を吐いたら地獄を見るぞ。」
碧山君は飴玉のように丸く大きな瞳を見開き、こきざみに震えながら先生と私を見比べている。 私「従うしかないんじゃない?この場合」
私は・・・
1.さっき渡されたバンドで遊んでみる
2.先生が宇宙人かもしれないので観察する
3.面白そうなので、碧山君の代わりに立候補する
3.こんなにおびえてるし、私がかわりにやってあげよう
なでなで…と、猫はかっと目を見開いて言った。「気安く触れるな!」
猫が本当に喋ったことに驚きつつ、私は穏やかに話し掛けた。「不快にさせたならごめんなさい。でもあなたの質問に答えるようにと」
猫はまた目を閉じた。「質問か…またの機会にしておこぅ。秘密基地に入るがいい、白色の戦士よ。」
すると、机の後ろにあった古びた可動式の黒板がガラガラと動いた。後ろにぽっかりと穴があいていて、階段がずっと下まで続いている。
金河「さぁ、入れ入れ。」先生は無理やり私達を中に入れる。私「もう帰りたいんですが・・・。」
中は意外に広くて私にはよくわからない沢山の精密機械があった。蒼井「ここでは敵の情報を探っている。あまり触るなよ。壊されたりしたら大変だ。」
そして赤澤君、碧山君、私も金河先生のアイアンクローをくらった。
ような気がしたが、埃っぽいから頭がくらくらしただけだった。
金河「おい、こっちだ」 奥のほうに大きめの会議用テーブルがあり、席に一つずつマイクつきのヘッドホンとが用意してある。いちばん奥が少し高くなっていて、そこだけマイクが固定式だ。
金河先生はその一段高い席に座った。「ここで毎回ミーティングをするからな。自分のバンドの色と同じヘッドホンの席に着け」
私のバンドは白だ。そういえば、あの猫も私を「白色の戦士」と言っていた。 私の横の席は・・・
1.赤いバンドの赤澤
2.青いバンドの蒼井
3.緑のバンドの碧山
134 :
名無しさん@自治スレで板設定変更議論中:2008/03/11(火) 17:24:38 ID:ONSfmhAV
2.蒼井君が隣だ。蒼井君は何も言わず無表情に席についた
蒼井君は私の視線に気づいて一瞬沈黙したが、すぐに口を開いた。「早乙女さん。君は、部活とこの活動を両立できる自信があるのか」
私「両立って・・・」 蒼井「自覚がないのか?君は、ただの剣道部員じゃないだろう。今の練習量で日々腕を磨いているからこそ、結果を出しているんじゃないか」
蒼井「それに」 彼は自分の手元へ視線を落とした。 「君は精神的に甘い。戦闘向きの性格じゃないと、俺は思う」
私はカチンときて思わず立ち上がった。私「何であなたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!」・・・私を知りもしないくせに。
蒼井「俺は中途半端にやって欲しくないだけだ。君たちは遊びのように思って参加しているのかもしてないが俺はそうじゃない。」蒼井君は顔を上げまっすぐ私を見つめた。
赤澤「名無子はそんないい加減な奴じゃねーぞ。」自分の腕のベルトをカチャカチャ弄りながら赤澤君が言った。
パチンと金具を止めなおし、おしっと呟いて蒼井君にバンドを見せながら笑った。赤澤「俺もな!」
「ええ。先輩はすごく頼れるんです。」碧山君がにっこりと笑って言う。 「だから厳しい練習にも、みんなついてくるんですよ」そして私のほうへ向きなおり、頬を染めて微笑んだ。
「だから、生徒会長。私だって」私の台詞を蒼井君が遮る。 「生徒会長、と呼ぶのはやめてもらえないか」
蒼井「俺は蒼井慧だ。クラスはC組。君がそのつもりなら、俺もそれなりの態度で接することにする」
「そうか、ならば私も本気を出そう」ビリビリィ
碧山「すごい先輩!どうやってそんな分厚い本を」 赤澤「バカだなー、あれは最初に2・3枚やぶけばあとはそこから一気に破れるようになってんの」
蒼井「先生!やっぱりこのメンバーでは…」 金河「まーまー、全部始まったばっかりだ。すぐにうまくいくわけないさ。気楽にやりたまえ、若者たちよ」
金河「黄島も、そんなところにいないで出てきたらどうだ?」金河先生がチョイチョイと手招きすると入り口近くの柱に隠れていた黄島君がビクッと動いた。
黄島「なんで分かった・・・。」金河「ふははは、この俺相手に気配を消すことなんかできんさ。教えてやるから次はもっとうまくやるんだな。」
黄島君は私達の生暖かい視線やニヤニヤ顔に耐え切れなくなったように言い放った。黄島「ち、違う!俺は、その・・・ッチ!金魚の餌やり忘れたから戻ってきただけだっつーの!文句あっかゴラァ!」
碧山「まぁまぁ、センパイ落ち着いて。とりあえず席に座ったらどうですかね?」笑顔で碧山君が椅子を引く。黄島「あぁ・・・って、コレ黄色じゃねーか!何親切ぶってカレーキャラ押し付けようとしてんだテメェは!」
赤澤「お前カレー好きじゃん。独り占めにするくらい」 黄島「それとこれとは話が別だ。百歩譲って戦いに参加するとしても俺は黄色なんか嫌だ」
碧山「黄色、いい色ですよ。タンポポとか、ひよことか、バナナとか」 黄島「バナナだぁ!?ふざけんなこの一年!バナナとか俺をバカにすんな!」
蒼井「君こそバナナを甘く見るな。バナナは栄養価が高く、繊維質も豊富で腸の調子を整える。スポーツ選手も競技の前に摂取するほどだ。俺も勉強中の夜食に食べている。バナナの種類は…」
私「それで先生、相手が行動を起こすまでは大人しくしてるんですか?」 蒼井君のバナナ談義が続きそうな中、私は満足そうに眺めている先生に聞いてみた。
金河「何だ、早乙女はこちらから攻めたいのか。なかなかアグレッシブなんだな。」私「壁際に追い詰めるのはやめてください!全然そういうシチュエーションじゃないから!あと顔が近い!」
騒いでいると何かが高速で飛んで来て先生の髪を刈って行った。碧山「先生ー!手からブーメランが出ましたー!」
金河「・・・コホン。まあ、必要な時は招集をかける。そのバンドのアーム部分が光るから、そしたらこの部屋に集合しろよ」先生は刈られた髪を指で気にしながら言った。
金河「集合後は、俺の指示後にその奥にあるエアーバイクでそれぞれ出動だ。空中を飛行機よりも早く飛べるすぐれもんだからな」
アンタ一体何者なんだ・・・、といいたげなみんなの視線を受け流し、とりあえず今日は解散!と先生が言ったので私達は化学室を出ることになった。
さて、思ったより長引いたせいで部活に出れるような時間じゃなくなってしまった。今日はもう帰ろう・・・
1、赤澤と蒼井と帰る
2、碧山と黄島と帰る
3、もう遅いので金河先生に車で送ってもらう
162 :
名無しさん@自治スレで板設定変更議論中:2008/03/12(水) 17:21:54 ID:keIfrVYe
3 今日は色々ありすぎた。それに先生に聞いてみたい事があるんだ。
古そうな車に乗り込む。「えーと、ではまずそちらの社名と資本金や設立年などを…」しまった、いつもの癖が。
「そう固くならなくても取って食わないから」そう言いながら先生はエンジンを何回もかけ直す。あんなにすごい機械が作れるのにこの車は随分不自由そうだ。
私は胸にわだかまっている疑問をぶつけた。「先生って、一体何者なんですか? どうして私達を選んだんですか? 本当に敵がいるなら、警察とか政府に相談した方がいいんじゃないですか?」
「うむ、社名は金河秘密結社、資本金はビスケット30枚、年は26歳天秤座だ!」先生はきっぱり答えた。
私は深くため息をついた。こんな調子で赤澤はともかく、よくあの生徒会長…蒼井君が協力してくれることになったなあ。
金河「二つ目の質問だが、適当にその辺から選んだわけじゃないから安心しろ。お前達のことは一年間ずっと見ていた。碧山は成り行きだが、俺の人を見る目は確かだから心配ない」
「だったら尚更どうして私が?」と思っていた不満をぶつけてみた。
金河「だから言っただろ。俺は一年間、この学校の生徒を見てきた。んで、その中からコイツだと思う奴らに声をかけた。理由が欲しいなら、『俺の勘』ってことにしとけ」
そういえば、先生は千人近い生徒全員の顔と名前を覚えてるらしいし…揉め事があれば飛んで来て解決してくれる…「今日はエンジンがかからないな。音無、歩いて帰ってくれ」
この人本当に信じていいんだろうか。私「訳のわからない戦隊グッズ作れるのに、なんでこんなポンコt…車に乗ってるんですか。先生なら直せそうなのに」
「うん?あぁ・・・俺は機械は綺麗に直せるが思い出まで綺麗にできるわけじゃない。」そして先生は車を降りて行くぞっと言った。
私「え・・・?歩いて帰るんじゃ・・・。」金河「だから、ほら帰るぞ。」私「送ってくれるんですか?」
先生はむっとしたように言い返す。金河「当たり前だろう。俺の可愛い生徒に何かあったらどうするんだ。早くおいで。」
私は思った。先生にもいろいろ過去があるのかもしれない。けどこんな風に私を生徒として大事に思ってくれているのは嘘じゃないと感じる。いつか先生のことももっと知ることができるだろうか?
私「先生私の家しらないでしょ?」金河「知っている、全生徒の住所は頭に入ってるから心配しなくていいぞ。俺が無事送り届けてやるからな、早乙女!」私「き、キモ・・・。」
しまった!つい本音を言ってしまった。金河先生の顔が、みるみる内に、般若の面になっている
1誤魔化す
2話題を変える
3様子を伺う
1.誤魔化せ!! 私「着物屋の近くです。」 先生「ん?それを言うなら呉服屋だ。まったくお前らはゆとりだなあ」
ごちゃごちゃ話していると、「早乙女!同じ方向だから一緒に帰ろうと思ったのに遅いから戻ってきちゃったじゃねーか。」赤澤がいつのまにか立っていた。
先生「おー、そういやお前ら家が隣同士だったな」 本当にこの人は全員の住所を覚えているらしい。すごい記憶力だ。
???「生徒と仲がいいのねぇ。羨ましいわぁ〜〜」誰かの声に、先生の体が硬直したのを感じた。
「ごきげんよう金河ちゃん。ほら、あんたたち早く帰るのよっ!」 教頭だ。いつ見てもいさぎよいほどのオカマだ。
金河「いやあ教頭。俺ちょっと体調がすぐれないので、ささ先に帰ります・・・ちょ、顔が近い・・・じゃ、赤澤!早乙女をしっかり送って行くんだぞ!」そう言って先生は脱兎の如く教頭から逃げて行った。
教頭「まってぇ〜!金河ちゃぁぁ〜ん!」教頭先生もそれに続く。赤澤「と、とりあえず・・・帰る?」
赤澤「金河先生はほんっと男にも女にもモテるなぁー、まぁあの容姿だもんなぁ。変人だけど。」
私「うん・・・そうだね。ねぇ、赤澤は今日先生に言われたことどう思ってる?100%信じてる?もしほんとだったら自分にできるって思う?いきなり戦うなんてこと・・・。」
「名無子でも不安なのか?普段あんなに強いのに」赤澤が少し意外そうに言った。 「当然だよ。試合とは勝手が違うでしょ」私は即答した。
赤澤「俺も、運動は得意だけど戦うとか、正直ピンと来てない。ケンカとか得意じゃないし」 そう。赤澤は明るくて誰にでも優しい。だからよく助っ人を頼まれるんだ。
赤澤「でも、俺にこの力を活かせる可能性があるんなら、やってみたいと思う。先生は少し変だけど悪い人だとは思えないし、あの人が言うように人を救えるのなら、力になりたい」
私は赤澤のこういう所が素直に凄いなと思っている。私は面倒な事を押し付けられた上に、煮え切らない先生の態度に苛々していたのに。
「私も、がんばる」うっかりそう言ってしまい、二人で笑顔になって、この大変な一日は終わったのでした……………
太陽の光で目が覚めた。やけにぐっすり眠れたような気がする。目を開けると、私の掌は目覚ましの上に乗っていて・・・時間は・・・「8時15分!?」
遅刻だ。ここから学校まで歩いて20分。私「なんで起こしてくれなかったのよ!」 母「だって起きないからもう無理だと思って。いいじゃないいつも早く行ってるんだし」 私「そういう問題じゃない!」
急いで家を飛び出し、走り出してふと嫌な予感がして隣の家・・・赤澤家のチャイムを鳴らし、ドアを開けた。「おばさん!赤ざ・・・翔くんいる!?」 赤澤母「そういえばまだみたいね、靴があるわ」
私は階段を駆け上がり、赤澤の部屋のドアを開けた。赤澤はアホのような顔で寝ている。 私「赤澤ー!!早く!遅刻するよ!皆勤賞ダメになっちゃう!!」
赤澤「ん?…うわぁ名無子!ちょっと待て、ちょっと便所行くから、玄関で待っててくれ!一分で行くから!今無理だから!」 私「なんでそんな…あ!ギャーー!!」 赤澤「だからあっちいってろよ!」
大騒ぎしているうちにもう8時25分だ。走っても間に合わない。 私「赤澤がいけないんだよ!」 赤澤「しょーがねーだろ!あーもうこんなときスーパーマンみたいに走れればいいのに」
仲良く痴話げんかしているところへ、突然、雑魚敵のジョッカーが現れた!
私「ギャー!へ、変質者!!」 赤澤「お、おい名無子、こいつらもしかして・・・」 赤澤の言葉が終わる前に、私は携帯を取り出した。「もしもし警察ですか?変質者が出たんです!場所は・・・」
しかし昨日充電を忘れたため、電池が切れてしまった。 赤澤「こういう時に変身するんじゃないか?」 私「そ、そっか!!」 私たちはバンドのボタンを押した。
私は白、赤澤は赤いコスチュームにチェンジしていた。私が手を動かすと、剣のようなものが出た。 「えい!!」剣を振ると、すごい風が起こり、雑魚は何メートルも吹きとばされた。
赤澤「名無子危ない、後ろ!」 後ろに雑魚のひとりがまわりこんでいる。私の背後から襲いかかろうとした刹那、赤澤が私と雑魚の頭上を軽々と飛び越え、雑魚の顔に蹴りを入れた。
雑魚敵は私たちにかなわないと思ったのか奇声をあげ、散り散りに逃げて行った。「赤澤急ごう、あと1分しかない」
変身したまま走ったので、学校まで数秒で着いてしまった。変身を解くとどっと疲れが来る。 「ま、間に合った・・・皆勤賞・・・」 赤澤は机に座ると、そのまま倒れこんで寝てしまった。
私も疲れた…と突然、教頭「ハイ2始まるわよ〜!モロ2の事情によりこれからこの紫堂教頭先生様が出席を取るわぁ〜!!」教頭は転んだのか、顔に絆創膏を貼っていた。
文章くらいまともに書けよ
と、赤澤が寝言を言った。
私「先生、私たちの担任はどうしたんでしょうか。昨日も結局来てませんでしたけど・・・」
教頭「ああ彼ね、そうね、長くお休みするかもしれないわ〜。さっ、出席とるわよ〜。はい、赤澤翔くん〜」 教頭は私の疑問をさらりと流し、出席をとりはじめた。
赤澤「ふァい」赤澤は寝ながら返事した。出席をとっている間、私は他の皆のところにも敵が出たのだろうかと考えていた。
「名無子、赤澤っち、生徒会長が呼んでるよ!」休み時間、クラスの友達が私を教室の入り口から呼ぶ。蒼井君はその後ろで少し恥ずかしそうに目線を外している。
「赤澤、蒼井君が呼んでる」 「うーん・・・」 私は一生懸命赤澤を起こしたが、びくともしないので仕方なく一人で蒼井君の所へ行った。「何?」
蒼井「君たち、朝からその・・・あの力を使っただろう」人目をはばかるように、廊下の隅へ移動しながら言う。「俺も登校前、敵のファミリーの奴らに遭遇したんだ」
私「ええ!?大丈夫だった?」 蒼井「ああ。今回の敵は雑魚だったようだ。君は・・・君たちは、大丈夫だったようだな」 私「うん。ちょっと疲れたけどね」
蒼井「無理もないだろうな。普通の人間の力を一万倍にまで引き上げるんだから、それ相応に疲労もするだろう。この力も考えて使わなければいけないな」
生徒会長も変身したの?と聞こうとして、昨日そう呼ぶのはやめろと言われたのを思い出した。なんて呼ぼう?
