選択肢を選んで1000レス目でED 3

このエントリーをはてなブックマークに追加
55686
@「えっと、それって……」

「そ。愛菜ちゃんをお嫁さんにして、ずーっと守ってあげる」
腰に手がまわされ、更に修二君の顔が近づく。
身をよじってみても、逃げ出すことが出来なかった。
(じょ、冗談よね……)

「あ、あの……まだ早いよ。お互い高校生だし」
「別に早くてもいいじゃん。俺が一生守ってあげるって言ってるんだから」
「今はそういうの、考えられないっていうか…」
「じゃあ、今から考えてみて」
(困ったな。どうしよう……)

「修二。大堂が嫌がっているだろう」
半ば呆れたように、一郎君が呟く。
その言葉が耳に入らなかったのか、修二君の左腕に力がこもった。

「なんで逃げようとするのさ? 愛菜ちゃんは俺のこと、嫌い?」
「嫌いじゃないけど……」
「けど、何? 俺のことが嫌いなら、はっきり言ってよ。諦めるから」
「修二君のことは、本当に嫌いじゃないよ。でも、冗談もほどほどに……ね」
「俺はいつも本気なんだけどな。最初から付き合いたいって言ってたじゃん」
「そういうの、本当に困るっていうか……」
「困るってどういう事? この剣の方がいいの? それとも兄貴がいいの?」
「どっちがいいとかじゃなくてね」
「神器や過去じゃなく、俺は愛菜ちゃんがいいんだよ? どうしていつもはぐらかすのさ」
「……もう少し修二君も真面目に考えようよ」
「俺はいつでも真面目だよ」
困り果てて、私は修二君から視線を逸らす。
度を越した冗談に、笑えなくなってしまったからだ。
いつもの過剰なスキンシップにしては、強引すぎる。

一郎君もさすがにやり過ぎだろうと判断したのか、修二君の肩に手をかけた。
「おい、修二。いいかげんにしろ!」
「兄貴は黙っててくれよ。俺は今、愛菜ちゃんとしゃべってるんだから。
この前、俺の事を信じてるって言ってくれたよね。なら、逃げないで俺を見てよ」
強引に顎を鷲掴みにされる。
向き合った修二君の眼差しに、思わず息を飲んだ。
「し、修二君っ離して……!」
怖い、と私が感じた瞬間、身体にまわされていた手がパッと離れた。

「ごめん、愛菜ちゃん。どうかしてた、俺……」
修二君は素直に謝ると、ドアまで歩いていった。
「センパイ、そんな怖い顔しないでさ。俺たち仲間らしいし、許してよ。あと兄貴、部室のカギ返しておいて」
一方的に言うと、修二君は部室を出て行ってしまった。

(修二君の目……氷みたいに冷たかった)
力尽きるように、私は長椅子に座った。

@考える
A一郎君を見る
B冬馬先輩を見る