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@剣の力をもつ人が誰か
(そうだ。武君は二人が剣を見つけていたって言ってたよね)
「あの……ちょっと聞いてもいいかな?」
「ん? なに、愛菜ちゃん」
「なんだ、大堂」
二人がほぼ同時に私を見てきた。
その視線を感じながら、言葉を続ける。
「鏡は一郎君と修二君だよね。……剣って誰なの?」
(教えてくれるのかな……)
不安の入り混じった視線を二人に向ける。
けれど私の事なんて眼中にないように、二人は顔を見合わせていた。
「早っ、もう来てるよ。あーあ、アイツのこと嫌いなんだよなぁ」
「力の解放で俺達の結界が弱まったからな」
「ちょっ……二人とも何を話しているの? 力が戻った私にも判らないこと?」
私の問いかけで、修二君がようやく私に気づいたみたいだ。
「ああ、ゴメン。なんだったっけ」
「剣が誰なのか教えて欲しいんだけど……」
「その剣さん、部室の前まで来てるよ。直接きいてみたら?」
(部室の前? 直接きく?)
「ストーカーみたいに付き纏って……いいかげんにしろっての」
ぶつぶつと文句を言いながら、修二君は部室のドアまで歩いていく。
そして、ドアを勢いよく開けた。
―ゴンッ
大きな鈍い音がして、ドアが途中で止る。
「あのさー。これ外開きだから、そこに居たら危ないよ」
「…………」
「と、冬馬先輩!?」
冬馬先輩がぼんやりと立っていた。
鮮血が額からツーッと伝い落ちているのに、相変わらずの無表情だった。
私は……
@冬馬先輩に駆け寄る
A修二君を怒る
B一郎君を見る