1.蒼井くん
2.蒼ちゃん
3.やっぱ生徒会長
3.なんか恥ずかしいからやっぱり生徒会長だな・・・ 「生徒会長も変身したの?」
蒼井「やめろと言ったはずだろう。そんなに俺の名前は覚えにくいだろうか」 私「いや、そういうわけじゃなくて・・・」
蒼井「・・・それなら下の名前はどうだろう。慧なら若干覚えやすいと思うが」 言いながら、蒼井君の顔が少し赤くなっている。
私「・・・で、蒼井君は変身したの? やっぱ青いスーツなの?」 さすがにいきなり下の名前で呼ぶのは抵抗がある。
蒼井「ん?・・・あ、ああ。青いスーツだった。ただ、変身のポーズがあまり格好よくなかったかもしれない。先生の許可が下りるようにもう少し研究する必要があるな」
蒼井「し、仕方がないだろう!そうしなければ敵にやられていたかもしれないんだから…」私「…うん。」蒼井君恥ずかしいのかな…。
私「変身のポーズ、今度見せてよ。」 蒼井「…ダメだ。」 照れる蒼井君が面白いので、私はついからかってしまった。お堅い人かと思ってたけど、意外と天然なのかもしれない。
赤澤「…へー、それは俺も是非拝みたいもんだなぁ。」赤澤の笑顔が珍しく引き攣っている。私をグイと引っ張ると自分の後ろに隠すようにした。
蒼井君は一瞬むっとした様子だったがすぐにいつもの真面目な顔に戻ると赤澤に言い放った。「言っておくが皆勤賞では大学にはいけないぞ。」
赤澤「なっ…い、行くぞ!名無子!」蒼井「今日の放課後また集合だ。遅れないように。」二人は互いに背を向け教室へと戻って行く。もしかしてこの二人相性悪いのかな…。
私は席に着いている赤澤のところまで足を運んだ。「ちょっと赤澤。何なのよ、今の。何を怒ってるのか知らないけど、人が話してるときに割り込んできて、失礼じゃない?」
赤澤は口をとがらせて言った。「だってさあ、アイツの嫌味がなんか聞こえてきたから近くに寄ったら、今度は馴れ馴れしくしてるし、何か気に食わなかったんだよ」
私「寝てたのに聞こえたの?」 赤澤「ん?まあな。(・・・あと一回起こされたら行こうと思ってたんだよな)だいたい集合ってなんだよ。俺たちはアイツの手下じゃねえっつの」
つまらなそうに怒っている。こんな顔は久しぶりかもしれない。私の知る赤澤は、誰とでもすぐ仲良くなって、どんな時もすぐに楽しみを見つけて、いつもニコニコしていたから。
私「…ヤキモチ?」私が尋ねると赤澤の頭を支えていた手が滑り机に顎をしこたまぶつけた。赤澤「いってー!っは、はぁ?」私「なんてね。」
赤澤「何言ってんだよ!違うよ!!」 そのとき、クラスの男子が赤澤を呼んだ。「翔!バスケしようぜ、今日はD組の奴らも来るからさ」 赤澤「おう!サンキュー、行くよ!!・・・じゃあな名無子、放課後な」
赤澤はあっというまに男子に囲まれて、外へ出て行った。その表情は、いつもと変わらない底抜けに明るい笑顔だ。私は赤澤の長い脚をぼんやりと眺めていた。変な奴。
「名無子はいいなあ」 私の目の前にクラスの友達が来た。 私「なんで?」 「だって赤澤君とあんなに仲いいんだもん。みんなうらやましがってるよ。さっきは生徒会長まで来てたし」
私「羨ましいって・・・ただの腐れ縁ってだけで、そんないいもんじゃないよ」 女子「えーっ、赤澤君ってカッコイイじゃない! 運動神経抜群だし、背も高いし、何と言っても笑顔が爽やかなのよね!」
女子「そうそう、生徒会長はちょっと高嶺の花って感じだけどクールで美形で秀才!あの冷たそうなところがまた素敵よねー。」
女子はいつのまにか数人集まって、赤澤と蒼井君の噂をはじめた。確かに赤澤は昔から男女ともに人の気持ちをつかむのが上手かったし、蒼井君も二年生で生徒会長に当選するほどの人望がある。
先生はメンバーを選ぶ基準は教えてくれなかったけど、そういう部分を評価したのかもしれない。碧山君だって練習を毎日見に来るファンが何人もいる。
私(でも私は剣道しかできない。インターハイでも決勝で負けちゃったし、ホントに役に立てるかわかんない。何で選ばれたのかな・・・)
私(…まあ、黄島くんよりはマシだけど)
放課後、私たちは言われたとおりに科学準備室に向かった。先についていたのは意外にも黄島君だった。
黄島「はりきってたわけじゃねーから。飲み食いしたりすんのにちょうどいいだろ、ここ」 自分でも恥ずかしいらしく、もぞもぞ言い訳をしている。
赤澤「あっ黄島だー!お疲れさん」 黄島「おう赤澤」 昨日はカレーをめぐってケンカしていたのに、いつのまに友達になったんだろう。
赤澤「やっぱ学食のカレーは去年の9月から12月までのおばちゃんのが最高だったよな」 黄島「わかる奴がいるとは思わなかったぜ。あのニンジンの切り方は職人芸だろ」 …カレー仲間のようだ。
それにしても呼び出した当人の蒼井君と先生が遅い。ちょっと捜しに行こうと廊下にでたとき。「…から!…だっ…。」化学準備室からヒソヒソ声がきこえてきた。
壁に耳をあててよく聞いてみると蒼井君の声だ、何かもめているみたいだけど…。蒼井「晃兄はいつもそうだ!俺はそんなこと望んでない…。」相手は…金河先生?
晃兄とはどういうことだろう…。確か晃は金河先生の名前のはずだ。金河「待て。」金河先生が蒼井君を制してこちらへ向かって来た。そして扉を開ける。金河「…早乙女?」
蒼井君はびっくりしたように口元に手を当てている。金河「はぁ、びっくりさせるな。気配があったから何かと思ったぞ。」私「…立ち聞きしてすみません。でもどういうことですか随分親しそうでしたけど…。」
兄弟?…にしては似てないけど。金河「うーん。まぁ、取りあえず入れ。」蒼井君は蒼白のまま立ち尽くしている。
金河「俺達は…まぁ親戚のようなものでな。蒼井は俺と一緒に住んでいる。」私「兄弟じゃないんですか?」金河「違う。」
よく分からないけど何か事情があるんだろうか…。私「蒼井君のは御両親は?」蒼井「…俺に親はいない。」金河「ま、俺が蒼井の保護者ってとこだな。」
金河「いつでも遊びに来ていいぞ。俺は料理も得意だから何でも作ってやろう。」私を促すようにして皆の待つ化学室へと向かう先生。いまいち納得できなかったが蒼井君の辛そうな顔をみるとそれ以上追求することはできなかった。
意外と方向音痴な先生を蒼井君と一緒に苦労して科学準備室へと連れていくと授業が終わった碧山君も既に来ていた。
碧山「じゃあ僕の7時15分が最初で、次に赤澤先輩たちの8時28分、それで黄島先輩の9時20分が最後だったんですね」地図のようなものを広げてなにやら書き込んでいる。
「あっ先輩!」碧山君は大きな目をクルリと動かして、こちらを見ると満面の笑顔で向きなおった。「今、どこに悪者がでたのか話してたんです!」
「へえ、碧山君は偉いねー」私は碧山君の髪をいつものようにくしゃくしゃにしながら撫でる。 碧山「へへへ・・・あっ赤澤先輩まで!やめてくださいよ!」
黄島「フン、なーにが偉いだ。事実を言っただけじゃねぇか。地図に書き込むくらい猿でもできら。」相変わらず捻くれている不良だ。
碧山君はしゅんとした顔をしたものの、すぐに気を取り直して「蒼井先輩は?敵に会ったんですよね?」と聞いた。意外とタフだ。
蒼井「あ…あぁ、俺が遭遇したのはここだ。」蒼井君がトンと赤い点を書き込んだ。「時間差はあるもののこれだけの距離を同じ敵が移動しているとは考えにくい。おそらく向こうはかなりの人数がいるな。」
「先生」 授業中のように碧山君が手をあげた。 碧山「今朝、僕変身したら、5分くらいなのにそのあとすごく疲れちゃったんです。慣れれば疲れなくなりますか?」
金河「ああ・・・最初はな。戦いに慣れれば、そのうち力もなじんでくるさ」 先生はあごのあたりをなでて、空中を見るような目つきをした。「体力よりも、精神力を消耗するんだ」
金河「・・・まあ、寿命が縮まるとか、急に老けるとか、そんなんじゃねーから安心しろ」 ニヤリと笑い、先生も自分の席に着いた。
安心出来るか!やっぱり安請け合いしたのは失敗だったかもと思い始めた
私「あの、部活行きたいんスけど」
そうだ、いつも通りの生活をして日常を取り戻せば、心も落ち着くはず…。金河「部活ぅ?朝から戦ったってのに、元気な奴だ!はっはっはっはっ!」
シルバニアファミリーがいるらしいのは理解した。先生に悪気がないのも、他のメンバーが私の発言にちょっと白けたのもよくわかった。でも、私は…
1.碧山を連れて部活へいく
2.先生に交換条件を出す
3.嘘ですKYでごめんなさい
1 やっぱり毎日の習慣は欠かすと気持ちが悪い。「碧山君、この間稽古つけてあげられなかったよね。今から一緒に道場へ行こうよ」
部長なのに昨日の練習も今日の朝練も出ていない。それでは他の部員に対して示しがつかない。
「ハイ、でも・・・」碧山は私とみんなの顔を見比べてキョロキョロしている。
「行かせてやってくれないか?」重い空気の中、赤澤が口を開いた。「何日も続けてさぼれるようないい加減な奴じゃないんだ。連絡事項があれば俺から伝えておくから」
私が謝ろうとしたとき、空気を破るように声が響いた。黄島「んじゃ俺が先に帰るわ。不良だからな。だからお前らも来い」そう言って私と碧山くんを出口へ引っ張っていく。
私「ちょ、ちょっと!」私は戸惑いながらも彼に手を引かれていく。・・・手?私の視線に気づいたのか黄島君は真っ赤になるとすごい勢いで手を離した。
黄島「わ、わりぃ!じゃ、なくて、だな。わ、わざとじゃねぇぞ・・・とにかく、お前らさっさと行けよ。」突然のことでびっくりしている私達に彼は言った。
蒼井「決めポーズの打ち合わせもしたかったんだが…、そうだな」蒼井くんがそう言い、先生もやれやれというように頷いた。
私「すみません、失礼します!」頭を下げて振り返ると黄島君がちょうど出ていく所で、私達はその後を追うような形でその場を離れた。赤澤「………名無子…」
廊下に出ると、黄島くんがこちらを見ていた…私「黄島くんはどうするの?一緒に、来る?」
黄島「ちょっ、上目遣いヤメレwwいや、帰るから!大体お前ら部活だろ。俺関係ないから、不良だからっ」そういって素早く立ち去る黄島君の背中を見つめていると、ふと嫌な予感がした
私達は今朝初めて闘ったばかり。次にファミリーがどうでるかわからない。今単独行動をとるのは危ないと無意識に上目遣いで引き止めてみたけど黄島君は廊下にいる生徒に悪態つきながら欽ちゃん走りで去ってしまった
「先輩、どうしたんですか?部活は行かないんですか?」碧山くんが私の制服の裾を引いている。
私「碧山くん先に行ってて!」碧山「え?せ、先輩?!」やっぱり何か気になる、私は碧山君の制止の声にも耳を貸さずに黄島君を追いかけた。
私「確かこの辺に来たはずなんだけど・・・。」彼を追いかけて着いたところは体育館裏だった。黄島君の姿は見あたらない。
私が辺りを見回していると突然背後から何者かに羽交い締めにされ、ハンカチを口に当てられた。
「無防備な君が悪いんだよ…」背後から艶やかな男の声がした。意識が、薄れて…
私は闇に閉ざされていく世界の中で、その声がどこか懐かしいものに感じていた。
…誰かがほっぺたをつついたり引っ張っている。さっきの人?それとも…私はゆっくり目をあけた。そこにいたのは…
キャーーーーーーーーーーー!!!!!!
……、ど、動揺しすぎちゃったみたいです、私はもう一度瞳を開くとそこには男の子にも女の子にも見える一人の子供が私を見つめていました。
「早乙女名無子」少年は私の名前を呼ぶ。私は少年を上から下までなめるように凝視してみた。
あら…少年?少女?何で私の名前知ってんの?ここはどこ?私はだれーー!!
はっ!そういえば発信機がバンドについてるんだ。私は急いで画面をレーダーに切り替えた。
すると何やら私の方へ近づいてくる丸が。それは、
1、黄色と碧色
2、蒼色
3、赤色
4、晃色
4,晃色 よりにもよって先生だ!ガビーン!てか晃色って何ッ?!どんな色だよッ!
先生はこのバンドつけてなかったのにおかしいなあ。私はその点を目をこらして見つめた。
(´・ω・)「ねえ…」 目の前にいるのに一言も声をかけてもらえずションボリ顔の子供が声をかけてきた。と同時に!
子供の姿から男の人に変化した!「白龍…」私は目の前の出来事に混乱して意味不明な言葉を呟いた。
「ねえ、僕の事覚えてる?」この声はさっき私を襲った人だ…「貴方は私を知ってるの?」彼が少し寂しそうな顔で何か言いかけた時、先生の声がした。
「早乙女ーー!そいつはシルバニアファミリーの人間だぁーー胸元にウサちゃんのバッチがぁーー」と叫ぶ先生のベルトが輝いている。私の視線に気付いた先生が自慢気に「先生のは特別製なんだ」 先生実にノリノリである。
腰の輝きが消える。「緊急時だけ光るんだがちゃんと白衣で隠しとかなきゃ駄目だな」そう言いながら眼前の男性に目を向けた。「お前、もしやシルバーか?」
男「久しぶりだな、晃。」二人の間に緊迫した雰囲気が流れる。先生とこの男は知り合いなの?
先生はフッと笑うと言った。「久しぶりすぎて、何から話していいのかわからんな。」シルバーと呼ばれた男は表情を崩さない。
先生「しかし、早乙女に手を出したことは許さんぞ。俺に話があるなら俺のところに直接来い。」先生は珍しく怒っているようだった。
シルバー「お前がそこまで感情的になるのは珍しい・・・やはり子供の振りをしてこの人間を攫ったのは正解だったようだな。」
シルバー「お前に最後の忠告をする。どういうつもりかはしらないがこれ以上俺の邪魔をするならたとえ同胞のお前たちでも容赦しない。心配しなくてもこの星の人間にはちゃんと俺が復讐してやる。だから黙って見ていろ。」
同胞?復讐?どういうこと?混乱しながらもシルバーに何か言おうとした私は風に揺れる銀色の髪の間から垣間見えるその瞳の冷たさに恐怖し、思わず口を閉ざした。
そんな私の震える手を先生が包み込むようにそっと握る。まるで先生の手から伝わる温もりが大丈夫だと言ってくれているようだ。
先生「復讐したってもう何も返ってはこない。俺達の故郷も、家族も、友人も、恋人も・・・。お前だって分かっているはずだ。」
シルバー「そんなにお前達は人間が大切なのか・・・・。」シルバーは俯いて風に消えてしまいそうな声で呟いた。その瞳に一瞬悲しみが宿ったことに先生は気づかなかったようだ。
シルバー「俺は憎しみを捨てられない。いや、決して捨てはしない。俺達の星を奪った奴らを許しはしない。人間の味方をするならお前達も同様だ。」
もう用はないとでも言うように去っていこうとするシルバーに先生が声を掛ける。「待てッ!慧は、お前の弟はどうなるんだ。慧は本当はお前の帰りを待ってるんだ。かけがえのない兄であるお前を。お前にとってもたった一人の家族じゃあないのか。」
シルバー「あいつは自分で道を選んだ。私と決別する道をな。愚かな弟だ。」シルバーは振り向きもせずにそう言うと空気に溶けていくように消えてしまった。
これまでのあらすじ
毎日部の朝練に励み、主将として充実した日々を送っていた名無子だが、ある日担任の金河に「地球を救う戦士に選抜された」と言われ、謎のマフィア軍団シルバニアファミリーと戦う事に。何故自分が…戸惑いや不安を抱きつつ、仲間と立ち向かう決意を固める。
そんな折、突然何者かに拉致される名無子。その人物は、名無子や金河を同胞と呼び、この星に復讐せんとするファミリーの代表だった!
早乙女名無子(ホワイト)…高校2年生、剣道部の主将。学内では有名人。インハイ2位の実力をもつ。武器は剣
赤澤翔(レッド)…名無子の幼馴染みでクラスも一緒。運動神経が良く、明るくて誰にでも優しい。朝が苦手だけど皆勤賞を狙っている
蒼井慧(ブルー)…2年C組。2年生で生徒会長に当選した秀才。黒髪で細身な眼鏡クール。金河先生を晃兄と呼び、現在同居中。赤澤とは相性悪い?
黄島剛(イエロー)…2年D組。1年の終わりまでボクシング部在籍。自称不良だけど根はいい奴。赤澤とはカレー仲間。
碧山慎(グリーン)…1年A組。剣道部所属。練習熱心で名無子の事をとても慕っている。部やクラスで人気があるらしく、名無子に嫉妬している女子もいる模様。
金河晃…2ヶ月前にやってきた名無子のクラス担任。モデル体型な上に美形だが、変人。紫堂教頭(オカマ)に気に入られて困っている
シルバー…ファミリー代表。自分達の星を奪った地球の人間を恨んでいる。蒼井の兄。名無子や金河達とも関係している…?
分割レスすまん…
私「先生・・・。」シルバーの消えた後を無表情で見つめる先生の手はいつのまにか私の手を痛いくらいにぎゅっと握っていた。
聞きたい事は沢山あるけど、先生の横顔を見ているとうまく言葉が出てこなくて その手を握り返すのが精一杯だった。
しばらく二人でぼんやりしていたら、先生が急に慌てながら手を放した。「とりあえず戻ろう、学校へ」
そういえば黄島は?途中でみうしなったけど
頭に降ってきた言葉に急かされるようにレーダーを見た…あれ?見当たらない
1、先生に報告
2、先生とは別行動で探す
3、まいっか。とりあえず帰ろっと
2 別行動にしよう。先生といると面倒が多そう
「お前部活はどうした?まぁいいか、無理すんなよ」と言いながら私の頭に手を置いて少し心配そうな顔をした。
先生には悪いけど早く黄島君探さなきゃ。レーダーに反応が無いってことはかなり離れてるのかも。さっきの嫌な予感を思い出してなんか胸騒ぎが…
闇雲に黄島君を探していると遠くの路地裏の方から争う声が聞こえてきた。・・・喧嘩?
「お前、一緒にいたんじゃないのか!」「だって・・・先輩が用事があるって・・・僕・・・」 赤澤が碧山君を責めている。いつになく真剣な顔だ。
私「赤澤!碧山君!」碧山「あっ先輩ッ!」赤澤「名無子、どこいってたんだよ!心配したんだぞ!」私はさっき会ったシルバーのことを話そうかと思ったがソレより黄島君のことが気になった。
私「あのね、黄島君がレーダーにいないの」 赤澤「名無子もさっきまで画面上にいなかった」碧山「レーダーにうつらない場所があるのかもしれませんね」
「全く、君たちは。結局集まるんだったら最初から会議室でいいじゃないか。」ため息をつきながら現れたのは、蒼井君だった。
蒼井くん・・・さっきの話だと彼は敵のボスの弟ということになる。私は少し不安な気持ちで彼を見た。不思議そうな顔で、何だ?と返されたので、何でもない。と首を振る。
私「黄島君がおかしな方向へいこうとしたからついていったら途中で見失ったの。レーダーを広域にしてもうつらない。どこかに攫われちゃったかもしれない」
蒼井「会議室の奥にエアーバイクがあったろう?空から探せばレーダーに写るかもしれない。一旦戻ろう」
じゃあ、俺達が取ってくる!と碧山君を引っ張っていった赤澤。残された私と蒼井君はここで待機ということになった。
私が隣の蒼井君を見上げると、「さっきから何?」と困った笑顔をされた。どうしよう・・・
1、シルバーに会ったと言う
2、蒼井君て何者なの?と遠まわしに聞く
3、カレー食べたい
3 カレー食べたい。なにげにもう夕方なんだよねー
蒼井「君たちは本当にカレーが好きだな」 彼はあきれたように溜息をついた。 「カレーのカプサイシンはダイエットにも効果的だが君はそれ以上痩せる必要はない。野菜を豊富に取れるのはよいが・・・」
蒼井「・・・緑黄色野菜のニンジンからはベータカロチン、じゃがいも、たまねぎなども栄養価に優れていて・・・」 バナナに続き今度はカレー論が展開されている。
私「あ、蒼井くんは料理とかするの?」 講義を遮るように私は質問した。 蒼井君は「いや」と短く答えた。「晃兄・・・先生が、料理はしてくれるんだ」
「そっか、料理得意っていってたもんね先生。うらやましいなぁーでも蒼井君は先生が好きなんだね!」私が笑うと蒼井くんは微笑む。
蒼井「家族・・・だから。俺と晃兄と・・・。」蒼井君は言葉に詰まる。向き直って私の腕にそっと触れると辛そうに顔を歪める。
私「せ、先生のカレー今度私も食べてみたいな!」 私はそんな重い空気を振り払うように明るく言った。 蒼井「あ・・・ああ!来るといい。狭い家だが」
私「赤澤たちもみんな呼んで、カレーパーティーにしようよ。みんな自分の好きなカレー持ってくるの!ね、楽しそうじゃない?」 蒼井「・・・ああ」
蒼井君はふっと遠くを見るような目になった。「君たちは、いつも楽しそうだな。笑顔で、みんなに囲まれて、誰からも好かれて・・・大切に育てられたのがよくわかる」
さっきの先生とシルバーの会話を思い出して私は蒼井君の事を見つめた。「今、蒼井君の周りには先生や私達が居るよ・・・これからもずっと。」
蒼井君が複雑そうな表情で私を見る。「君は・・・」私「だから絶対やろうね!カレーパーティー」
蒼井「・・・ああ」蒼井君は少し子供っぽく笑った。生徒会長もこんな顔するんだな。なんだか嬉しくなって私まで顔が緩んだ。
「おーい!!」赤澤と碧山君の2台のエアーバイクがやってきて私たちの前に止まった。「とりあえず二人とも、俺たちの後ろに乗ってくれ」
「ほら名無子」「ありがとう」私が赤澤の後ろに乗ると、蒼井君が「どうしてこの組み合わせなんだ?」と眉間にしわを寄せて言った。
赤澤「だって俺、バイクの免許持ってるし。名無子を乗せるなら安全なほうがいいだろ?なにお前、免許あんの?」
「ぐっ・・・」 蒼井君は少しくやしそうな顔をして、黙って碧山君の後ろに乗った。「安全運転しますから、よろしくお願いしますねー」碧山君はニコニコしている。
赤澤「ほら名無子、しっかり捕まっとけよ!」赤澤は私の手を掴んで自分の腰に回すとイタズラっぽく笑った。「飛ばすぜ?」
私「わっ、ちょっと赤澤!」赤澤はいきなりスピードを上げて発信させる。後ろで聞こえた「おい!まて」という蒼井君の焦った声もすぐに掻き消え、聞こえてくるのはエンジン音と風をきる音だけになった。
私「こんなに飛ばして平気なのー?!」私が叫ぶように問いかけると「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」と前を向いたまま答える赤澤。
予想以上のスピードにびっくりして腰に回した腕に力が入る。こっちから赤澤の顔はよく見えないけど、なんだか楽しそう。赤澤「あれ?これどうやって空飛ぶんだ?」
そういえば飛行機より速く飛ぶ事以外何にも聞かされてなかった。ガガガ・・・ピー『こちら金河、みんなー聞こえるかー』 赤澤「タイミング良すぎだろ、先生」
金河「こっちの調査で、レーダーに反応のない範囲を特定した。お前たちはそのままバイクでその範囲を手分けして探してほしい」
赤澤「先生、これどうやったら浮くんだ?」 金河「ああ、レバーを最大まであげてくれ。運転の仕方は普通のバイクと変わらないから。じゃあよろしく頼んだぞ」
私たちのレーダーに、網掛けのようなものが塗りつぶされてうつりこんでいる。これが先生の言う「範囲」? 赤澤「俺たちは範囲の上半分を探す!碧山たちは下のほうを頼んだ!」
『バイクもボタン操作で飛行モードに切り替えができる。操縦は地上と変わらん・・・以上だーみんな無事帰って来いよー!』ブツッ
うわぁぁごめん↑はスルーしてくれぇぇ
金河「あともう一つおそらく黄島は罠にかけられた可能性が高い。大方今朝戦ったときに何かあったのだろうがあいつのことだから俺達には言わずに一人で向かったんだろう。」
金河「黄島らしいが緊急ベルトの警報を早乙女の位置と思い込んでしまった俺にも落ち度がある、すまない。だからお前達、十分に気をつけて行ってくれ!」
赤澤「任せとけよ、先生!」そう言うと赤澤はバイクを一気に浮上させスピードをさらに上げた。
こうして見ると、赤澤の背中は細身だけど広くて、昔よりもずっとたくましい。毎日見ていたはずなのに、私の知っているあのやんちゃな背中とは違う。
昔から赤澤は運動が得意で、誰よりも早く自転車に乗れた。まだ私が自転車に乗れなかった頃、よくこうやって後ろに乗せてくれた。あの頃も、やたらと飛ばしたがって困ったっけ・・・
私「・・・翔くん。」不意に懐かしくなってその背中に額を当てながら昔の呼び名を口にする。赤澤「へ?名無子、い、今なん・・・お、わぁ!」ガクンッと一瞬バイクが安定を崩したが赤澤はすぐさま立て直す。さすが、昔と変わらず運動神経抜群だ。
赤澤「もっとちゃんとつかまってないと危ないから!・・・あ、うん、そんな感じ」 私「広くて気持ちいいなあ。このまんま寝ちゃいそう」 赤澤「・・・バーカ」
いつから私は赤澤を名字で呼ぶようになったんだろう。赤澤は昔から変わらないのに。 「よし、このへんだな。降りて探してみるか」 「・・・うん」
私はゆっくりと、赤澤に回した腕を解いてバイクから降りた。赤澤と目を合わせると、少し視線を外して赤くなった。
赤澤「っ、おせーよな!何やってんだ、蒼井たち。」赤澤は辺りを見回して急に眉を顰めた。赤澤「・・・なんだ?この匂い・・・」
匂いと共に視界が急に悪くなる。赤澤「名無子、危ないからこっち来い」 私「うん・・・あれ?赤澤?」赤澤の声がする方へ行ったつもりだったのに返事がない。
「赤澤!あかざ・・・」「しっ」後ろから赤澤が私の頭を抱えるようにして地面に伏せた。「ちょっと隠れて様子見るぞ。人の気配がする」
私「あ、赤澤!」赤澤「だから、ちょっと静かに・・・」私「触ってる!触ってる!」赤澤「は?・・・っご、ごめん!!名無子!」
赤澤があわてて飛び起きた瞬間、凄まじい勢いの蹴りが赤澤の顎にヒットし、その反動で赤澤は向こうの壁まで吹っ飛んだ。私は急いでその場から飛び退く。
「誰だ!!」 鋭く私を呼ぶ声がした。思わず身構えたが、その声には聞き覚えがあった。 「・・・黄島君?」
黄島「っ・・・おまえ・・・。」黄島君は息を弾ませながら私を見た。体中いたるところ傷だらけで立っているだけでやっと、という感じだ。
黄島「って、ことは・・・俺が今蹴り飛ばしたのは・・・。」黄島君の顔が引きつる。すると瓦礫の中から赤澤が這い出す。赤澤「いっ、てぇ!黄島ー、いきなり何しやがる!」
黄島「し、しょうがねーだろ!間違えたんだからよ!それより気をつけろ!ここにはまだ・・・早乙女!」その時私は生ぬるい風を感じとっさに横に転がった。私がさっきまでいたのコンクリートが砕けて土煙を上げる。
「あるぇ?手ごたえがない。外しちゃいました?」その場にいつの間にか立っていた黒いスーツ姿の男が私を見てニコリと笑う。誰だコイツは・・・。
「社長ォー!何やってんの!アンタは会議でしょうが!カレー野郎の相手は私がしますからアンタは早・・・く・・・?」随分と美人でスタイルのいい女の人が不思議そうに私達を見た。
私、赤澤、女の人「・・・誰?」放心している私達に気づいていないのかスーツの男はおもむろに私に近づくと手を取って口づけた。
男「さきほどは気づかず無礼な真似をして申し訳ありません。まさかこんな可愛らしい女性だったなんて。改めましてシルバニアカンパニー代表取締役の黒峰と申します。以後お見知りおきを。」
赤澤「おおおお前!!俺だって5歳の時から名無子にチューなんかしてねーんだぞ!!ざけんな!!」
黒峰「おや、そうなんですか?すみません。」全く悪いなんて思っていない笑顔で微笑む。「ちなみにこっちは私の秘書の桃谷です。」
桃谷さんはさっきからいらいらした風に時計と黒峰さんの顔を交互に睨んでいる。美人が台無しの形相にも黒峰さんは全く怯まない。
黄島「おまえら、下がれ・・・、こいつら・・・敵だ。」黄島君が私と黒峰さんの間に入り距離を取る。
桃谷「オマエ意外と根性あるんだな。まだやられ足りないってか?」桃谷さんが懐からヌンチャクのようなものを取り出して構えた。
黒峰「皆さん、シルバニアカンパニーにようこそ。歓迎しますよ。」黒峰さんが笑いながら大きな銃を赤澤に向けた。桃谷「アンタはさっさと仕事に行けェェ!」
そういえば黒峰さんの声聞いたことある気がする。私「あなた、もしかして私を攫った人?」体が強張る。そうだ、薬を嗅がされた時に聞いたのは確かこの人の声・・・。
黒峰「はい、そうですよ。一度あなた方にお会いしてみたかったもので。あなたを人質に全員おびき出そうと思いました。」桃谷「女の子を攫うなんて、しかも自ら・・・変態だと思ってたけどここまでとは・・・。」
黒峰さんは桃谷さんを笑顔で黙らせ続ける「もっとも誰かさんが逃がしちゃったみたいなんですけど。まぁカレー君がまんまと罠に嵌ってくれたから問題なしです。」
黄島「カレーって言うな!」 赤澤「そうだ!カレーにも種類があるんだぞ!黄島はチキンカレーで俺は牛の角切りのカレーが好物だ!!」
私「話が面倒くさくなるから赤澤と黄島君はだまってて!」 私は二人に次々と竹刀で打ち込んだ。
私を攫ったのはシルバーではなかったのか、むしろ逃がしてくれたらしい。何故か心の奥が温かくなったことに違和感を覚える。
桃谷「それより、まさか生身で戦う気か?」黒峰「桃谷、私その可愛い子と戦いたくないんで牛の角切り君の方をやります。」赤澤「そういう意味で言ったんじゃねーんだけど!」
黒峰「チキン君のほうでもいいですが。」黄島「人をヘタレみたいに言うんじゃねえ!殺す!!」
どうしよう、戦闘モードに入っちゃう・・・ここは
1、赤澤と組んで黒峰さんの相手を
2、今にも倒れそうな黄島君を支える
3、待ってて今蒼井君たちを呼んで来る!といいつつ逃げる
2.黄島君がボロボロだ。放っておけない。私は黄島君を支えて、黒峰さんと赤澤のそばからそっと離れた。
「お前たちどこ行く気だ?」そんな私達の前ににやりと笑った桃谷さんが立ちふさがる。「・・・っち、おいお前、蒼井達を呼んで来い。ここは俺が食い止める。」黄島君は私を押しのけた。
彼の意外と硬い腕の感触に私は少し驚いた。赤澤のスポーツのためのしなやかな筋肉とは違う、戦うための鍛えあげられた腕。ボクシングの腕だ。
私「そんなこと、できるはずない。こんなに傷ついた人を置いていけないよ」私は首を横に振った。 私「だから、私が戦う!」私は腕のバンドのボタンを押した。
私の体がスーツにつつまれ、力がみなぎってくる。「はぁっ!!」私は目の前の桃谷さんの首筋に剣の峯を強く打ちこんだ。
桃谷さんはグラリとよろめいたが、すぐに体勢を立て直した。「気絶でもさせようと思ったわけ?ずいぶんと甘いことね」 私は一歩引いて彼女の出方を見た。構えからして、彼女もかなり強そうだ。
桃谷さんがヌンチャクを振り回し、私の足元や顔をしつこく狙ってくる。私はそれをすんでのところでよけ続けるけど、かなりのスピードで応戦ができない。
「早乙女!」目の前をチェーンがよぎり、桃谷さんのヌンチャクをからめとった。私は驚いてチェーンの主を見ると、まだ肩で息をしている黄島君だった。
黄島「冷酷になれよ。スポーツじゃねえんだぞ。スポーツマンシップなんか、クソの役にも立たねえ」 彼は、ヌンチャクごとチェーンを巻き取ると、容赦なく桃谷さんのみぞおちを殴った。
お腹を苦しそうに押さえて崩れ落ちる桃谷さん。 私「黄島君、女の人にそんな!」 黄島「バカ言うなよ、あのままだったらお前絶対やられてたぞ。手加減しながら戦うなんて無理だ」
「だから君は精神的に甘いといったんだ」 私の背後からよく響く声がした。私「蒼井君・・・碧山君も!」 蒼井「向こうは探し終えたからこちらまで来てみたんだ」
蒼井「インターハイの決勝で負けた時もそうだった」 私は驚いて彼の顔を見た。蒼井君があの試合を見ていた?いや、誰かに聞いたのかもしれないけど、知っていること自体が意外だった。
私はインターハイで順調に勝ち進み、決勝も当然勝つだろうと言われていた。自分で言うのもなんだけど、私は間違いなくあの大会の「本命」だった。
蒼井「あの相手の痛めた右腕を攻撃していれば、君は間違いなく勝っていたのに」
私「私が負けたのは私の鍛錬が足りなかっただけだよ。でももう悔いない。前に進んで次こそ勝つ、今の私にはそれだけだから。」
蒼井「全く君は・・・どうしてそんな風に笑えるんだ。そんなだから・・・俺は・・・。」蒼井君が困ったように笑う。黄島・桃井「おいぃ、無視すんなゴラァ!」
そうだ、赤澤は一人で・・・!私「赤澤大丈・・・!」黒峰「だからね、女性というのはそんなに簡単ではないんです。云わば神秘。」赤澤「師匠はすっげーな!勉強になりまーすッ!」
「お前らなに高1と中1みたいな会話しとんじゃー!!」私は赤澤と黒峰さんを剣で思い切り打ちのめした。
蒼井「彼はなにかの親善大使にでもなったほうがいいな」 確かに、赤澤が仲良くなれない人なんかいなかった。最初にぶつかった黄島君も、今はすっかりカレー仲間だ。
黒峰「失敬。うちで飼ってた犬に感じが似ていて、憎めなくてね。・・・おや、本当に時間だ。残念だけど、今日はここまでにしておきましょうか」
赤澤「ん?そっか。じゃあまた明日な」 私「友達と遊んだ帰りじゃないんだから!」 黒峰「まあまあ。そう怒らないでください。じゃあこれで失礼します」
何が何だかわからないうちに、私たちはその場に取り残され、ぽつんと立ちつくしていた。なんだか、私たちの考えていた「敵」とは随分違うような気がする。
蒼井「・・・しかし、まさかシルバニアファミリーのバックが世界有数の大企業シルバニアカンパニーだとは・・・。これは・・・手強い。」
とりあえず私達は先生の指示もあり今日のところは一旦解散し、また明日報告も兼ねて基地に集まることになった。
碧山「僕は一体何のためにここに来たんでしょうか・・・。」そんな碧山君の一言を最後に私達はそれぞれの想いを胸に帰路についたのであった。
「まったくアンタはどうしてすぐ誰とも仲良くしちゃうのよ。緊張感ってもんはないの?」私はこの不完全燃焼な気分を帰り道に赤澤にぶつけた。
赤澤「ん。犬って言われたけど番犬にはならねえだろうな」悪びれもせずニコニコ笑っている。仕方のない人だ。 私「赤澤は昔からそうだよね。3日以上ケンカしてるのなんて、蒼井君くらいじゃない?」
赤澤の笑顔が不意にかたまり、少しずつ消えていく。「蒼井・・・あいつには関わらないほうがいい」 私は驚いて、赤澤の顔を見上げた。「どうして?」
私「そんな事言うの赤澤らしくないよ。なんでダメなの?仲間でしょう?」 赤澤「直感なんだけど、あいつは、心の中にこっちが吸い込まれそうな暗い部分があるような気がする」
赤澤「俺だって言うほどあいつのことが嫌いなわけじゃない。だけどお前があいつに関われば、絶対に放っておけなくて深入りする。お前が傷つくの、俺、見たくない」
私「な、何らしくないこと言ってるの!そんなことない・・・蒼井君は・・・。」今日、私たちをうらやましいと儚げに笑った彼を思い出した。
「らしくないって何だ?俺は昔から変わらないぜ?」 珍しく、赤澤が真顔になった。「・・・ずっと、俺が守ってやるって決めてたんだ!」
いつのまにか私の腕を掴んでいた赤澤の手に力がこもる。「痛いよ、赤澤」 「・・・ごめん」 彼は力を緩めたものの、まだ私を離してはくれない。
私「私、仲間の力になれることがあったらしてあげたい。その気持ち、赤澤ならわかるよね?・・・お願い。そんな事言わないで」
赤澤は私の真剣な顔を見てうつむき、少し笑った。「わかったよ。俺はお前にはかなわないんだよなあ」そして私をまっすぐに見た。「だけど、それなら俺だってあいつを支える。お前ひとりにはさせない」
私「ありがと!一緒に蒼井君を支えようね!」と笑うと、おう!と言ってくれた。明日から私たちの戦いはどうなって行くのだろう。
次の日の朝、私は久々に道場に来た。毎日戦いばかりで練習がおろそかになっているのが気になる。
朝の6時半にはさすがに人がいない。冷たい空気と静寂が心地よく私を包み、身が引き締まる。
碧山「せぇーんぱーい☆おはようございます!」パンっと入り口が開いて碧山君がやって来た。私「こら、道場に入るときは静かにね。でも今日は随分早いんだね。」
碧山「す、すいませんつい!いや、このままだとエアーになってしまうんじゃないかと危機感を感じまして・・・。」私「何それ?まぁいいや、折角だから相手してもらえるかな?」
碧山君はいつも、私にものすごく謙遜した態度を取るけれど、私にとっても彼との練習は大きなプラスだ。筋力やスピードなど、女子とは比べ物にならない。
もともとの素質に加えて練習も欠かさないし、真面目だし、彼がいるのといないのとでは一年生だけでなく、部活の士気のあがりかたもまるで違う。私はそんな健気さにいつも救われているのだ。
深くおじぎをして私に向きなおり、すっと構える。面からわずかに透ける色素のうすい瞳は真剣そのもの。間合いを取りながら強弱をつけて容赦なく斬り込んでくる。未熟だけど、誠実で一生懸命な剣だ。
数回の手合わせの後、私は面を外して言った。「休憩にしよう」 碧山君も面を外す。頬が桜色に上気している。「先輩はやっぱりすごいな。かなわないです」
私「リーチをもてあましてる感じだよね。手足がうまく使えれば、きっともっと強くなるよ」 碧山「うーん、最近急に背が伸びてきて、自分でも変な感じなんですよねえ」 彼は照れ臭そうに笑った。
「やっぱり、みんなすごいです。僕なんか、足手まとい、ですよね…」碧山君が長い睫毛を伏せる。 私「そんなことない。私こそ、どうして選ばれたのかわかんない」
碧山「僕、先生に聞いたんです。どうしてこのメンバーが選ばれたのかって…先生が言うには、赤澤先輩は、仲間を思いやる心を知っているから。黄島先輩は、戦いの本質を知っているから」
「早乙女先輩は」碧山君は私の顔を少し見て、また目を伏せた。「人を動かす力があるから、ですって」 私「私が?先生、そんな事言ったの?」 彼は小さく肯いた。
碧山君はそのまま言った。「先輩自覚ないでしょうけど、本当にそのとおりです。部長として、先輩はこれ以上ないくらいすごい人なんです。でも僕は、できることとできないことを知っているから、なんですって」
碧山「あの中で僕だけが、差し替えが利くんです。僕だけが」くやしそうに、少し体が震えている。私はその手をとって、ぎゅっと握りしめた。
私「大丈夫だよ。碧山君の代わりなんて誰にもできない。私は皆より君と長くいたぶんよく分かるし、すごく頼りにしているんだよ。だからそんなこと・・・言わないで。」
真剣に彼の潤んだ瞳をみつめる私に「・・・先輩。」碧山君の頬がぽっと赤くなり、すぐにいつもの可愛い笑顔で笑った。
碧山「嬉しい、ありがとう先輩。・・・大好き、エヘヘ」
私はふさわしくないんじゃないかと、ずっと思っていた。だけど碧山君だって不安なんだ。きっと他のみんなも。全力を尽くそう。全力を尽くせるよう、鍛えていよう。
私はまだまだ未熟だ。だけど、先生が私に期待してくれているなら、ふさわしいと思っていてくれるなら頑張りたい。そう思いながら、朝の稽古を終えた。
稽古を終えて教室に戻る途中、後ろから視線を感じて振り向くと見覚えのある女子が私を見ていた。
私「確か碧山君のクラスの・・・何か用?」女子「先輩と少し話したいんですけどいいですか?」何だか殺気を感じるような・・どうしようかな
1、話を聞く
2、逃げる
3、まさかファミリーの一味!?よぉし変身!
1.話を聞いてみよう。なんか普通じゃない殺気を感じる
私「何かな?前に伝言頼んで悪かったね」 私がそう言うと、女の子は私をきつく見据えて言う。「水野です。単刀直入に言いますけど、先輩は碧山君にまとわりつきすぎです」
私「まとわりつく?」何の事だかピンとこない私に、水野さんは続けて言う。「部員と部長の関係なだけなのに、個人的に教室まで会いに来たり、二人きりで朝錬とか、おかしいです」
私「それは碧山君が・・・」 水野「彼、最近居眠りも増えたんです。朝から晩まで先輩が稽古で碧山君を振り回してるからでしょう?やりすぎです」
水野「それに先輩は、赤澤先輩とつきあってるんでしょう?皆言ってます。その状態で碧山君をもてあそぶなんて、ひどいです!」
私「ちょっと待って!なんかすごい勘違いしてるよ・・・赤澤と付き合ってるとか碧山君にまとわりついてるとか」水野さんが言い返そうと口を開いた時、こっちに向かって碧山君が走ってきた。
碧山「せんぱ〜い!はぁ、はぁ、先輩!わ、忘れ物」水野「あっ、碧山君・・・」碧山「ふぅ。あれ?水野さんと先輩ってお知り合いだったんですか?」
私「あー、ちょっとね。ありがと、碧山君。水野さん、言いたいことはなんとなくわかったけどあなたの言ってることは全部誤解だから。どういう理由かはしらないけど気を悪くさせたならごめんね。じゃあ。」
何か色々メンドクセ、と思った私は碧山君から忘れ物のポーチを受け取ると早々にその場を後にした。
教室に帰ると、赤澤が机にうつ伏せて、顔だけ横を向けて寝ていた。すがすがしいほどのアホ面だ。
確かに赤澤は女の子には人気がある。女の子だけじゃなくて、男子にも。スポーツマンで、誰にでも優しくて。だけど、恋愛対象になるかというと、よくわからない。
今回みたいな勘違いをされるのは、実は初めてじゃない。そのたびに私は否定したり、女子にシメられそうになったり、大変な思いをしてきた。
「人の苦労も知らないで。なによこのナチュラルボーンアホ面」私は赤澤の高い鼻をぎゅっとつまんだ。
「んっ!!ぐはぁ!!なんだ名無子、死ぬかと思ったじゃねえか!!」赤澤が急いで飛び起きた。
私「そろそろ一時間目始まるよ。ていうか最近、いつにもまして寝すぎだよね?」 赤澤「ん・・・まあ、俺にもいろいろあるんだ」 そういうと赤澤は喉の奥まで見える大あくびをした。
私はと言うと、最初の変身の時よりも体が疲れていない気がする。やっぱり慣れたんだろうか?
「夢を見てた」赤澤はぼんやりとした顔で言った。「夢?」「ああ、あいつの夢だ」
赤澤「蒼井が出てきたよーな・・・。」私「好きなの?」赤澤「違ぇぇ!マジでやめろッ!・・・けど何かあいつ俺らに隠し事してる気がすんだ。」
赤澤「昨日もこんなようなこと言ったよな。悪い・・・」気まずそうに頭をかいた。「でも、何ていうんだろ。こう・・・野生の勘?血が騒ぐっての?」
赤澤「昨日、関わらない方がいいっていったろ?」私「うん、でもそれはっ!」赤澤「わかってる、名無子の気持ちは昨日聞いた。だから、俺もあれから考えたんだ・・・蒼井のこと。」
赤澤「あいつは危ういところにいつも立ってる、そんな感じがする。俺だってあいつのこと仲間だと思っている。けど、どうしてもあいつの暗い部分に反応しちまう。無意識にだ。」
赤澤「その闇が何なのか、俺にはわからない。だけどこのままアイツを放っておいちゃいけないって感じるんだ。・・・名無子、何でもいい。お前蒼井について何か知ってることはないのか?」
知らない、と言おうとしたけど、赤澤の猫のような鋭い目が私をじっと見ている。この人に私はうそをつけない。アホに見えて、こういうときの勘は天才的なのだ。
「名無子?」何から話そう?頭の中がごちゃごちゃだ。「・・・あ・・・あとで・・・」私は震える手を自分で押さえながら言葉を絞り出した。
ふいに赤澤が席を立った。「赤澤?授業、始まるよ?」「いいから!!」少し強引な、だけど優しい手が私の手を引く。「ちょっと・・・」そのまま私たちは教室の外へ飛び出した。
私「赤澤!皆勤賞ダメになるから戻らないと・・・」 赤澤「だってお前、震えてんじゃん!!そんなの、ただごとじゃないだろ!」
ひとしきり走って、誰もいなくなったとたん、こらえていたものがこぼれおちる。私は戸惑う赤澤の前で、泣きじゃくりながら蒼井君と先生の話をした。
482 :
名無しって呼んでいいか?:2008/12/18(木) 01:51:55 ID:S1YeMBeW
hoshu
半年も落ちずに残ってたのかwwwすげえwwwww
一旦切って別の話にした方がいいんじゃ…
久々に来たら止まってたんだな
もし仕切り直すならハーフサイズの話になるのかな?
前に書いてた人はまだスレにいるんだろうか
スレの存在を忘れていた
序盤参加したけど途中でこの板に来なくなってやめた気が・・・
487 :
名無しって呼んでいいか?:2009/01/09(金) 08:45:15 ID:9cqrMgIz
さて、始めようか
どんな話にする?
このスレまだあったのか
前にどんなのがあったのかも忘れてしまった
アイドルもどきとかRPGとか心霊ものだったような…
KY王子の存在思い出した
いたwRPGのやつはROM専だったけどおもしろかった
あの王子いい味でてたなあ
RPGの前後のやつはさっぱり記憶にない・・・
ファンタジーの方が考えやすいのかな
じゃあ、ファンタジーでやってみる?
といってももう半分くらいしか残ってないけど
ファンタジーやるなら500で開始して次スレまで持ち越したい感じ
あの話、終盤時間がなかった覚えが
このスレが失敗したのは設定をガチガチに決めすぎて動けなくなったからだと思う
まあ長さは進み具合によって変えればいいんじゃないか
続きそうなら次へ持ち越し、とか
はいはい、じゃあ、500で始めるんだよね?
ファンタジーだっけ、おk
じゃあはりきっていってみましょう↓
目が覚めると、私は見知らぬ異国の地に飛ばされていた。
「あれ、ここどこ?私さっきまでベットで眠っていたはずなのに……」眠い目を擦りながら辺りを見回す。
「気がついたか?」私と同い年くらいの金髪の少年がを覗きこんでいる。「行き倒れてて、賊にさらわれそうになってたんだぞ」
「はぁ、それはどうも…」御礼を言おうとしたところで、ふと彼の腰に目線を移すと少年が帯刀していることに気付いた。
私「か、刀!?」 少年「・・・刀がどうかしたか?変な奴。変な服だし、どっから来たんだよ。・・・俺はフィリップ。あそこに見える鍛冶屋の息子だ」
私「私は・・・名無子。日本から来たの」 フィリップは「知らない国だな。おいお前、刀や杖はどうしたんだよ。その服じゃ、踊り子って感じでもないし」
「わ、私は・・・」その時、野生のゴブリンが現れた!!
「くっ、こんな町の近くまで、おい!名無子、オマエは下がって…」ゴブリンの攻撃!前衛の名無子は50のダメージ!名無子は倒れた…
その時、私の体を何か光のようなものが包んだ。うっすら目を開けると、馬に乗った騎士がこちらへ駆け寄り、あっというまにゴブリンを斬った。
私が言葉を発しようとすると、騎士は光の粒となって消えてしまった。 フィリップ「すげえ、俺、召喚士って初めて見たよ。本当にいるんだな」
私があわてて否定するのをフィリップは遮る。「おまえならできるかも・・・この城の王子が、悪い魔女に攫われて人質になっちまって、国王は魔女の言いなりだ」
フィリップ「国民は搾取されるままで、食うにも困る生活だ。頼む、俺と一緒に王子を救う旅に出てくれないか?」
ようやく理解した、これは夢だ。まぁ覚めるまで適当に付き合っとくか。「うん、いいよ。じゃあ、さっさと王様に50ゴールド貰いに行こうよ」
城につき、門番へ魔女を倒す旅に出る旨を伝えると、謁見の間へ通された。そこにはプラチナブロンドの青年が立っていた。こちらを向くと眼鏡の奥の瞳を、まぶしそうに細めた。
「お前も、魔女を倒しに・・・」フィリップはそう話しかけたが、青年はツンと横を向いて「静かに」と言って眼鏡を押し上げた。なんだか怖い人みたい。
「陛下のおなーりー!」銅鑼の音が派手に響いた。ベタな演出だ。ゆっくりと奥からやって来たの意外にもナイスミドルな威厳のあるおじさんだった。
「あーと、何だ。よく来たな。そこの眼鏡は宰相の息子で俺の甥でもあるレインだ。性格歪んでるけど仲良くしてやってくれ、旅の仲間同士、な?」
私「仲間!?」 レイン「お言葉ですが陛下、私は仲間など必要ありません。攻撃も回復も、私一人で十分ですから。」
王様「レイン。お前は魔法使いの見習いの中でも、とりわけて優秀だ。あと必要なのは経験値だけ。奢りや視野の狭さは自らの成長を妨げることになる」
レイン「しかし!こんな連中いても足手まといになるだけです。どうせ金目当てでやってきた戦闘経験も何もない素人などと共に行けません。」レインがゴミを見るような軽蔑した視線をこちらに向ける。
フィリップ「ふざけんな!俺は街で一番の鍛冶屋の息子だ!剣のことなら俺が一番わかってる!この国の武道会で優勝した経験だってあんだからな!」
王様「そりゃすごい。まぁ、俺様は今大事な息子人質にとられちゃって実質魔女の言いなりだし。誰かが秘密裏に動いてこの状況を打開してくれん限りはどうにもならん。」
フィリップ「魔法使いっつったって見習いじゃねーか、ダセー」 レイン「うるさい、その脳みそも鍛え直したらぞうだ?」王様を尻目に二人はまだケンカしている。
私「もう時間の無駄だからさっさと旅に出ようよ。日が沈んだら遠くまで行けなくなるよ」
フィリップとレインは口論をやめ、いよいよ旅立つことになった。 王様が50ゴールドと地図のほか、ひとつだけ宝物をくれるらしい。どれを選ぶ?
1.姿消しのマント
2.天気をあやつる指輪
3.謎の魔獣の子供
525 :
名無しって呼んでいいか?:2009/02/04(水) 00:12:40 ID:7ph4I6gm
3 魔獣の子供
フィリップ「手なずけたら強くなるんじゃねえ?おい、俺が親だ!」
レイン「ふん、貴様になど扱えるか。おい、私が今日からお前の主人だ。人語が理解できるか?卑しい獣の子よ。」
魔獣はそんな二人を無視して、私の腕の中へ飛び込んできた。ふわふわの毛が気持ちいい。 フィリップ「…まあ、召喚士だから相性がいいんだろ」
こうして私たちは旅を始めることにした。まずは装備だよね。街へ行こう。
とりあえず情報がなければ何にもならない、色んな人に話しかけて王子や魔女の話を聞こう。
手始めに、武器防具屋へ立ち寄る。「いらっしゃい!いいもの揃ってるよ」 店主の威勢のいい声につられて品揃えを見るが、とても50Gでは買えない物ばかりだった。
フィリップ「おっちゃん、ガラクタでいいから50Gで貰える武器とかある?」
店主「ガラクタ?ああ、このミスリルのロングソードなんかどうだ。いい素材だが、重くて売れないんだ」
フィリップ「上等!それくれよ。鍛え甲斐がありそうだ」そういやこの人鍛冶屋の息子だったわね。
レイン「おい、それでこの女の装備はどうするんだ。いくら召還獣が扱えるからと言っても丸腰だと危険だぞ。」
フィリップ「お前が魔法で出したらいいじゃん」 レイン「俺は手品師じゃない」
私「レインって王様の前だと私なのに、一人称は俺なんだね!猫かぶり?」レイン「気安く呼び捨てるな。」
レイン「防具も持たない愚か者め。ゴブリンにやられた死体を片付けるのは俺はごめんだね。来いよ、知り合いの防具屋があるんだ」
レインに連れられて私たちは防具屋へ着いた。レイン「おい、手ごろで軽い防具はないか。魔女の所へ行くんだ」
防具屋は一瞬で営業スマイルを凍りつかせた。「いけません!あんな危険なところ!それに今は、海峡の渦潮が邪魔をして航海できないはずです」
レイン「海神だな。・・・聞いたことがある。海が荒れた時、北の洞窟の奥にある鍾乳洞で出来る結晶の塊を人柱の代わりに海神に捧げたそうだ」
私「海がダメなら空を飛べばいいじゃない。飛行機とか気球とかないの?」
レイン「馬鹿だなお前は。人間が空を飛べるはずがないだろう」 フィリップ「そうだ。空を飛ぶのはRPGでは終盤って決まってるんだぞ!」
フィリップ「まあ俺は、いつかは人間も飛べると思うんだけどな。」 レイン「無理だ。もしできたら、何でも一つ言うこと聞いてやろう。できるはずはないが」
私「じゃあ今は海神を鎮める方向で頑張ろうか。鍾乳洞へ向かおう」
その前に装備を揃えなくちゃ。レインの知り合い価格で90%OFFにしてくれるみたい。どれがいいかな?
1.羽根のマント(回避力UP)
2.銅製の胸当て(防御力UP)
3.光石のピアス(魔法力UP)
3.光石のピアス
私「召喚士だもん、魔力は大事だよね!」 フィリップ「おまえ・・・かわいいアクセが欲しいって顔に書いてあるぞ」
レイン「ちょっと待て!何90%OFFとか勝手に言っている!残りは俺の自腹じゃないか!」外野がうるさいなー、まぁほっといて旅に出よう!
フィリップ「でももう夕方だし、今日は宿屋に泊ろう。節約しなくちゃいけないから、ふた部屋にしよう。俺たちはツインで、名無子と魔獣でシングルを使ってくれ」
その晩は隣の部屋でフィリップが刀を鍛える音が響き、レインとケンカをしているのが聞こえてきたが、疲れていたのでぐっすりと眠れた。
「んん・・・」なんだか息苦しくて明け方目を覚ますと、私のベッドの中に大きな男の人が一緒に眠っていた。
「いやああああああああ!!」私は叫んで慌ててフィリップたちの部屋へ駆け込んだ。 レイン「・・・どうした」 私「ベッドに知らない男の人がいる!!」
ふたりを連れて部屋へ戻ると男の人はいなくなっていて、ベッドには魔獣がすやすやと寝息をたてているだけだった。 フィリップ「夢だ夢。おやすみ〜」
私(夢…?あれが?) しかしベッドに戻って眠る気にはなれず、私は部屋の片隅で寝た。……そして夜が明けた。
「ふあぁ〜」 三人ともあくびをしながら朝食をとった。 フィリップ「ねぼけて起こすから・・・」 レイン「ああ。俺のノンレム睡眠を邪魔するな」
私「だって!本当にいたんだもん!」 フィリップ「リアルな夢ってけっこうあるって」 レイン「お前のような貧相な女を誰が襲うんだ。自意識過剰だ」
大騒ぎしながら再び街へ出たとき、昨日の防具屋が駆け寄ってきた。「待ってください!ぼっちゃん!これを持って行ってください!!」
防具屋「これは水への防御力を強めるシールドです。海を渡るなら必要になるでしょう」 レイン「いいのか?代金は・・・」 防具屋「・・・戻ってきたら、お願いします」
防具屋「レインぼっちゃんとは長いおつきあいですが、あなたたちが初めてのお友達です。誤解されやすいところもありますが、根は優しい良い子です」
私「レインって友達いないんだ」 フィリップ「まあそうだろうなあ。しょうがねえ、仲良くしてやるよ」 レイン「だから!ああもう、余計な事を言うな、行くぞ!」
そして私達は、レインの案内で北の洞窟へと辿り着いた。洞窟内は暗く、足元も良く見えない。レインがぼそぼそと何か唱えると、私達の周りがぱあっと明るくなった。
私「わぁ、レインがいると電気代がかからなくっていいね!」 レイン「バカなことを言ってないできりきり歩くんだ。足元が滑るぞ」
私「わかって・・・きゃっ!!」 言っているそばから私は足をすべらせ、魔獣を抱いたまま洞窟の底へまっさかさまに落下してしまった。「し、死ぬ!」
レイン「くっ、言ったそばから、お前は」フィリップ「名無子!大丈夫か?!」二人が手を伸ばして両腕を掴んでくれていた。た、助かった…
フィリップ「名無子、おまえ、意外と重・・・」 レイン「ああ、少しはその見た目でこの体重はおかしい」 私「え?太ってるなんて言われたことないけど・・・」
ふと足の方を見ると、背の高い青年が私の足首にすがりついている。 私「ええっ?ちょっとアンタ誰!」 青年「説明は後にさせてぇな。死んでまうやないか」
私は必死の思いで青年と一緒に這い上がった。私「誰よ!?」 青年「つれないわ〜。ボクの名前はアイザック。キミが選んでくれた王様の贈り物やで」
私「は、放して! 足が抜けるううう〜!!」 私は足をじたばたと動かした。 青年「おわっ! ちょっ…」 レイン「馬鹿っ暴れるな! 落ちるぞ」
アイザック「ナナちゃんに、フィリくんに、レイたん!合っとる?これからよろしゅうなー」にへらと頬を染めて笑う青年とは対照的にレインが固まった。
かろうじて冷静だったフィリップが言う。「ちょっと待て。俺たちが王さまから貰った贈り物は、こんなちっこい魔獣だったんだが・・・」
アイザック「話せば長くなってまうんやけど、ボクなあ、寝首をかいて魔女を倒そう思て、失敗してもうたんや。そんで、呪われてしまったっちゅーわけや」
アイザック「折角の男前も、おてんとさんの下ではあんなチンチクリンになってまうんや。そんでなあ、キミらについてったら、魔女の呪いも解けるんやないか思て、ついてきたんや」
アイザックがうんうん、と頷くと耳飾りが揺れる。まるで少数民族を思わせる装いはどこかの地方のものなのだろうか。
私「魔女を倒すつもりだった…ってことは、もしかして魔女の弱点とか知ってたりする? 魔女の城に忍び込む方法とか、トラップの位置とか、お宝の場所とか!」
アイザック「いやぁ、それなんやけど・・・呪われてから前のこと、実はよう覚えとらんねん。自分がどこの人間かも、なんで魔女に刃向おうと思ったかも、忘れてもうた」
フィリップ「チッ、使えねーな」 レイン「贈り物ではなく厄介者だな」 私「ちょっと二人とも!そんな本当のこと言っちゃダメだよ」
アイザック「ナナちゃん、それフォローになってへんよー」言いながらぽんぽんと私の頭を撫でた。
フィリップがそれを見てハッとした顔をする。「まさか、明け方名無子のベッドにいたのって・・・」 アイザック「あー、それボクや。バレてもーたな」
レイン「ふ、ふ、不潔!役に立たない上に不潔だ!!」 アイザック「役に立たんとか言わんといてや。ボクは歌と踊りが得意やってん!行楽のお供には最適やで」
「行楽じゃない!!」三人の叫び声が洞窟内にこだました。
フィリップ「…ったく。歌と踊りで、どうやって魔女を倒そうとしたんだよ」 私「あ、でも歌は分かるかも! ほら、セイレーンの歌で船が沈むようなやつ」
レイン「フン、船が沈むほどの音痴か。」アイザック「聞いたこともあらへんくせにー、レイたんのあほ」レイン「次にその名前で呼んだら丸焼きにするからな。」
アイザック「うわーん、レイたんのいけず!!そないなこと言うから友達でけへんのや!」 私「それはかわいそうだから言わないで!」 フィリップ「そうだ!友達がいないのは禁句だ!」
レイン「何言ってんだお前ら!」 アイザック「来世ではいっぱい友達できるとええな」 フィリップ「体を鍛えればいじめられないぜ」 レイン「いじめられてない!」
レイン「き、貴様ら…っ!」青筋を立てて私たちを睨み付けていた、レインが突然目を見開いた。レイン「避けろっ!」
振り返ると斧を持った巨人が後ろに立っていた。巨人はゆったりとした動作ながら、斧を振り上げてはやみくもに下ろし、私たちを狙ってくる。
レイン「フレイム!!」 レインの放った火が巨人の膝あたりをかすめて焦がす。巨人はさらに怒って斧を振り回す。フィリップが高くジャンプして巨人の背中を斬りつけ、カウンターで自らも傷を負う。
フィリップ「おいおい、こんなの聞いてないって!」そう叫びながらフィリップが巨人に切り掛った。ガキンッという音がしてすぐさま斧の攻撃を避けて飛びのく。フィリップ「っ〜、かってぇー!!」
↑かぶったすまん
どうしよう、かなり苦戦しそう
1.逃げる フィリップ「危ない時は逃げるが勝ち!」
2.召喚獣を呼ぶ レイン「腐っても召喚士だろう」
3.アイザックの歌に賭けてみる アイザック「ボクの美声、どうや?」
3.
ここはアイザックの歌に賭けてみよう。 私「アイザック、歌で何とかならない?」 アイザック「よっしゃ、まかしとき」
アイザックの口から綺麗な旋律が流れ出る。普段のアイザックの声とは思えないような歌声が辺りに響いたかと思うと、今まで暴れていた巨人が大人しくなった。
巨人の手から斧が落ちる。続いて、その身体も地に伏した。思い震動が収まった後、気の抜けたようなフィリップの声が聞こえた。「…こいつ、寝ちまってる」
アイザック「ナナちゃーん!やったでー!ほめてほめて!」 私「良かったね。でも早く逃げようか」 レイン「ああ、起きないうちにさっさと行くぞ」
暗い洞窟の中を今度は慎重に歩いていく。アイザックは鼻歌を歌いながら、ちゃっかり私と手を繋いでいる。
アイザック「デートみたいやなぁ〜!ボク幸せ!」レイン「おい、獣。うるさいんだよ、声が反響してまたさっきみたいなのに見つかったらどうするんだ、低脳。」
その後も何度かモンスターの襲撃に遭ったが、何とか上手くやり過ごし、私たちは洞窟の最深部まで辿り着いた。後は結晶を探して持ち帰るだけだが・・・。
「あ!」 フィリップが遠くを指差した。「あの明るくなってるとこ、つららみたいなのが固まってねえ?あの部屋だ、きっと!」
私たちが駆け寄ると、待ち構えていたようにひときわ大きなモンスターが立ちはだかった。「我が名はタイタン。ここから先へは通さん」
タイタンは私たちを踏みつぶそうと執拗に追いかけてくる。そのたびにものすごい量の砂塵が舞い上がり、私たちの視界を遮る。
フィリップ「アイザック、歌!」 アイザック「ボクの歌はあんなに大きい身体の子にはきかへんねん!」 レイン「役立たず!!」
「名無子!」 私の頭上に大きな足が迫る。もう間に合わない!「何!?」見ると、あの馬に乗った騎士がやってきて、タイタンを大きく斬りつけた。
タイタンと騎士は斬りつけあい、おたがいに一歩も譲らない。 レイン「フィリップ、お前もタイタンの後ろに回って斬りつけろ。俺は今のうちに魔法の詠唱をしておく」
ふいにアイザックの勇ましい歌声が聞こえてきた。なんだか体が軽い。力がみなぎり、いくらでも動けそうだ。フィリップの剣さばきも冴えている。
騎士がタイタンの右手を、フィリップが左手を剣で捉えた。フィリップ「今だ、レイン!やれ!」レイン「言われなくても。」
レイン「フローズン・スピア!」 レインの声と共に発生した氷の槍がタイタンに突き刺さる。 「ぐうっ…!」 タイタンは呻いてよろめいたが、自身に刺さった氷を掴むと粉々に砕いた。
ダメージを与えられたとはいえ、渾身の魔法を打ち砕かれたレインは悔しそうに顔をゆがめた。アイザックはさらに大きな声で歌い、みんなの気力を奮い立たせる。
フィリップが目にも止まらない速さでタイタンを連続で何度も斬りつけ、タイタンは苦しそうに悶えた。そこを見逃さず、騎士がタイタンの喉元をついてとどめをさした。
タイタンは光の粒となり、私の身体へ吸い込まれる。私が驚いていると、騎士も同じように光の粒となり、消えて行った。
レイン「今の騎士はオーディンだな。聞いたことはあるが、都市伝説だと思っていた」 フィリップ「今のでタイタンも仲間になったんだよな!すげー!!」
タイタン「ま、魔…っ様……」そして、最後に何かを呟くと、タイタンは煙のように消えてしまった・
↑サーセン スルーで
私(でも私が呼んだわけじゃない。私がそんな力、持ってるわけないのに…。さっきの騎士、オーディンはどうして護ってくれるんだろう。確かこの世界に来たばかりのときも…)
ぼんやりしている私をよそに、洞窟の奥の結晶にみんなは大興奮していた。 フィリップ「すげぇ!これ、焼成に使えねえかなあ」 レイン「神聖なものだからバチがあたるぞ」
自然のものだというのに一点の曇りもなく、キラキラ輝いている。こちらがおかしくなってしまいそうに美しい。フィリップは大きな剣で、その一番立派な塊を器用に切り落とした。
その時、欠けた結晶の破片が、私の足元に転がってきた。拾い上げてみると、その破片でも神々しい輝きは損なわれていなかった。 私「これ、貰っちゃってもいいかな」
アイザック「ええんちゃう?似合うとるやん!」 フィリップ「何か加護があるかもしれないしな。あとでネックレスにしてやるよ」 私「えへへ、やったー!」
そして私たちは元来た道を戻って行った。「転送魔法とか使えればいいのにね」 レイン「あれは魔導師の呪文だ。悪かったな見習いで」
レイン「海が一望できる岬に海神を祭っている祠がある。そこにこの結晶を捧げるんだ」 私「そうすれば海を渡れるんだね」 レイン「ああ。問題なのは、俺たちが船を持っていないということだ」
私「船も召喚できたらいいのにな〜。おーい、船〜!!」 レイン「バ・・・っ、周りに聞こえたら恥ずかしいだろ、このうすら馬鹿!!」
フィリップ「とりあえず、岬近くの村で船を持っている奴がいないか聞いてみようぜ」 アイザック「カワイコちゃんだとええなぁ」
外に出るとアイザックは獣の姿に戻り、私はそれを抱きかかえた。 レイン「岬の村は、ここ数年うずしおのせいで海産物がとれず、苦しい生活をしているらしい。どうしているだろうか」
道中、襲ってくるモンスターを倒しながら進んでいく。森を抜けて、開けた場所に出ると、目の前に青い海が広がっていた。
海は大荒れで、はるか水平線の向こうに渦潮があるというのに、波打ち際まで大きな波が寄せてきていた。フィリップ「なるほどね。これじゃ渡れないわけだ」
村へ足を踏み入れると、古びたり壊れたりした建物が目だち、どんよりとした空気がただよっていた。私はすぐ近くにいたおじさんに声をかけた。
私が船を借りたいというと、おじさんは驚いた顔で「バカ言っちゃいけない、あの荒れた海を渡れるはずないだろう。それにもう、船は全部売ってしまったよ」
レイン「私達は海神を鎮める結晶を持っています。船さえあれば海を渡れるのですが」 おじさん「ああ・・・でも本当にないんだ。たった一艘残った船も、村の若者が乗って行ってしまって」
「貧しくなった村を救うため、海を渡って商売をするのだと。それきり帰ってこない・・・」 おじさんは悔しそうに赤い顔で下を向いた。
私「とりあえず祠に行って、海神を鎮めようよ。海を渡った村の人達も、戻れなくて困っているかもしれない」 フィリップ「そうだな。んで、その祠ってやつはどこにあるんだ?」
レイン「馬鹿か、あんな海に出て行った人間が生きているわけがないだろう。気休めはよせ。」おじさんに教えてもらった祠に向かう途中レインが私に冷たく言った。
私の腕の中で、アイザックが何やらレインに向かって鳴いている。私はアイザックを撫でながら、静かに言った。「でも私は、少しの望みに賭けたい」
するとレインはしばらく無言で立ちつくしたが、ふいに早足になり、私たちの先頭をきって歩きだした。後ろを振り向くことはなかったが、その背中は私たちを導いているように見えた。
フィリップ「何だかなー、素直じゃないよなー。アイツ」フィリップは私にニッっと笑いかけた。
「ほんとは自分も信じたいくせにな。」そういうとフィリップは先に進むレインの方へ走っていった。フィリップが無理やりレインの肩を組んで、レインが嫌そうに振りはらう。案外あの二人いいコンビなのかも。
レイン「…ここだ」 私「え? ここ?」 フィリップ「…ひでえな、こりゃ」 私達が辿り着いた場所は、そこに神が奉ってあるとは思えないほど酷い荒れようだった。
伸びきった草木が、辺り一面を覆っている。誰も立ち入らないのか、人の足で踏みしめた形跡はない。雑草の中に立っている祠は、腐食してボロボロになっていた。
フィリップ「・・・これは海も荒れるよなぁ」 レイン「なんなんだこれは。俺の美意識に反する。おい、ぼんやりするな。片付けるぞ」
私たちは祠の周りを整備し始めた。フィリップは器用に新しい板で祠を作り直し、私とレインは雑草を取り除く。アイザックもお供え物の木の実をどこからか持ってきた。
見違えるほどきれいになった祠に、フィリップは大事に持っていた結晶をうやうやしく捧げた。私たちは両手の指を組み、しばし祈る。
640 :
名無しって呼んでいいか?:2009/02/15(日) 23:15:00 ID:4GvnJDI/
するとそれまで強く吹いていた風がだんだんと弱まり、低く垂れこめていた暗い雲が徐々に晴れていった。 レインが空を仰いで言う。「海へ急ごう」
村へ戻ってきた私達が目にしたのは、晴れ渡る空と穏やかな海をただ呆然と見つめる村人達の姿だった。
おじさん「…う…海が…!海神さまが鎮まったぞ!」おばさん「ああ、やっとこれで洗濯物が干せるわ!」馬「ヒヒィーン!」子供「あ、見て!海の向こうに船がいるよ!あれ、兄ちゃんの船だ!」
ゆらりゆらりと大きな帆船が水平線の向こうからやってきて、やがて静かに港へと漂着した。船員たちは皆、ぼろぼろの服を着てフラフラと降りてくる。
その一番最後から、背が高く、逞しい体つきの青年がゆっくり降りてきた。彼は他の皆と違い、足取りがしっかりしている。何も言わなくても、身に纏う空気が彼をリーダーだと物語っていた。
青年は駆け寄ったおじさんと二言三言話すと、こちらに向かって歩いてきた。 青年「あんたたちが海を静めてくれたんだって? 助かったよ。本当に感謝してもしきれない」
そういうと彼はにっこりと優しくほほえんだ。明るいけれど落ち着いた、出会って間もない人間の警戒心さえ解いてしまいそうな笑顔だ。
青年「オレはラウル。ここの村の商人だ。お礼にひとつ、うちの店のものでなんでも欲しいものを言ってくれ。」
「俺たちにやる物があるんなら、岬の祠にお供えでもしてやれよ。色々あって余裕なかったんだろうが、ひでえ有様だったぜ」 珍しく棘のある言葉に驚いて、私は隣に立つフィリップを見た。
「ああ、申し訳ない」ラウルは悲しそうに目を伏せた。「あの祠は、一定以上の霊力のある者がいないと、近くに寄ることさえできないんだ。村の巫女の婆様が、二年前に死んでしまって、・・・それきりだ」
レイン「まあ、俺はゆくゆくは大魔導師になる男だからな」 「あんたか?ありがとう、本当に助かったよ」ラウルはレインの言葉を遮って私の手を取った。
レイン「何でも欲しいものを言っていいんだな」 冷たい目が鋭く光る。 「お前の乗ってきた船、それを譲ってもらおう」
ラウル「それはダメだ」 にこやかな表情は崩さぬまま、だけど凛とした表情で言い放つ。「こいつは村の再建の生命線だ。俺たちの商売は、この船にかかってる」
ラウル「…でもまあ、そうだな。遠くまでは無理だが、ここから少し東に行った所にエストックの港がある。そこまでなら俺が送っていこう」
私「本当に?ありがとう!!」私はラウルの手を取って喜んだ。 ラウル「あはは。で、あんたらはどうして海を渡ろうと思ったんだ?」
どうしよう、本当のこと言うべきかな・・・でも反対されたら船に乗れなくなるかも。
1.本当のことを話す 「王子を救うために魔女を倒しに行きます」
2.うそをつく 「観光です☆」
3.適当にごまかす 「えーと、そんなことよりこの魔獣が今から踊ります」
3.やっと海から帰ってこれたのに、心配事増やしちゃいけないよね
ラウル「今日はもう遅い。オレの家に泊ってくれよ。たいしたとこじゃないけど」 こうして、私たちはラウルの家に今晩お邪魔することになった。
フィリップ「しかし、あんな嵐でよく無事だったな」 ラウル「ああ・・・こういう話をすれば、寝ぼけていると思われるだろうが、オレ、神様を見たんだ」
ラウル「渦潮に呑まれそうになって、目の前に白髪の老人が浮かんだ。ああ、これが海神エーギルだって。もうダメだと思ったとき、騎士が俺たちの船を攫ったんだよ」
私「それって・・・!」 ラウル「確信はないがオーディンだと思った。そこから先は覚えてない。ずいぶん長い間だったような気もするが、ついさっきかもしれない。記憶が混乱してる」
レイン「オーディンだと!? おいお前、俺たちが気付かない間に何をしたんだ」 私「し、知らないよ! レインだって、私が一緒に祠掃除してたの知ってるでしょ」
レインの言葉で、ラウルが訝しげに私を見る。 私「な、なんでもないよ!あはは・・・」 ラウル「そうか。まあ話せない内容なら仕方ない」 ラウルは納得してない顔で、お茶を飲んだ。
その日は、私にすがりつくアイザックをフィリップとアイザックがひきはがして1:3の部屋割がされた。 ラウル「偏ってんな?」 私「うん、この子オスだから」
ベッドの中でうとうとしていると、頭の中に直接響くような不思議な声がした。「・・・フリッグ。・・・待つ。お前なら・・・その日まで・・・フリッグ。」
「待って、行かないで!」フリッグと呼ばれた私の体から私のものでない声がした。私は・・・私はそんな名前じゃない。私は・・・
おかしな夢を見たせいで、夜中に目が覚めてしまった。「少し夜風にあたりたいな・・・」こっそり部屋を抜け出し、海が一望できる岬まで出た。
そこには先客がいた。それは・・・
1.フィリップ
2.レイン
3.アイザック
2、 「レイン…?そんなところで何をやってるの?」私は思わずその後姿に声をかけていた。
レインは驚いたように振り向いた。レイン「お前…こんな時間に一体何をやっている?」私「レインこそ」
レイン「俺が熟睡できない要因があの部屋には二つもあってだな…」私「あぁ、あの二人イビキ煩そうだもんね。」レインは額に手を宛てて盛大なため息をついた。
レイン「……で?お前はどうしたんだ。そんな薄着で」私は寝巻に上着を羽織っただけの格好だった。確かに少し肌寒いかも…
私「頭を冷やしにきたの。すぐ戻るつもりだから」 夜風はひんやりと気持ちがよく、混沌とした私の頭の中を濯いでくれるようだった。
私「レインもこんなところにいたら寒くて寝ちゃって、海に自然にダイビングになるよ」 レイン「貴様のような寒暖もわからん奴とと一緒にするな!!」
レインは小さな声で呪文を唱えると、小さな灯を掌にともした。ほんのりと私たちの周りが温まる。私「すごいね、レインは」 レイン「ふん、聞きあきた言葉だ」
レイン「聞きあきた・・・言葉だった。俺はいつも、一番優秀で、中心にいて、讃えられるのが普通だったのに・・・あんなに無力なんて」
レインの言葉に、タイタンと戦ったときのことを思い出した。あのとき、彼の繰り出した魔法は敵の手によって簡単に砕かれてしまった。その時の、レインの悔しそうな顔は初めて見るものだった。
私「そんなもんじゃないの?私、おいしいものはたくさん食べられるけど、おいしいものは作れないよ」 レイン「貴様という奴は・・・俺は真剣に!」
レインはそこまで言って息をつくと、少し間をあけてつぶやいた。「いや、そういう物なのかもしれないな。言い得て妙だ」
レイン「お前を見てると、なんだか小さいことがどうでもよくなるな」 心なしか、少しだけ笑ったような気がした。ほんの少しだけど。
私「レインでも笑うんだー、笑顔、意外と可愛いね!」私が笑いながら覗き込むと、真っ赤な顔で口元を押さえ「も、もう、寝るぞ!」とスタスタ早足で戻っていく。
本当に冷えてきたみたい。私も走って自分の部屋へ戻り、そのまま朝まで眠った。今度は夢は見なかった。
朝、目が覚めると、波の音に混じって何か聞こえてくる。私は起き上がって、カーテンを開けた。朝日と共に目に飛び込んできたのは、船の点検をしているラウルの姿だった。
窓から顔を覗かせた私に気づいたラウルが、手を止めてこちらに近づいてきた。
ラウル「おはようさん、早いんだな…っと。寝癖、ついてるぞ?」
私「うん、おは…え、嘘!どこ!?」
ラウルが大きな手で私の後頭部の髪をほぐした。「柔らかいな。ウチの扱ってる絹とどっちかな」 面倒見のよさそうな、温かい笑顔だ。
ラウル「なあ名無子、お前は神を信じてるか?・・・オレは身寄りがなくて、小さいころからずっと村のシャーマンの婆さんに育てられたんだ」
ラウル「俺には霊を呼ぶ才能がないから、婆さんのすることがよくわからなかった。でも今回、船の上で初めてオーディンに救われて・・・婆さんの生き方がやっと理解できた気がしたんだ」
私「あの二年前に亡くなった巫女のお婆さんって・・・」 ラウル「ああ、オレの婆さんだ。魔女を鎮めようとして戦いを挑んで、返り討ちにあった」
ラウルは少し遠い目をした。「婆さんが死んじまってから、村は寂れる一方だけど、オレはオレのやりかたでこの村をまた栄えさせてみせるつもりだ」
ラウル「たぶん、あんたは婆さんと同じように神を感じることができるんだろうな。・・・少し、うらやましい」
ラウルはそういうと顔をあげ、にっこり笑って「さあ、支度しちまえよ。朝飯食べたら出発だ。久しぶりの晴天だし、風も気持ち良く吹いてるぞ」と言い、私の頭をぽんぽんと撫でた。
朝ごはんを食べた私たちは船に乗り込んだ。アイザックがちょこまかと船の一番前まで走って行く。レインは操舵室、フィリップは船の意匠を眺めている。
私「エストック…だっけ? どんなところなの?」 ラウル「賑やかで大きな街さ。いつ行っても、街全体が活気に満ち溢れている。人も物も多くて、商売をするにはもってこいだな」
ラウル「あの街なら、あんたたちが乗るにふさわしい、いい船がきっと見つかると思うぜ。・・・よし、出航だ!」 ラウルの掛け声と共に、船が動き出す。
ラウルは眩しそうに太陽を見ると、満足げに顔をくしゃくしゃにした。私はその顔を見ながら、一瞬この人が仲間ならいいのに、と思った。
だけど彼には守るべき村がある。私たちの戦いに巻き込むわけにはいかない。エストックの港についたら別れるんだ。ただ旅をしている人のふりをして。
日が沈み、そろそろ夜が訪れようとしていた。みんなで夕食を取りながら甲板で星を眺めようと集まった時、突然上空からモンスターの群れが現れた。
フィリップ「下がれ名無子!」 大きな剣をとっさに抜き、次々にフィリップはモンスターの群れを追い払い、レインが熱の呪文を唱えると、あっというまにモンスターは消滅した。
ラウル「このあたりは・・・エストックに近いこのあたりは、モンスターが出るような所じゃねえんだが・・・まさかこの辺にも何かが起きてるのか?」
アイザック「…なーんか嫌な感じやな。先を急いだ方がええんちゃう?」
ラウル「うわっ!…あんた誰だ?」あれ、ラウルが驚いてる。そういえば魔獣のときの姿しか知らないんだっけ。
アイザック「いやあ、ボクは・・・」 ラウル「あんた、そのなりはミスト族か?あの村は魔女に全滅させられたって聞いてたが・・・」
アイザック「ちょい待ち!キミ、ボクが誰だか知ってるんか!?」 ラウル「えっ・・・昔、商売で寄った村のやつらがそんな感じだったから・・・音楽の好きな少数民族だったが」
アイザック「なんや、そやったんかいな。ようやっと手掛かりが掴めたー思たらこれや。ハハハ……」アイザックは苦笑しながら頭を掻いた。
「まあ、気を落とすなよ。どっかに生き残りがいるかもしれねえだろ!」フィリップがアイザックの背中をポンと叩いて励ます。アイザックはそれに小さく肯いた。
レイン「というか、その生き残りがコイツなんじゃないのか?」アイザック「や、ほんま、頼むから空気読んで。」
そうこうしているうちにエストックの港へついた。「ここが・・・エストック?」 そこはどう見てもラウルの言っていたような賑やかな町ではなく、見渡す限り人っ子ひとりいない。
「こんなバカな・・・」ラウルが絶句する。「いったい、何が起こったんだ・・・?」
そのときだった。
完
終わっちゃったねー。ここで書いたことないけど今4のホラー読んだ
トイレとか蛇口とか雰囲気良かったし
少女時代に戻っちゃうとことか最後の野球とか感動した。乙!
三剣の厨設定、どの角度からでも出てきて仕切って大活躍!がなければもっと面白かったのに
一人ゴリ押しがいるだけで大人は整合性とる為に合わせなきゃいけないからそのキャラのルートになるね
三剣をひたすら殴り続ける主人公に一番一体感を感じたのは自分以外に3人はいる筈w
このスレの頭の方の学園戦隊ものも途中までは面白かったけどね
たぶん辻褄合わせたりしてた人が書くのやめちゃったんだよ
三剣に対する抵抗はプールで一ノ瀬が補助を拒否したのに感じたw
712 :
名無しって呼んでいいか?:2009/10/18(日) 03:09:10 ID:p1xL/V4N
〜完〜
…HAPPY END?
このスレの存在今日はじめて知ったわ
終わらせちゃうのもったいないなぁ
でも完
参加してたけどスレの存在今まで忘れてた
950まであと234レスだけど何か書けないだろうか
超短編というか一日分のお話みたいな感じで
717 :
名無しって呼んでいいか?:2009/10/19(月) 21:20:00 ID:RUHXvwJW
必要ない
完
なぜそんなに頑ななんだww
必要ないと言いつつageる
>>717はツンデレ
やれそうならやってみればいいんじゃね?
どうせこのままならdat落ちだし
半年に一回上がるねコレw
前スレはどうやって見たらいいの?
722 :
名無しって呼んでいいか?:2009/10/20(火) 05:58:04 ID:iIQzbirD
〜完〜
前スレの話、ちょっとクラキミぽい
マンコを舐めますか?
このスレってもう回らないの?
楽しかったんだけど
726 :
名無しって呼んでいいか?:2010/09/09(木) 21:59:40 ID:N7BZqEXM
面白かったね
エ○ックの恋戦隊、入ったもの
まだあったのか・・・
このスレ面白かったんだけどなあ
あと残り少しだけど何かできないかね?
もう人集まらないかな
すごい長生きスレw
前半の戦隊もののラストをどうにかまとめらんないかな。
それから次スレのプロットというかジャンルについて話をしていきたい。
このスレが最後になるのもちょっともったいないもんね。
あ、でももうそのときの人もいなさそうだし、戦隊ものはあれで「完」かな。
>>750から新しい話を作ってみない?
200レスしかないので、あちこち分岐作ってちゃんと乙女ゲームにしてみたい。
お題思いついた人いない?
アルバイト先とかどう?
店員だったり店長だったり常連客だったり
うん、バイト先いいと思う。
じゃあ
>>750から
バイトの職種は物語が始まってから決まっていけばいいのかな
それとも決めてから始めるべきか?
レス数少ないから先に決めちゃわないか?
無難なのは喫茶店や書店、お弁当屋さんとか花屋とか?
変わり種で巫女とかプールの監視員、テレビ番組の観客サクラ…無理ですね
家庭教師でお父さんor教え子が攻略対しry
教育実習生……はわりとよくあるからあれか
映画館やたこ焼き屋もいいなあ
ハウスキーパーとか
ペニス一郎とか
たこ焼き屋面白そう
そう?
お弁当屋いいかも
毎日からあげ弁当買う攻略対象Aとか
のり弁のBとか
742 :
名無しって呼んでいいか?:2010/09/17(金) 17:34:49 ID:oCQvrfb/
それ面白そう!
日替わりCとか?
もう7レスしかないね
アルバイト先まとめてみた
喫茶店、書店、弁当屋、花屋、巫女、プールの監視員、観客サクラ、
家庭教師、教育実習、映画館、たこ焼き屋
巫女と実習生はどっかできいた感じになりそうな気もする
次スレに使えそうなのもあるけど
>>750以降のミニ乙女ゲームになれそうなのはプールかな?
各自半裸スチル想像でさ
家庭教師は日替わりで違う生徒を教えるんなら次スレでやってみたいかも
745 :
名無しって呼んでいいか?:2010/10/02(土) 21:52:37 ID:ynjlJzYe
>>744 日替わり系イイ!
残り少ないのに書き込んでごめん、上げていい?
書けそうな人いるかな?
ROM専門だけど、楽しみにしてるノシ
プールは夏期限定のバイトだし短くまとめられそうだし自分は賛成だ
あとは次スレの候補として生徒日替りの家庭教師が上がってる感じか
基本それに賛成
短編だしやってみっか
詳しくは750に任した!
なかなか750にならないw
よし、加速w
私は大島優子。淫乱高校に通う普通の高校二年生。
間違えちゃった。大鳥優子、韻蘭高校だった。私ってばドジっこ☆
ドジで馬鹿な私だけど、運動神経には自信がある。今日は学校が終わったらバイトの面接に行かなきゃ。
「おっぺけぺ市民プール」(看板)
今から面接だ。よし、頑張ろうっと!
選択肢
1 笑顔をアピール
2 若さをアピール
3 ありのままの自分で
3.「よし!ありのままの自分をさらけ出そう!」優子は着ている服を全部脱いで面接に臨んだ。
「いいよいいよー。よし、体育ずわりをして足をちょっと開いてみようか。」
プッ。屁が出た。
粗相をした私はそのまま四つん這いにさせられてお尻を叩かれた
ざんねん!あなたのバイトはここでおわってしまった!
という夢を、バイト先に向かう電車の中で見た。疲れてるのかな。面接は頑張らないと。
全裸で。
面接受ける夢なんて変だと思ったら、すごく寒い。冷房利きすぎよ、この電車。
「大丈夫?肩が震えてるよ」そう私に声を掛けたのは、違う高校の制服を着た見知らぬ男の子。
周りの乗客がニヤニヤしながら優子を見ている…。「…あっ!服や下着を着てくるの忘れちゃった!いや〜ん!」
このまま家に戻ったらバイトの面接に間に合わないし、服を買うお金もない。「どうしよう…」
選択肢
1.全裸のまま面接に行く。
2.売春して洋服代を稼ぎ、服を買って面接に行く。
3.声を掛けた男の子のネクタイを強奪し、胸or股間に装着して面接に行く。
3.ネクタイを強奪し、とりあえず顔を隠した。
「とりあえずこれ着なよ。貸してあげる」男の子は鞄からジャージを取り出して私に差しだした。
しかしジャージは上着しかなかった。
「はぁ!?意味わかんねえし!」私はウンコ座りで携帯をポチポチしながらそれを拒否した。
「ありがとう!君優しいね!」優子はホッとした。しかし、男の子が差し出したジャージの胸の部分と股間の部分には大きな穴が開いていた。
>>1 >3、分岐は3行、次の人が選択。ただし10レス以内禁止
どこから再開したらいいんだろうw
ていうか人いるのか?
今時、穴が空くまで大事にジャージを着ている人って、素敵かも☆優子の胸はトクンと鳴った。
優子はジャージを着たが胸の部分と肛門の部分に大きな穴が開いていた為に、左右のオッパイと陰毛及び大陰唇が丸出しになっていた。
「仕方ない。このまま面接に行こう。」優子は男の子にお礼を言い、胸と陰部丸出しで面接に向かった。
しかし、男物のジャージのズボンはスレンダーな優子には大きすぎ、歩いている内に脱げてしまう。優子の下半身は裸になってしまった。
まあ、具が見えなければいいよね。いつものことだし。
私はウエストサイドストーリーの真似をしながらそのまま街をねりあるいた。
そこにホームレスが全裸で佇んでいた。「私に2つ貴女の所有物を恵んで下さい。」
優子は着ているものを全部脱いでホームレスに投げつけた。「変態!!」
心優しい優子は2つ所有物をホームレスに捧げる事にした。
1.ジャージ(上)と大鳥優子の戸籍
2.ジャージ(上)と大鳥優子の処女
3.ジャージ(上)と大鳥優子の全ての陰毛
3.優子はジャージと陰毛をホームレスに渡した。
その心意気で面接には採用され、優子は全裸で監視員をすることになった。
「んなわけあるか!」弟が叫んで紙を破り捨てた。そう、今までの話は私の書いた妄想小説なのだ。
私って才能ないのかな。だってこのスレ、エロネタ禁止だもんね☆それより、バイト探さなきゃ。
やっぱり働くの面倒くさい。家でゲームしよう
家で全裸になってゲームするのは誰にも迷惑掛けないもんね☆
ゲームに飽きた優子は全裸でバイトの面接に向かった。
弟「迷惑だよ。いい加減働けよ…」
そ、そうだった。明日から夏休みだし、とりあえずバイトを決めなきゃ。
私と弟は、プール監視員の面接を受けて合格し、眩しい太陽の下、水着でバイトをすることになった。
あ!あんなところに若いイケメンがおぼれている!
いきなり飛び込むのは体に良くない。私は念入りに準備運動をした。
水に飛び込むと水着がとけて私は全裸になった。
弟「んなわけあるか!」弟は私の代わりにイケメンを助けた。もちろん水着は溶けなかったし、脱げなかった。
どうしても裸ネタに持っていきたいやつはなんなんだw
すると子供達が優子の周りに集まり始めた。
子供達は優子の足に絡み付いたり、水着の端を掴んでぶら下がったりして遊び始めた。
子供たち「かっこいいねー。あの人お姉ちゃんの彼氏?」指差す先には弟がいる。
「いや〜ん!コラコラ・・・アアンッ・・・ダメェ〜ン☆」優子は子供達に優しく注意した。
しかし、多くの子供達が水着にぶら下がり過ぎた為、優子の水着は脱げてしまった。水着は排水溝から流れてしまい、優子はまたもや全裸になってしまった。
「あれ、大鳥じゃないか。」その時、あこがれのクラスメイトの佐藤君に声をかけられた。
佐藤君は優子の体をなめ回す様に見ている。佐藤君はニヤリと猥褻な笑いをしながら優子の肩にそっと手を置いた。
優子「うん、バイトしてるんだ!」私は佐藤君にとびきりの笑顔を返した。
佐藤君は「ふーんそうなんだ」と言いながら写メをとって逃げて行った
弟に救助されたイケメンが佐藤君を全速力で追いかけた。
赤外線通信をした二人は肩を組んで笑っている
なんだか仲良くしちゃって、羨ましいな。もちろんBL禁止スレだから、美しい友情に…だけど☆
私もしっかりしなきゃ。真昼間から、裸になる妄想しちゃうなんて、絶対欲求不満だもん。彼氏作らなきゃ。
裸で何が悪い!私は叫んだ
また妄想しちゃった。良かった、良かった、誰にも聞こえなかったみたい。そろそろ運命の選択肢が出る頃かも☆
弟「ちゃんと働かないと先輩達に怒られるぞ!」
妄想した挙げ句、思わず変な事を叫んでしまった私を冷静に注意する弟。
しかし弟はちんこ丸出しだった。
なーーーんて妄想しちゃうと、非乙女ゲームになっちゃう。優子は乙女ゲームのヒロインだもの。そんな妄想しないもん。
ここまでの出来事がすべて妄想だという事実に優子は愕然とした。
弟「姉ちゃんはしょうがないな」頭を優しく撫でられた。弟のためにもこの妄想癖を直してバイトしなきゃ。
今日からおっぺけ市民プールの監視員のバイトが始まる。楽しみ過ぎて、妄想しちゃった。
とりあえず時間まで寝ようと思い、私は10時間ほど昼寝した。
気付いたら夜だった。明日からがんばろう。
BADED1 「妄想の果てに」
これまでのデータをセーブしますか?
はい
いいえ
いいえ
どこからスタートしますか
1.穴あきジャージの君編
2.おぼれたイケメン編
3.あこがれの佐藤君編
3.あこがれの左藤君編(エロなしバージョン)
私は新しい水着を高速で着こんで佐藤君にほほえんだ。「楽しんでいってね!」
しかし後ろ前だった
「いゃ〜ん!上はオッパイは丸出しだし、下はお尻は食い込みアソコはブカブカじゃな〜い!」優子は恥ずかしくて堪らなかった。
と言う事態にならない様に再度チェックした。大丈夫、ちゃんと着てる。
それでもまた子供達の可愛い悪戯で、優子は再度全裸になってしまった。
仕方なく全裸でプールの監視員のバイトをする優子。男性の視線が優子に集中した。
優子は全裸にも関わらずM字開脚をしてしまう。更に男性の視線が優子に集まった。
そこに同じ淫乱高校の憧れの吉田先輩が声を掛けてきた。「やぁ大鳥さん。君の下の毛はやけに薄いんだね。」
優子「あっ・・・吉田先輩・・・。そんな所を見つめないで・・・アンッ・・・」
吉田先輩に裸をマジマジと見られる優子。「やんっ・・・恥ずかしい・・・。」
選択肢
1.そのまま全裸を見てもらい、プールにいる男達の性の奴隷として人生を送る。
2.恥ずかしくなって全裸のまま痴漢で有名な某路線の超満員電車に乗ってしまう。
3.見られる事に興奮した優子はそのまま吉田に処女を捧げてしまう。
私は1をクリックしようとしたが…。「未成年がそんなゲームすんな。バイト行ってこい」弟に怒られてしまった。
弟と一緒にバイト先に向かったが、雨が降ってきてしまった。傘がない。雨宿りをすることにした。
私は服がびしょびしょなので全部脱いだ。
服をコインランドリーで乾かしていると、イケメンが入ってきた。
「君…なんで裸なんだい?何があったの?」イケメンはそう言うと優子の左乳首を触った。
ほ、ほんとやめて下さい。この板はお子様もいるから…。優子は恥ずかしがりながら、うつむいた。
「まぁいいじゃないか。気にするな。」イケメンは耳元で囁くと、優子の内股を優しく撫でた。
「こ、こ、こんな事される為に、乙女ゲームのヒロインになった訳じゃないわ!全て妄想で補う。それがお約束でしょ!カス」優子はたまらず叫んだ。
取り敢えず服を乾かし身なりを整えた優子。
しかし、乾燥機が余りにもハイパワーであった為、優子のTシャツとスカートは縮み、臍は丸出しでスカートは超ミニになってしまった。
お気に入りの服が駄目になりヤケになった優子はさっきの痴漢イケメンを警察につきだしてきた。
警察は優子のことを痴女だと思って逮捕してしまった。
優子「と言う夢を見たの」 弟「早くバイト行こうか」 弟は冷静に流した。そうだ今日はバイト初日だ。
無事にバイト初日を終えた優子は、さっそく自分へのご褒美としてスイーツを買って帰ることにした
「いらっしゃいませ。」と迎えてくれたのは弟の親友の北村君だった。ケーキ屋でバイトしてたのか。
北村「おすすめはおっぱいプリンです」
「北村君相変わらずだね。じゃあプリンください」北村君の冗談を軽く流して私は店を後にした。
北村「ちょっと待って!」
店から慌てて飛び出してきた北村君。
「何かな?」
北村くん「パンツ脱げたみたいだよ。」
弟「北村、そういう冗談やめろよ」 弟は姉が落としたいハンカチを受け取ってさっさと店を出た。
私「そうよ、今日はパンツ履いてないんだから脱げないわよ。ほら」
優子は基本的に裸がユニフォームだった
優子「…という店だったら時給が高くてやりやすかったかな」と愚痴る程バイトの時給は低かった。
やっぱり働きたくない。家で2ちゃんねるで遊んでたほうがいい。優子はバイトをやめた。
弟「それはダメだ。」弟は姉が真っ当に生きてくれる様に願った。
「やっぱりバイトしないといけないのかな…?」優子は悩んだ。
選択肢
1.全裸でプールの監視員のバイトをする。
2.見えるか見えないかスレスレの極小ビキニを着てプールの監視員のバイトをする。
3.男には見えない水着を着てプールの監視員のバイトをする。
3.男には見えない水着を着てプールの監視員のバイトをする。
Tシャツに短パンを着て監視員のバイトに励む優子は思っていたよりも暑い館内に戸惑っていた。
余りの暑さに優子は短パンTシャツを脱ぎ捨てた。
監視員らしい地味な水着で弟は安心した。
そう、弟は女だったのです
優子「…だったら良かったな。本当は妹が欲しかったの」弟「俺は姉ちゃんで良かったよ」弟はシスコンだった。
「あれ、優子何やってるんだ?」幼馴染の佐々木が声をかけてきた。
「佐々木君、水泳やってたの?」意外な人の登場に驚く優子。
「夏だから。ここに来たら目の保養もできるし」佐々木はにやにやしている。
佐々木「実は俺… 弟「仕事中です。監視員として用がなければ話し掛けないで下さい」弟はフラグをへし折った。
「ちくしょう、お前の姉ちゃんおっぱい丸出し!!」佐々木は捨て台詞をはいて逃げて行った。
「エロしか考えてない奴とフラグ立てる気はないわ。弟、よくやった」優子は呟いた。
弟は水着のお姉さんを見ながらちんちんをこすっていた。
男には見えない水着を着ている優子の周りにプールの男達が集まってきた。
872 :
名無しって呼んでいいか?:2010/10/10(日) 21:19:25 ID:UN9GZEzS
Dボタン58秒貯めとかwwwwwwwwwwwwwwwwwwっうぇ
優子「私にもモテ期が来た!やったーーー!!」
優子は男達の前でポーズを決めた…男に見えない水着を着て。
「そんなサービスするか、ヴォケ!大体ヲタ臭キツイ男なんてお呼びじゃないわ!」さすがの優子も、ブチ切れてバスタオルを羽織り、監視員のバイトに戻った。
しかし、そのバスタオルも男性には見えない特殊素材の物であった。
ヒロインなのに裸がデフォルトな私は、服を求めて旅に出ることにした。
「ハハハ!パンツが履きたければ私に勝つことだな!」モンスターがあらわれた!
モンハン慣れした優子の敵ではなかった。
モンスターは若い女性用のパンツを着用していた。
女性用下着着用男が現れた!優子はどうする…?
1.10万円で女性用下着着用男の履いているパンツを譲ってもらう。
2.色っぽく女性用下着着用男に迫り、何とかしてパンツを譲ってもらう。
3.「私にパンツなんて不要だ!」と捨て台詞を吐いて、全裸でラジオ体操をする。
3.私はパンツなんかいらん!裸で何が悪い!!
優子はそう叫び、フェイントで男から下着を奪い取った
しかしパンツは破れてしまい男のちんこが丸出しになった
いい加減に鬱陶しいのでチンコはもいで置いた。もう脅かすものは何もない
やだ、良く見たらこの人佐藤君じゃない!
そう。一人目の敵“女性用下着着用男”は同級生の佐藤君であったのだ!
佐藤君(女性用下着着用男)「大鳥…さんっ…完敗だ…。俺は…大鳥の事が本当に…すっ…好き……ゴフッ!」
弟「姉ちゃん、今日はもう上がって良いってさ。帰ろう」佐藤君が何か言った気がしたが、弟の声でよく聞こえなかった。
優子「佐藤くーーーーんっ!私も佐藤君が好きなのぉっ!」
なんて言うわけもなく、私は弟と家に帰ってきた。お腹が空いたので冷蔵庫を開けるとプリンが一つある。
優子「あれ?このプリン誰の?」弟「それ、この間姉ちゃんが食べたいって言ってた限定プリン。食って良いよ」どうやら私の為に買って置いたらしい。
1食べる
2遠慮する
3一緒に食べる
3一緒に食べる
私「ありがとう!嬉しい!あ、そうだ。半分こしようよ。二人で食べれば倍おいしいもん」そう言うと、弟は照れたように顔を赤くした。
みるみるうちに弟の体が輝きながら膨らんでいった
そう。弟は姉の優子のプリンを食べる仕草で興奮し勃起してしまったのだ。
弟はシスコンだった。弟は姉と一緒にプリンを食べただけで頬を赤く染め勃起してしまう変態である。
メロスは激怒した。
激怒したメロスは優子を全裸にして誘拐、走って行った。
優子はひきちぎった佐藤君の金玉を一個ずつ投げつけて事なきを得た。
「姉ちゃん大丈夫?姉ちゃんの裸って…綺麗だよね…。」全裸になった優子をなめ回す様に見つめる弟はそう言った。
という白昼夢を見た。弟「ん?どうした??はい、スプーン」弟はいつもと変らない。
そんな弟は股間丸出しであった。
せめて皮だけでも剥けていればいいのにいつ見ても残念な股間だ。
優子はプリンを食べながら、弟の包茎を足の指でつまみあげた。
という読者の妄想に答えてあげたいところだが、残念ながら乙女ゲームのヒロイン優子には、包茎か否かの判断なんて出来ない。なぜなら、弟はズボンを履いているから。
優子「わぁ!このプリン美味しい!」
すると優子は全身が痺れて動けなくなった。
が、すぐに動けるようになった。あまりの美味しさに痺れてしまっただけのようだ。
プリンも食べたしお風呂に入って寝よう。私明日からがんばる。
お風呂に入ろうとして私はひっくりかえって頭を打ってしまった!
お風呂から上がって弟にたんこぶが出来ていないか見て貰う事にした。
弟「頭はともかく服は着た方がいい」
優子「嫌だ。服を着る前にタンコブを見て!」
弟「タンコブなら胸に2個もくっついてるだろ」
なんて会話にならない様に私はパジャマを着た。
このとき、病院に行かなかったことを私は後で後悔することになるのです・・・
私「ねぇ、お風呂で頭打っちゃったんだけど赤くなってる?」弟「大丈夫か?見てやるから椅子座れ」
弟はバリカンで私の頭を丸坊主にした。
優子はついでに陰毛も剃ってもらった。
デリケートな部分にバリカンを使うなんて、全く馬鹿げている。「ちょっと頭おかしいんじゃないの?」優子は弟をたしなめて、服を着た。
とにかく今日は、早く寝よう。
>>950には完結しなければならないのに。延々と続く悪夢のような毎日だ。
とりあえず明日はカツラを探すところから始めなければならない。
寝ながら考える。私「延々と続く悪夢…。はっ!もしかしてループしてるんじゃ…!」
だって毎日会うのは弟くらい。男の人に出会ってもフラグがたたない。まさか弟の罠!?
「なわけないか…寝ようっと……うっ!」
頭が痛い!私は意識が薄れていくのを感じた…
頭痛が治らない優子。頭痛が酷くなって寝れない。
選択肢
1.全裸で泌尿器科の病院へ行く。
2.全裸で婦人科の病院へ行く。
3.痛みを忘れる為に全裸でオナニーをする。
3
しかし、痛みが治まらないので早々に止めて服を着た。優子「これはちょっと危険かもし…」弟に救急車を呼んで貰った。
搬送先で盲腸と間違えられ、下の毛を全部剃られた優子は途方に暮れた。
「すぐに生えてくるし、ま、いいか☆」と、すぐに気持ちを切り替えて、退院の日を待った。
優子「はぁ・・・思えば服を着ていたためしがなかったな・・・」
裸だし、坊主だし、あそこの毛もないし、頭まで痛いのに残りは20レスもなくて優子は泣いた。
と言う夢を救急車の中で見た。
「大丈夫ですか?」その声で優子は目覚めた。なんと優子に呼び掛けていた救急隊員は、昔近所に住んでいた5つ年上のお兄さんだった
優子「大丈夫なら救急車なんか乗るかボケェ!!頭痛いんじゃワレ!」
救急隊員「エヘヘ・・・そうだよねぇ。優子ちゃんオトナになったねぇグヘヘヘ」
救急隊員「もし良かったr 弟「姉ちゃん大丈夫?どっか苦しくない?」付き添いで救急車に乗り込んだ弟は、病院に着くまでずっと話し掛けてくれた。
「ありがとう。でも私もうだめ」優子は白眼をむいて気を失った。
そこで目が覚めた。優子はプールで全裸のまま監視員をしていた。「やった、私生きてる!」
「元気があればなんでもできる!!」優子は拳を振り上げてプールに飛び込んだ。
都合良く葉っぱ3枚が私の体を隠して居た。
こうして優子のつらくて長い一日は終わった。働くって大変ね。
そういえば私、彼氏がいたんだった。
弟「今日も1日頑張ったよな。姉ちゃん、冷蔵庫にいつものアレ入れといたよ。」
ごほうびに私は弟のちんこを丁寧にフェラしてあげるのだった
さあ、明日もバイトがんばるぞ!
優子は寝る前に自分へのご褒美としてオナニーをした。
という夢を見た。欲求不満かな私。乙女ゲヒロインが自慰なんてしないし。
寝る前に彼氏に電話しよう。「もしもし鈴木君。私今日バイトだったんだよー」
鈴木「裸でバイトするような女は嫌いだ。別れよう」
───私はガチヒキニートになり弟に養ってもらうのだった………。
優子「え〜っ!嫌だよぉ・・・。だって私まだ鈴木君の生股間を見た事ないのにぃ〜。」
何だかんだで200レスあっという間に流れたね
次スレどうする?そもそも人いるのかな
ちょこちょこROMしてたけどw
どうしたらいいのかな?
希望が多ければ、テーマ決めて
>>970が宣言して立てる?
正直エロ系の内容は引くから、どっちでも良い派
中々早かったですなw気付いたら終了してた。
前みたいな雰囲気でやれるなら続けたいけど、自分もエロ系は勘弁。今回の短編迷走しすぎw
ファンタジーと心霊の途中まで参加してた
このスレあったの知らなくてここ数日ROMってたんだけど
冒頭の戦隊もの勿体なさすぎる
年単位で放置されてるスレなんだから
すぐまた放置されるかエロで荒らされるからイラネ
このスレの禁止事項にある通り過剰なエロはスルーか放置すればいいと思うけど
参加人数少なかったら回んないからなぁ
でも続けるならまた参加したい
エロ来たらスルーして、その前スレから続ければ良いんじゃね?
それは面倒臭いルールだ。どこまでがエロになるのかで多分荒れるぞ。
>>961 エロ単語きたらスルーはどう?
普通15禁くらいの内容だったらそんな言葉使わないわけだし
あと題材だが少し前に家庭教師の案が出ていたよ
あくまでも一般乙女板の範囲内ならセーフ、短編のエロレスは全部アウト
家庭教師だとピンポイントすぎないかね?
テーマでいうと何になるのかな…学園物とか時代設定を昔にして時代物とか
でも設定ガチガチに固めすぎると書き手減っちゃうよね
今の時点でも人あんまりいないし
一応家庭教師でいんじゃね?
ここ、上がってれば人はまあまあいると思うが、荒らす人がいたら普通に進まなくなるよな
今回明らかに男が混じって迷走してたから
次スレがまたそうなったらなったで数ヶ月〜数年ほどスレ放置も致し方ないって思ってる
エロ単語は自動的に跨いで進行というのは、レスする人の判断でいいんじゃないかと
一応少人数でも続けたい人がいるみたいだし細々とやってこうか
でもやめるなら今だぞw
次スレが立てるなら自分は参加するよ
今回の短編は迷走しまくってたが次回は萌える話になるといいな
家庭教師がテーマなら中世ヨーロッパが舞台でも面白そう
967 :
966:2010/10/15(金) 00:18:37 ID:???
○立つのなら
×立てるなら
間違えたスマン
ファンタジーのKY王子は誰よりもキャラが立ってて面白かった
婚約者設定あったわりにフラグ全然たたないけどw
一本目のSFもある意味迷走してたようなw
中世ヨーロッパ面白いね
自分は真逆で明治大正の大和撫子なヒロイン想像してた
ヒロインが家庭教師って事でいいんだっけ?攻略対象が家庭教師?各科目ごとに違う家庭教師つけてるお金持ちなヒロインとか?
家庭教師はいいと思う
時代設定くらいは決めたほうがいいよね
今出ている案は中世ヨーロッパ、明治大正かな
あとは普通に現代ものか
現代でいいと思うよ
書き易い設定の方が書き手が増えると思う
しかし現代だったら書きやすい分この短編みたいな暴走する奴がいそうだ
>968
自分もファンタジーから参加してたが王子はキャラ立ちしてて動かし易かったねw
短編、初代とノリが似てたな・・・
自分も時代設定あったほうがいい気がする
こんなクソスレの次スレなんかいらねーよw
ばーかwww
と、全裸の大鳥優子が言った。
というのは妄想で、乙女ゲームのヒロイン優子が裸であるはずもなく…。次スレ立てるなら
>>980が妥当だと思った。
なんかこのまま立ててもまた荒らされそう
でもこのスレ好きだから続いて欲しい
いざ新スレとなると誰も立てずに様子見ならまた放置よりこのスレ使いきった方が良くないか
という訳で梅
…と、全裸の大鳥優子が言った。
というのは優子の妄想で(ry
梅
優子は次スレがたたないのでパンツを脱いで足を開いて一週間以上待っていた
そこへ通りかかったイケメンが、下着をそっと置いて行きました。
優子はその下着で鼻をかみ、ごみ箱に捨てた。
そこへ通りかかったホームレスが、ごみ箱を漁り、嬉しそうに下着を握りしめ去って行った。
イケメンは優子の正面に這いつくばって股間を凝視していた。
そこへ優子を探していた弟が現れ、イケメンの尻を蹴り飛ばし、優子を立たせた。
優子「ちんこ立たすなスレ立てろ」
今荒らししかいないのな…取り敢えず埋めてく
スレを立てるほど、書きたい訳じゃないのかな?
こうしてこのスレは二年半の寿命を終えようとしていた
大鳥優子は全裸で悲しんだ。
赤澤「全裸の女は俺がやっつける!変身!」
赤澤の名前を見ると戦隊途中で過疎っちゃったのが悔やまれるなぁ
赤澤GJ!
最初に書いてた人、本当にライターになってるかもなと思ってみたり
最近戦隊乙女ゲ結構見るよねw
ここで書いてた頃はまだコンシューマーで戦隊物なかったはず
またみんなで書ける日が来るといいね
と、全裸の大鳥優子が言った。
赤澤は優子を押しのけて言った。「それじゃ、いつかまた会おう!バイバイ」
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。